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【エッセイ】動き出す時間

「家、決まったが?」

「まだ前の人の片付けが終わらなくって...待ってる状態です」

会う人、会う人に同じ質問をされ、停滞状態の同じ回答をその都度、繰り返し、聞く方も答える方も嫌気の差してた日々

俳優の岩城滉一が一般宇宙旅行に行く権利を買い取った後に、会う人、会う人に「いつ行くの?」と急かされるように聞かれて正直、疲れたと言っていた心境が少し解る(結局、宇宙旅行の会社事態が倒産し、チョンボになったらしい)

やっと、前の住人の家の片付けの目処が立ち、今月中に立ち退きの後に暮らす家と土地の売買契約が完了する

今の家の向かいの店舗も解体作業を昨日から始めた
隣の床屋はすでに解体を終わらせ、すぐに引っ越した

うちの家の解体も頼んでいる業者さんがやってるから、良くしてくれる中国人の奥さんに炎天夏で頑張る作業員の方々にとイチゴ氷アイスを差し入れした(作業を中断して座り込んでアイスを頬張る作業員たちを窓から見てると、映画の『ショーシャンクの空に』の主人公になった気分)

来年、春までには、この一帯は更地になる

手はずを整え、動き出す時間
見慣れた景色に背を向けなければ、迎えられない未来

何かを手放して
そして手に入れる
そんな繰り返しかな♪
YUI『TOKYO』(2006)

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