うさぎとかめ。

お話のラストではかめが勝つし、童話としては「真面目にコツコツ努力できる人を目指しましょう」というメッセージを伝えたいのだと思う。


能力というのはいろんなものがあるけど、汎用性の高さで言えば「継続力」が一番優れているのではないかと思う。少なくとも私はそう思う。


先ほども述べたが、かめは「真面目」「コツコツ」「努力する」という3つの才能がある。
言葉のイメージだけど、3つはそれぞれ微妙に違うと思っている。
「真面目」は考え方の一つ。実際行動できていなくても真面目という人は存在する。物事に誠実にありたいという思いを「真面目」と呼ぶ。
「努力する」はエネルギー量のこと、というイメージがある。注ぐエネルギー量が多いと、努力しているなと思う。


「コツコツ」が「継続力」に当たるんじゃないだろうか。「持久力」「忍耐力」も類語だと思う。積み重ねていくこと。とりあえず繰り返しておけば退化することはないし、別の能力を組み合わせれば自分を成長させることができる。一つのことを継続することはアイデンティティの確立にも繋がり、自信になる。


なんでこんなことをつらつらと書いているかというと、私が「真面目で」「努力家な」うさぎだからだ。



童話に出てくるうさぎとは異なり、私は真面目に生きてきたと思う。ただ、継続力は持ち合わせてなかった。これだけで随分苦労するものだ。


継続していないだけで「怠け者」「向上心がない」と思われてしまう。

「続けていけばもっと伸びるはずです。なのにどうして」
「せっかく才能があるのに」
「もったいない」
「だらしない、魅力的に見えない」


どれだけ言われたことだろう。

「飲み込み早いね」
「頭良くて羨ましいなぁ」
「こんなに最初からできる人いませんよ!」
「サポートするから一緒に頑張ろう!」
「トップ目指そうよ!」


例えるなら、私は持久走なのに短距離走だと勘違いして序盤でリタイアする人間なのだ。
最初の集中力は強い。飲み込みも早い。やる気もある。指導する側からしたらこんな良い人材いたんだ、って感じだと思う。


でも、期待されるたびに、求められるたびに、強要されるたびに、どんどん嫌な気持ちになってくる。
好きだったものが少しずつ嫌いになっていく。
最終的にはベッドから起き上がれなくなるし、多くの人に失望されてしまう。信用を失ってしまう。


最終的な伸び率で判断されることは生きていると多い。最終的な評価は最低を叩き出してしまう。それが私だ。


「これは続けられるかも」という自分の期待さえ裏切る。自信がなくなる。何をやっても無駄な気がしてくる。期待させるだけさせておいてドロップアウトするのは申し訳ないと思う。



何かを継続できている人に聞きたい。

あなたは
好きなことだから継続できるんですか?
忍耐力があるから継続できるんですか?
ストレス耐性が高いから継続できるんですか?
責任感が強いから継続できるんですか?
頑張っている自分が好きだから継続できるんですか?


継続することは普通のことですか?


人生は長い。だからみんなそれぞれ自分の強みを身につけるためにハイレベルな能力を求めて継続する。継続することが社会の評価に繋がる。


私の武器はいっぱいある。でも全部中途半端。

「じゃあ、あなたの強みってなんなの?」
就活はこの質問がつきまとうから、私は21歳の冬、震えて眠るしかないのだ。


私は私に救いを見出せない。

この記事が参加している募集

#仕事について話そう

110,284件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?