話題の小説より リアル 

このマンションには、若いカップルから熟年夫婦まで様々な人が住んでいる。

全身ブランドで固めた独身女性。髪はキラキラ艶々だ。
真逆には明らかに田舎から出てきたばかり。三流のブランドのカバンを持ち、カバンの隅には擦れた傷や汚れが目立つ。親の資金で賃貸に住んでいるであろう若い夫婦はよく週末田舎から親を呼び、マンションを自慢しながら歩いている姿を頻繁に見ることができる。

時に、首をかしげるほど何の仕事をされているのかわからない方もエレベーターで遭遇する。
長く生きてきた中で、ここまで不思議なマンションは住んだことがない。
挨拶もなし、譲り合いもなし。1人1台のエレベーターを独占したがるこのマンション。
自分の部屋に入るためだけに10分以上はかかると言う始末。
確かに銀座も近く、商業施設ももて遊ぶくらいあり、買い物には困らないし、気分転換にもとても良い場所である。海沿いでもあり、公園も沢山あるので、子育ての人にはとても良い環境であろう。
子供のいない私には全く関係ないのだが、、。
最近大きなマンションが立ったことにより、スーパーも3つ増えてより住みやすくなった。特に嬉しかったのは激安のスーパーができたことだ。以前は高級志向のスーパーしか近所になく食費はかなり圧迫していた。
とは言え、激安のスーパーより、魚の鮮度や肉の旨味は段違いに違うのは確かではある。
違和感を覚えつつもこのマンションに住み着いた理由は狭いけど夜景が素晴らしい、、これに尽きると思う。
不満はあるけど、満足度も高いこのマンション。
満足出来るはずだった。
金メッキが少しづつ剥がれていく、、その時までは。
でも、それは序の口でしかななかった。

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