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【エッセイ】絆

今朝、起きたらLINEにメッセージが届いていた

マサルさん(仮名)からだった

マサルさんのFacebookが10年前の今日の思い出をお知らせしてくれたらしく、わざわざ当時の投稿をスクショして、メッセージを添えて送ってくれた

ちょうど10年前、僕ら2人は川反のあっぱれ寿司にいた

僕がアメリカに行く前の決起集会という事で、忙しい合間を縫って呼び寄せてもらい、僕もその頃はスポ少サッカー部の臨時コーチもやっていたから、練習が終ってすぐにジャージ姿のまま川反に趣き、盃を交わした

もともとは僕の家の近所のコンビニの店長をやっていた人で、どこからか、よく通う僕が「作詞家になりたい」という夢があるという事を聞きつけたらしく、そこから興味を持ってもらって、お互いに世間話を話すようになったのがきっかけだった

それからというものSNS上での僕の投稿も未だに欠かさずチェックしてくれていて、いつもエールをくれる
「Mr.Childrenにご飯に誘われた」という話を、周りで最初に信じてくれたのもマサルさんだけだった

僕の応援団長、マサルさん

「代行で帰るの?」
マサルさんが帰り際に言った

そうするつもりだと話したら
両手が荷物でふさがってる僕のズボンのポケットに代行代と銘打って、それでも余る紙幣を忍ばせた

転勤族のマサルさんとは、それ以来、ずっと会えていない

いつか恩を返したいと常日頃、模索してる

だけどやはり、マサルさんへの最高の恩返しは、僕の作品をいつか形にして、誰より先に届ける事だと今も考えている

メリット次第の足したり引いたりの大人の人間関係の中で、先輩だとか同級生だとか仕事仲間だとかという枠ではなく、お互いにぶつかり越しに惹かれ合ったこの絆

ずっと大切にしたい

僕の両手がそれを渡す時
ふっと謎が解けるといいな
受け取ってくれるかな♪
Mr.Children『GIFT』(2008)

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