コインロッカーベイビー未満

忘れもしない、小学校低学年か中学年?2年生か3年生の頃。母が仕事休みの日曜日で、二人でテレビのニュースを見ていた。

その日のニュースは、コインロッカーから赤ん坊の死体が見つかったというニュース。

母は淡々とした口調で、「私がもっと若い母親だったら、アンタもコインロッカー行きになっていたかも」と言った。その言葉自体は一生忘れもしないが、私は聞いても「ふ〜ん、そうなんだ」という感じだった。

母の言葉が悲しくてショックではないのにその言葉を覚えているのは、私の記憶力が異常だからである。IQも少し高めであるようだ。

それから約40年後、なんとなく夫にそのエピソードを話すと、「子供にそんなことを言うこと自体、児童虐待じゃね?」と言った。
そういう発想を今までしたことがなかったので驚いた。夫は私が驚いたことに驚いたようだった。

毒に染まっていて正常な判断ができない私に、普通の家庭とはどんなものかを教えてくれる存在が夫である。夫には日々感謝している。

だが今思うと、生まれてまもなくから、ずっと私は死にぞこないなんだな〜と思う。


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