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経験を血肉に変える

人生何周目?!みたいな言葉や行動ができる人がいる。

最近記憶に新しいのは、
杉咲花ちゃんのアンメットでのクランクアップの挨拶がそう。

彼女の言葉は、確かにすごかった。
他人への気の配り方や自分が今まで感じた葛藤や口惜しいことを、バネにして大きく羽ばたいている印象だった。

人生が1周目でも、2周以上したような言動や生き方をしてるなと言われるのもよく分かる。

結局のところ、本当は16周目とかかもしれない。
確かめようがない。それぐらい彼女はすごい。


明らかに人生1周目みたいな、
凡ミスを繰り返す人もたくさん見てきた。

大人なのに、よく大怪我したり、死ぬほどイヤホン無くしたり、洗剤のCMに使えそうなぐらいカレーを白シャツにこぼしたり、チャリのペダルで脛を思いっきり打ったり。

山ほどある。

それはそれで愛くるしくて“人間”してるなと思う。

(お笑い芸人でいうと、生きんのむずい芸人でお馴染みの、9番街レトロのなかむら⭐︎しゅんさんなんてどうでしょうか。)

脱線しました。


人生2周目?と言われるような人って、
気持ちを言葉にするときに、自分の気持ちと他者の気持ちを深く理解している人かなと思う。

どこか自分を俯瞰して見ていて、複数の視点から物事を捉えられたり、自分の経験した嫌なことも良かったことも感動したことも、全て“いま”の自分の血肉にしてるのではないだろうか。

ただ、自分を俯瞰をして見ているだけでなく、俯瞰して見ている自分ももう1人の自分として確かに考えがある。みたいな。

簡単にいうと、“自分”と“自分を俯瞰で見ている自分”の2人の気持ちを合わせて、“私”みたいな。
哲学すぎ、思想強


多くの人は、壁にぶち当たった時やミスをした時、
「こんなこと前もあったなー」とその瞬間に過去を思い出すのではないだろうか?

過去の経験や心の痛みはあまり覚えておきたくはないが、“その痛みを感じた経験を忘れず”にその瞬間から少し自分の考えを改めると、丁寧に生きていけるのではないだろうか??

あんなこともあったなー!!!
だけでは、そりゃ忘れる。私もそう。

恋愛で毎回同じ結果になる人もそう。
恋に関しては、すればするほど成長できるのでどんどんバンバンするべき。でもちゃんと心で、ね。

私は以前、「人生2周目?」と言われたことがある。


私はとある職場で、全員がなんの作業をしていたか常に把握するようにしていた。
そうすれば自分の手が空いたら手伝うこともできるし、スムーズに事が運べばすぐに帰れるだろうし。

人生2周目?と言ってきたのは、私より少し年上の先輩。公私共に仲良くしてもらっていた。

その先輩の仕事を見ながら私も仕事をしていたが、
私がやった事ある作業だと、
次に必要なものや、この場所にあれがあった方がスムーズだな、次はあれを持ってきたら一度も手を止めずに進める事ができる、と一通りの工程が頭に入っている。
そのため、自分の作業をしながら、先輩が必要になる書類や道具を先輩の手の届く場所にそっと置いたり、動線となる道をあけたりしていた。

あくまでも自分の仕事を止めずにできる範囲で。

先輩はいつもより、先輩自身の手が止まらずにスムーズに仕事ができている事、欲しいところに欲しいものが不思議とある事に気がついた。

「人生2周目?」 出ました。

大したことはしてないし、作業が早く終わればいいに越したことはない。

私は同様のことを他のスタッフにもしていたが、
「なんか今日早く終わりましたね」とまとまるだけで、気がついたのはこの先輩だけだった。

私からすれば、気がついた先輩が人生8周目だったし、
笑えるほど仕事ができる人だった。
先輩は仕事ができすぎて、人生9周目にしたいことの話をしていた。

月初に必要な作業があって私の手が空いたので、
25日ぐらいに勝手に済ませた事があった。

31日に、先輩が、
「これやってくれてたよね!ごめん!昨日気がついたけど言うの忘れてた!ごめんね!ありがとう!助かりました!!」と言った。

いや16周目(笑)

感謝を言うことを忘れたことの謝罪は、言わなきゃバレないし、感謝も別に言われるほどのことはしてなかった。

日が経っても感謝をきちんと伝えてくれる人は、
どの世界に行っても、何歳になっても、素晴らしいと思う。ましてや歳下にもこんなに丁寧に接してくれるなら、どこまでもついていきたくなる。

私はこの経験から、相手に気が付かれなくても謝罪と感謝はきちんと伝えるようになった。

言わなきゃバレないことは山ほどある。
言わなきゃバレないことは言わないから体力を使わない。
でもあえて伝えることにきちんと体力と時間を使える人は、信用ができる。

苦い経験も、良い経験も、体験して他者の気持ちがわかるし、された側の気持ちも知る事ができる。

人に優しくできる事、人の助けになれること、
苦しんでいる人痛みを抱えている人の支えになれるのは、たくさんの気持ちを知っている人だと思う。

いろんなことを経験して、自分の血肉にして、生きてる人が多いと、戦争はなくなるのにな。極論



本当は、先輩の話ではなくてこの職場で経験した、
2度とやりたくない仕事をこなした話や、
理不尽に爺さんに怒鳴られた話を書こうと思った。でも書いてる最中に思い出して、しかめっつらになって苦しくなったのでやめた。
心の健康が1番。過去のことだし見たくないものは見なくていい。


大人になったら、
念の為カツ食べた後は胃腸薬飲んどけって話でした。

またね