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官能童話『妖精ピピとオーロラ』⑤、RIOに捧ぐ

 リオは答えて
「そうね、私のミッションを叶えてくれたら、してあげてもいいわよ。そのミッションを叶えるためには、あなたは一生懸命、私から性愛テクニックを学んでね。それで、獲物を逝かせて、情報を聞き出して欲しいのよ。その獲物は、あの淑女の館のマダム。情報は、カールがいなくなった日の、きこりのアーンのアリバイね。彼女は、そのことについて絶対に知っているはずだから」

「リオさん、分かりました。僕の役目はそういうことですね。リオさんは、そこまでして、カールさんのことの真相を知りたいということですよね。そのテクニックって、どうするんですか?」
とゲオルクは尋ねた。
「それはね、これから、私が私の身体を使ってあなたに授けるわ。挿入だけは、ご褒美だから、だめだけど」

 そうして、それから毎日1週間、ゲオルクはお昼過ぎにリオの家で、性愛テクニックを学ぶのでした。始めははぎこちない稚拙なものでしたが、リオの熱心な指導、また美しい身体、その敏感な反応により、ゲオルクのテクニックは素晴らしいものになりました。最終日には、ゲオルクはリオを逝かせまくることができるようになったのです。そのため、ピピとの夜の営みは時間が短くなり、なんとなくピピは寂しさを感じました。でも、そんなゲオルクへのミッションを与えるリオの姿は、彼女の決意の厳しさをピピに示していたのです。

 いよいよ、ゲオルクが淑女の館に行く日になりました。リオから渡された、5千クランという大金を持ち出かけて行きました。童貞を捨てるため、2年前に初めて叔父さんに連れられて来て以来になります。予め、マダムに予約を入れていたので、待たされることなく、すんなりと2階の奥のサロンに通されました。
 衝立の向こうから
「いらっしゃい、ゲオルクさんね。私に逢うのはこんなに高いのに、よくお金が用意できたわね。誰かの差し金かしら。まぁ、大体見当ついてるけど。でも、私高すぎるから、実際はほとんどお相手してないのよ。事務的なことは、身代わりのものがやっているから、そちらを私だと思っているかも知れないし」
と、マダムは言うと姿を現しました。

 その姿は、ゲオルクの想像とは違い、30歳そこそこの本当の淑女でした。そして、なんと顔立ちはリオによく似ていたのです。ゲオルクは、一糸まとわぬその美しい裸体に眼を奪われました。スタイルが良い上に、芳しい薔薇の香りに包まれ、艶やかな肌はオーラを放って見えました。
「あなた、リオさんにそっくりですね、びっくりしました」
「リオという女性のことは、聞いています。私は外へは出ないから、お逢いしたことはないけれど。とても、美しい聡明な方だと。それにしても、あなたとてもハンサムね。私も嬉しいわ。さぁ、どんなふうにしてあげようかしら?」
とマダムが言うので、ゲオルクは
「すみません、りおさんからは上手くやるように言われました。でも、僕には難しいです。正直に言います、僕があなたを感じさせます。もっとして欲しくなったら、教えて欲しいことに答えてください。そういうことです」
「やっぱりそういうことね。私をそんなふうにできるかしら。あなたまだ若いのに。まあ、がんばってみて」
「では、ワインを持ってきたので、少し飲みませんか?何かつまみながら」
ゲオルクの誘いに応じて、マダムはローブを羽織ると、部屋のテーブルでふたりは飲み始めたのでした。

 それから、ふたりはお互いのことを喋りました。
 マダムは、先代マダムに拾われて育ったこと。自分を守るため、非常な高額にしているので実際はほとんど男性と挿入経験がないこと。性愛行為は先代マダムから教わったこと。マダムからは、ハインリヒは要注意人物なので、逆らわないようにして、自分は会わずに身代わりを使うこと、など。
 ゲオルクは、自分の生い立ちや今の仕事、主に農作業のこと。そして、リオのことについて。

「じゃあ、私をリオだと思ってしたらいいんじゃないの。私もあなたが素敵だから嬉しいし」
と、マダムはゲオルクに体を寄せると、濃厚で強烈な口づけをしてきたのです。


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