見出し画像

ワルシャワ通りで、変わってゆくベルリンを思う。

土曜のベルリンは雨だった。今日は子供達から解放され一人時間ができた。少し贅沢をしたい時は、インスタ映えする可愛くてゴージャスなドーナッツが食べたくなる。それで今日を少し特別な日にしたい。お目当てのドーナッツ屋はワルシャワ通りにあるので、電車に乗った。ワルシャワ通り駅は2017年に新しくなったけれど、しかっり落書きされ程よく汚され、ベルリンのどんより空に物言わず馴染んでいる。

そういえば昔いたパンクのお姉ちゃんやお兄ちゃんはどこに行ってしまったのだろう。みんないい大人になって家族を持って、今では税金を払っているんだろうか。
改築される前の駅前はもっと汚くて、危なっかしい臭いがした。髪の毛を立て、黒いペラペラの服を着たパンクの若者達が地面に座り込み、ビール片手に宴を楽しんでいたから、ベルリンに来た当初はちょっと怖くて早歩きで通り過ぎた。道にはお金を入れもらうためのコップが置いてあったが、恵んでもらうというような悲壮感はない。いったい誰がお金を入れるんだろうと、いつも不思議に思った。

町がきれいになり安全になる事は良いことだ。けれどベルリンらしさが失われていくような気がして寂しくもある。私の体感としては7、8年ぐらい前から町で英語が聞こえるようになった。公園で子供を遊ばせている若いお母さん同士が、英語で話しているのだ。新しくてオシャレなカフェはだいたい英語対応、というのがべルリンのあるあるだ。美味しいコーヒーが飲めるお店もぐっと増え、ベルリンが垢抜けた様に思う。

ドーナッツ屋のお店の人もお客さんも、英語で話していた。壁には「donut eat animals 」と書かれた文字が光っている。動物性食品が入っていないヴィーガンドーナッツ、ってことは卵も入っていのか。4つで13ユーロ(約1800円)だった。ベルリンは環境意識の高いビーガンやベジタリアンの人が少なくない。だから大抵のレストランではベジタリアン人向けのメニューが豊富にある。

帰り、同じ通りにあるナッツとドライフルーツのお店で、お買い得になっていたミックスナッツ袋詰め300グラム、5ユーロ60セント(約800円)を買った。アラブやトルコ系のお店には入ると、ドイツにいるとは思えない、全く違う文化に包まれる。

ドーナッツは知り合いの日本人の人と一緒に食べた。彼女から子供の古本をもらって、帰りに近所のスーパーに寄ったら、日清のカップラメーンを見つけてしまった。カップラーメンも昔はシャンピニオンクリーム味みたいに、変なヨーロッパ仕様になっていて美味しくなかったけど、今では日本で売られている味の商品が手に入る。しかもアジアショップでないドイツの普通のスーパーでだ。

十分不摂生を楽しんで、私の土曜日はゆるりと終わったのでした。

今日は1ユーロ、約143円。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?