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【エッセイ】サービス券
久々にラーメンを食べに行った
ラーメンは常に食べてるのだが、自分のホームと言えるこの店舗には、2週間も行かなければ、体に虫唾が走るようになってしまった
味も勿論だが、全国チェーン店だけにサービス内容もバラエティに富んでいて(この店を知るまではチェーン店を敬遠していた)、毎回、1杯のラーメンにつき、サービス券を1枚くれる
サービス券を貯めれば、5枚で餃子1枚、10枚でラーメン1杯、30枚でオリジナルTシャツを1着、進呈してくれる
今日もカウンターに案内され、麺硬めをオーダーしてキッチンを眺めながら着丼を待っていた
カウンターの隣の席にはランニング帰りみたいな爽やかなスポーツウェアのお兄さん
勢い良くすするラーメンの前に、その兄さんのサービス券が1枚、無造作にずっと置かれてあった
サービス券は貯める人と貯めない人がいる
「もしかして、この人、サービス券をこのままテーブルに放棄して帰るのかな」
「だったら俺、黙ってもらっちゃったらマズイよな」
横目でそのサービス券の行く末を気にしつつ、しばらくして着丼がやって来て、多めのニンニクをレンゲに乗せて溶かしていると
「ご馳走座でした!」
低い渋い声が隣の席から響く
そして、何も言わず僕の目の前にお兄さんがサービス券をスライドさせる
「いいんすか?」
爽やかに微笑んだ背中を見送る
惚れてまうやろー!!
マツコ・デラックスに相談に行こうかな♪(笑)
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