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日本人の働き方について思ったこと

 私は現在、大学で日本の労働環境を研究しています。スウェーデンでの留学を初めて半年以上が経過し、日本を外から見つめなおす機会がありました。働き方改革が叫ばれる日本と、”ラーゴム”という少欲知足のような考えのもと、ある程度の生活水準を保とうとする国民性の違い。
 日本でビジネスを行うアイデアを調査して初めて気が付いた事実は二つあります。それは日本がeコマース市場に長けていること、もう一つはアプリなどに対する個人支出が諸外国と比較した際高いことです。日本ではモバイルゲームブームの到来もあり盛んな産業の一つという認識ではありましたが、スウェーデンでの生活を通して日本国外におけるアプリの品質の差を感じました。それほどまでにこの産業は大きく、各企業は品質にこだわってアプリを製作していたという事です。
 日本のビジネスについて外国人と議論をする際、彼らからは日本企業がとてもハイテクで先進的な技術を駆使してビジネスをしているイメージを多く持っていると聞きます。その点は否めませんが、日本の企業数の約9割を占める中小企業のその多くにおいてはそれは夢の世界であると言えるでしょう。多くの企業においてFAXは未だに現役であり、名刺交換は必須の文化という事ができます。私の親の職場では去年までフロッピーディスクドライブを使用していました。日本において現在各企業が力を入れている点はDX、デジタルトランスフォーメーションです。日本人の多くはその意味を理解していませんが、会議で「DXを進める必要がある」という話は頻出します。日本を昨年の夏に離れて以来、書店でビジネス書を見る機会がありませんが、KindleサイトにはDXをテーマとする本がベストセラーとして並んでいます。先述の日本人がソフトウェアやアプリなどの無形財に支出が多いという点は私を含めた多くの日本人大学生がKindleのユーザーであることからも説明が付きます。
 DXが課題であることが分かった企業はどのようにして進んでいく必要があるのでしょうか。前提として、日本の会社では年功序列のシステムを採用しているため、高齢であることを重視した人事を行います。つまり、デジタルに関する知見のない60代の部長がDXを取り仕切ろうとすることは珍しくない。これでは問題の解決どころか事態が前に進まないことから会社の潜在的な機会損失を招きかねません。現在の日本ではこの状況を打開すべくコンサルタントが多く活躍しています。BIG4と呼ばれる総合コンサルティングファーム(Deloitte, KPMG, EY, PwC)、戦略コンサルティングファームとしてはマッキンゼー、BCGなどが人気です。これらの企業は日本を母体とするものでなく、効果は大きいが単価がとても高くなってしまうことが難点です。実際、多くのクライアントは現在の日本経済をけん引する大企業に限られており、中小企業ではその恩恵にあずかれていません。中小企業の中で経営が安定している会社は中小企業向けのコンサルティングを行う会社、船井総研や山田コンサルティングに依頼を行います。
 そもそもの原因は何でしょうか。それは日本の年功序列による制度にあると経済学者は言います。40年間の生涯雇用が約束される「就活」は日本人にとって大きな行事の一つです。実際に私は上記BIG4コンサルファームの最終面接をロンドンに受けに行きました。社会システムとして職業を得るまでが主な部分を占めており、実際に職に就いた後は多くの日本人が情熱を失うようです。仕事のできがよくない場合もほとんどのケースで解雇されることがなく、給与の大幅な増加も見込めません。この現状は高齢社会の日本において大きな問題とされ、また国際競争力を落としている原因の一つでもあります。
 この状況を打開すべく、人事評価サービスを主な機能とした勤怠管理アプリを作成するのはどうでしょうか。業務の見える化を行うことで、どの人が、どの量の、どんな仕事を抱えているかを明確化し、適切な評価が受けれるようにします。また、システムのUIは現場の従業員に分かりやすく煩雑でないことが求められるため、アプリベースで考えています。システムを導入する際同時に、会社の抱える問題を相談できる(先述のDXなど)、対面での営業も行うことでクライアントの満足度向上に努めます。目標を明確化し、各ステップごとのKPIを設定、計画に対する適切な人事配置を行うことで、目標の達成、ひいては会社全体の利益向上、社員の負担軽減を手頃な価格で支援します。
 上記の案はレポート課題として提案したものですが、実現は十分可能性があるという気がしています。スウェーデンには学生の起業を応援する環境が整っており、必要な援助は得やすいこと、日本でも学生によるビジネスコンテストなど活動は多く行われており、いかに教育環境が大切かという事を身をもって痛感しています。

このnoteではスウェーデンでの生活において役立つ情報を発信することを目標に日々の様子を投稿しています。



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