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はじめての九州 福岡編

 10月、遅めの夏休みを取り九州に出かけた。中学高校と同じだった友だちが福岡に就職したので、彼と自分を含め定番のメンバー4人で旅行をしたのだ。

 搭乗するのは10時台の飛行機だ。ただ、前日は会社の同期と久しぶりに集まる機会があり、話が弾んで2時半まで飲んでいた(しかも3軒目は大学時代に定番だった2時間1○○○円の格安店、そこで出てくるお酒の質には安いなりの理由がある)。ろくに寝ず二日酔いだったため、まず空港まで行くことが試練だった。電車に揺られなんとか空港まで着いたものの、空港でもトイレに籠もったり、飲みたくもない経口補水液を買って飲んだりしていた。計画性のない飲み方はやめようと、空港の外の飛行機を眺めながら誓った(n回目)。

 離陸後は体調がいささか楽になり、脳裏をかすめていた上空の密室での最悪の惨事は免れた。福岡空港までは約2時間。千キロ以上あるのにあっという間だなと、月並みなことを考えていた。窓の外の薄くて細かい雲は、どこまで高く飛んでもなかなか取れなかった。秋空が高いというのは本当だった。


 お昼を過ぎた頃、福岡空港に着いた。出発前に広がっていた青空は隠れ、分厚い雲から雨が降っていた。空港では、成田から乗ってくる友人Hと待ち合わせをしていた。しかし着陸後にLINEを確認すると、乗るはずだったLCCが乗務員のやり繰り失敗で飛ばなくなったと連絡が来ていた。次の便に振り替え、到着は夜だという。そんなこともあるんだと感心してしまったが、格安には格安なりの理由ととリスクがあると、ここでも思い知らされた。

 博多駅で2人と合流し、駅の中にある博多ラーメン屋に行った。ラーメン屋を調べるとき、スマホを持つ指が震えていて、二日酔いがばれた。ラーメンはやはりおいしかったが、座った席がカウンターの隅で、すぐ横に立っていたバイト2日目みたいなお兄さんが店長とおぼしき人にやたら怒られてて少しいたたまれなかった。

 Hはまだまだ来ないので、3人で太宰府天満宮に向かった。地下鉄を乗り継いで行った。さて、博多という街、思っていた3倍は栄えていた。プロ野球の球団がある大きめの都市くらいな印象で行ったが、仙台や広島よりかなり栄えていた。あと博多美人多過ぎ。

 太宰府は清水寺みたいな感じで、門前町が広がっていた。お参りをし、友人2人の喫煙を待ち、少し山の上の神社に行き、喫煙を待ち、お茶屋さんで名物の餅を食べ、喫煙を待った。吸うなとは言わないけど待たせすぎだろ。

 博多駅に戻り、成田にいた8時間で3食食べたというHを連れ、もつ鍋を食べに行った。駅の隣のヨドバシの横の店だった(駅の隣にデカヨドバシがあるというのは、日本全国の大きな都市あるあるだと思った)。やはりおいしかったが、二日酔いで食欲も酒欲も全然湧かなかった。もう2時半まで飲むのはやめようと誓った(n+1回目)。

(長崎編に続く)


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