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 ねばらないと (1161文字)

 漫才コンビのブラックマヨネーズの小杉さんが、「オレと吉田が組んだのは24歳で、その頃としてはかなり遅かったねん。吉田と二人でネタを考えてたんやけど、いつもファミリーレストランでやっていた。
 前に組んでいたコンビのときもファミリーレストランでネタ考えたんやけど、その頃は、二人集まってネタを考えて、その店が閉店になったら『今日は無理やったな。』って言って別れて帰っていたねん。
 でも、吉田は『オレ達は組んだのが遅いんやから頑張らなあかん。』ちゅうて、24時間営業のファミリーレストラン探してきて、そこでネタを考えたん。
 だいたい昼過ぎに集まるんやけど、飯食ってなかったらそこで昼飯食って、夕飯食って、次の日に朝飯食って、昼食もそこで食うってことが何度もあった。ネタが浮かばへんかったから。
 そんなに長居しているから、店側は絶対無銭飲食だって思ったと思う。そういうことしていて、『ああ、成功するためにはネタを作る店探しのところから考えを変えなきゃだめんやな。』って思った。」
と、テレビで言っていました。

 私も「何事もねばることは大事だ。」と思っていますが、仕事で成功した人のこういう話を聞くと感動を覚えます。

 以前、映画『浅草キッド』のテレビCMで「あんなのオレでもできる。・・・」と若手時代のツービートが悪口のナレーションが流れるシーンがありました。他にもいろいろ悪口を言われたという回想なんですが、私には「あんなのオレでもできる。」という台詞が琴線に触れました。

 過去の経験からいうと、できない奴ほどそういう生意気なことを言います。
 それでいて時間が経つと、そんなことあったっけ、って顔をして「ちょっと、教えてよ。」と擦り寄って来たりします。
 言った方は忘れても、言われた方は忘れません。
 それが同期入社職員だろうと先輩職員だろうと上司だろうと(後輩はさすがにそんなことは言いません。思っているかもしれませんが。)、「いやー、ボクもよく分からなくて。」とか言って教えません。
 私が教えないと決めたら絶対教えませんし、「知っていてもお前に教える訳無いだろ!」という心の声も言わないように努めます。

 私は、減らず口を叩いて相手を本気で怒らせたら、後でとんでもないことになるってことをよく知っていますから軽薄なことはしないようにしています。

 話がずれましたが、難しい本を読み終えるにも、複雑な仕事を覚えるにも、ねばることなくしてはうまくいきません。
 1度か2度でなんとかなるならそれは難しくも複雑でもないわけで、何度もリベンジマッチ(revenge match 雪辱戦)を繰り返さなければならないからこそ大きな目標であり大きな挑戦なわけです。


#創作大賞2024 #エッセイ部門 #ブラックマヨネーズ #そんなのオレでもできる

 

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