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温泉ソバリエ、そば事始め ①白骨温泉+松本・野麦

最近、ランチといえば迷わずそば店を選ぶようになった。
 
昨年、「江戸ソバリエ認定講座」(※)を受講し、「脳学最優秀賞」なるものを受賞して「そば通」の仲間入りを果たした気分になったのもあるが、なによりもアラフィフになるとなぜか、そばが恋しくなる。
 
(※江戸蕎麦の通人を目指す民間資格。江戸開府800年を記念してスタートし、2023年で18回目。約1800名を輩出)
 
そばはビタミン・ミネラルを含む栄養価の高い食品。
昔の修行僧は、飢えを凌ぐために挽いた蕎麦粉を携帯していたというし、体は健康な食を知っているんだろうなあ。
 
ここで、そばの健康食たるゆえんをおさらいしてみよう。
 
その1)そばは炭水化物のイメージが強いけれど、小麦粉と比べてたんぱく質や食物繊維が多い。
 
その2)そばに含まれる「ルチン」は血管を強くし、動脈硬化を予防。「ビタミンB1・2」は疲労回復や精神的なイライラにもいいらしい
 
その3)GI値が低い。食後に血糖値が上がりにくいから、ダイエットにいい。オーバー50のお年頃の我々にはダイエットよりも「血糖値が上がりにくい=血管を傷つけにくい」ということのほうが刺さるかもしれない。
 
健康長寿への道は、血管をいかにしなやかに保ち、血流をよくするか。
そばと温泉はこういうところも近いなあ、と思うんだよね。
 
 


で、温泉地取材に行くときにも、ランチにそばを選ぶことが増えている。
 
先日、長野県・白骨温泉に出かけたときにも行きも帰りもそばをセレクトした。

JR松本駅から白骨温泉に公共交通機関で行く場合は、新島々を経由してさわんどバスターミナルへ。そこからさらにバスを乗り継ぐ。車で移動する場合は松本駅から約1時間である。
 
文化薫る城下町、中核市の松本から1時間といえば、かなりアクセスがよいイメージがあるんだけど、くねくねと山道を行くから、まあまあ大変。平地には雪がないようなシーズンでも、沢渡(さわんど)地区を超えたあたりからは雪道だから、冬季はスタッドレスタイヤが必須。冬は雪道に慣れていない人は車移動は嫌がるし、直通バスや送迎バスもないから、ハードルは上がるかもしれないね。
 
行きに立ち寄ったそば店は、松本駅と白骨温泉のちょうど中間くらいでとってもいいお店だったけれど、店主さんが体の調子を崩してそばを打てなくなったので閉店・・・という残念なお話。途中の飲食店はそう多くないので、昼食を食べる場所は目星をつけて出かけた方が安心だろう。
 

肌にまろやかな白骨の湯。温泉粥もおいしいよ♪


白骨温泉は白濁の硫黄泉。pHは中性(ホームページなどでは弱酸性とも)なので、濃厚だけどまろやかな肌触り。強すぎないのがいい♪

共同源泉のほかに、それぞれ自家源泉をもっている宿はそれも使っているので肌触りなどが少しずつ違うそう。


泡の湯の露天風呂。女性でも入りやすい混浴。立ち寄りで行く場合は湯浴み着かバスタオルをお忘れなく


下の写真は小梨の湯笹屋の貸切露天風呂。かわいい雪だるまは誰がつくったんだろう〜? お宿の人だったら、心にくい演出だよね〜

貸切露天風呂に作られたかわいらしい雪だるま


湯船は石膏成分でコーティングされている。同じ白骨でもここまで折出物がついているのは珍しいとか


笹屋は白樺林に囲まれた、温泉街とは少し離れた場所の最上部にある一軒宿。
昔、このあたりにはスキー場があって、そのリフトの跡地だった場所に、先代が古民家を移築したんですって。
 
そばもそうなんだけど、年齢とともに、上質なもの、自然なものに目がいくようになってきて、お宿も近代的な造りよりも木の温もりが心に染みる。こういう宿がいちばん落ち着くわ〜。

 
帰りがけに立ち寄ったそば店は松本駅駅前の「野麦」。
駅からは、徒歩10分くらいかな。駅前なので駐車場はなし(近くのコインパーキングへ)。

12時前なのに2人の男性客が待っていた。冬だから待ち時間も考慮して、外にひざ掛けやカイロなどが用意してあって、サービス満点だな〜と感心しきり。


お店の前にホッカイロと膝掛けが置いてあります

店内には4人掛けのテーブル席が3つ。
3組または4組(手前のテーブルのみ仕切りありで1人客+2人客などで2組入れる)のみ入れるそうだ。
 
そばのメニューはせいろか、温かい五目かけそば。細く、冷水で締まった、角の立った9割そばが供される。
 辰野町小野地区の蕎麦を石臼で挽き、手打ち、手切りしているそうだ。


細くて端正なそば。美しい〜

つゆはキリリとしていて、すっきりした味わい。白髪ネギとわさびがさわやかに口の中に広がる。
 
器は三重の松宮洋二さん、ざるは戸隠の渡辺周運さんという作家さんのもの。そば湯は真鍮の取手がついた、とてもすてきな陶器に入れられていて、中を覗くと、白く濁ったポタージュ系の濃厚な汁。

 


そば湯の器もとってもかわいらしくて気に入りました


 この店で修業して独立した人もいるお店。
人気店はそっけない接客の店もあるが、「お寒い中、お待たせしてしまってすみません」と、とても気持ちのよい対応。また訪ねたいお店だな。

小梨の湯笹屋

野麦

 
 

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