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美しき無国籍料理、EMI❤️さんに捧ぐ③

 「絵美さん、じゃあ、あなたを料理する
『美しき無国籍料理』のメニューを発表します。
◆前菜 キス、整体・リンパ・性感マッサージ
◆一の皿 栗、つまりクリトリス逝き
◆二の皿 Gスポット、ポルチオ逝きへチャレンジ
◆ドルチェ 後戯、ピロートーク、スペンス乳腺
      開発
 こんな感じですね」

 「あら、すごーい。やっぱり、コースになっているのね。私、美味しくなるかしら」
 「もちろんです。私史上最高の、美しく美味しい料理にします。最高の素材ですから。それじゃあ、プロローグとして、歌を歌いますね。10年ほど前の、NHKの朝の子供番組の挿入歌です。とっても、前向きな元気が出る、歌詞とメロディーなので…」
 私は歌いだした
「パッパラパーパッパパラパーパッパラパーパッパパラパー、ほら君がいるから世界はワンダーランド、生きてるって素敵なジェットコースター、物語は続いている、新しい夢のページまためくろう。もっと楽しまなくちゃ、私の大冒険、私の宝島どこにあるかしら、物語は続いている、誰もが主人公のこの地球。そうさ、花が散るのは、種子を結ぶため、明日って言う花、また咲かせるため、物語は続いている、終わりは次の君の始まりだ、物語は続いている、誰もが主人公のこの地球」
「とっても元気のでる歌ね、中山さん上手、声も良いのね。歌のお兄さんみたい」
「へへへへへ、そうですか、嬉しいです。後から、髭ダンの『I LOVE…』歌いますね。私の気持ち、この歌の歌詞と同じなので、絵美さんに捧げます」
「今でもいいわよ、聴いてみたいな」
「じゃあ、歌います。僕が見つめる、景色のその中に、君が入ってから、変わり果てた世界は、いつもそつなくこなした日々の真ん中………」
私がワンコーラス歌い終えると、絵美さんは
「ほんと、上手じゃない。私の勘だと、きっと料理もHも、みんな得意なのね。楽しみー、中山さん、伊織さん、素敵よ。そろそろお風呂上がって、食事にしましょう」
ふたりで手を繋いで浴室を出て、身体を拭きホテルのローブを羽織った。
 私は、料理の準備にかかり、コースの内容を絵美さんに伝えた。
「SEXの前、女性はちゃんと召し上がった方が良いらしいです。逆に男性は、余り食べない方が良いのだそうです。
メニューです。
◆前菜 フルーツサラダ、ラタトゥイユ
    カナッペ、スモークサーモンのマリネ
◆パン バゲット&バター
◆一の皿 ペンネアラビアータ
◆二の皿 ローストビーフ
◆ドルチェ・カッフェ チョコレートケーキ
以上になります」

「まあ、素敵。美味しそう。私も、これくらいに美味しそうかしら」
「私史上最高の素材です。間違いなく、美味しく料理させていただきます。私こそ、いただくのが本当に嬉しくて、楽しみです」
絵美さんの眼差しを見つめて、私は伝えた。
 私が、前菜から順番に料理を出していくと、絵美さんはひとつひとつ丁寧に味わい、そのレシピについて訊いてきた。
 特に、ラタトゥイユが気に入ったようだった。私のラタトゥイユは、ベーコンやコンソメが入っているので、南仏のラタトゥイユとは違って、イタリアのカポナータの方が近いのかも知れない。
 フランスパンのバゲットは、杖の意味で長細い。彼の地パリでは、200mおき位にパン屋があり、毎朝お気に入りの店に皆んな買いに行くという。メインはこのバゲットで、太いパリジャンやバタールは少数派。バゲットは、塩気のあるクラスト・皮を味わうので、バターは皮に塗って、先にバターが舌に当たるように食べる。中身の白い部分・クラムには塗らない。食べ比べると、全然違う。クラムにぬるのは、クリームやジャムなど甘いもの。
 一の皿、アラビアータは市販のソースをアレンジして時間を短縮。甘みとコクをだして、自分らしさを。ペンネは、人気ブランドのディチェコを使う。
 二の皿、今日は時間がないので、ローストビーフは市販のものを使う。
 ドルチェはチョコレートケーキ。新潟伊勢丹のモンレーブというブランド。パティシエ世界大会で優勝した方が監修したもの。濃厚な大人の味わいが特徴的。

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