言葉の壁を越えて
最近、私が感動したこと。
生徒同士がお互いの考えていることを知ろうとする姿。
私は特別支援学校に勤めている。
現在は、高校生の担任をしている。
先日、近くの商業施設に出かけて勉強した時のこと。
1~3年生でグループを作って、好きな活動をする学習でのこと。
そのグループには、お話ができる子もいれば、
身振りや発声で話をする子(以下、Aくん)もいる。
Aくんの近くには、職員が付き添うことが多い。
でも、この学習中はちがった。
職員は近くで見守るだけ。
生徒同士で活動するように伝えていた。
昼ごはんのときのこと。
フードコートに行った。
Aくんは、店員に意思を伝えることが難しく、昼ご飯を一人で買いに行けない。
さあ、他の生徒たちがどうする?
様子を見ていると、
生徒同士でAくんがどれを食べたいか、聞き出そうとするのだ。
「先生、Aくんは何を食べたいんですか」
「お肉か、ちゃんぽんよ」
ある生徒に伝えると、突然、Aくんの方に体を向け、指を立てながら、
「お肉と、ちゃんぽん、どっちがいい?」
よく職員が本人の意思を確認するとき、指を立てながら選択肢を伝える。
そのやり方をまねして尋ね始めた。
おかげで、Aくんはちゃんぽんが食べたいと伝えることができた。
さらに、ちゃんぽんを買いに行くとき、別の生徒が一緒に行き、
お店のメニュー表を一緒に見て、
「何を食べる?」
と尋ね、一生懸命に意思を確認している。
Aくんも伝えようと、ちゃんぽんを指さしたあと、なんとチャーハンと餃子のセットもまで指さしていた。
貪欲に伝えようとするAくん、聞き出そうとする生徒たち、その様子に私は感動して、涙が出そうになった。
お互いに分かり合おうとする姿は、キラキラして美しい。
今日も生徒たちから教えてもらった。
ありがとう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?