60 悩むのは愛着があるから

 「愛別離苦」が人生です。「怨憎会苦」が人生です。生きることは、つらいものなのです。しかし、だからといって、悩む必要があるでしょうか。人がなぜ悩んでしまうのかというと、愛着の問題です。たとえば、誰かが「家一軒、壊れましたよ」と騒いでいたとします。それだけなら無関心でいられます。驚きもしません。しかし、「壊れたのはあなたの家ですよ」と言われたら、その瞬間に気が遠くなって、立ち直ることができなくなります。問題は愛着にあるのです。外国でたくさんの人が死んでもぜんぜん気にしませんが、家族の誰かが一人死んだら、耐えられない苦しみに陥りますね。問題は愛着にあるのです。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第1章 私たちの悩みを解決する《苦》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【業/苦/死―アルボムッレスマナサーラ法話選12012年 p175】

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