河野裕一郎

気候風土適応住宅や風土について考えています。 これらに関連して、出会ったことや感じたこ…

河野裕一郎

気候風土適応住宅や風土について考えています。 これらに関連して、出会ったことや感じたこと、考えていることなどを記録していきます。 一級建築士

最近の記事

時間について

気候風土適応住宅をとおしてやろうとしていることは何だろうか。 1つは、途切れそうになっている、あるいはすでに途切れてしまっている時間のつながりを、もう一度つなげ続けようとする試みなのかもしれない。 途切れそうになっている時間のつながりとは、一言でいえば伝統や風俗ということではないか。 それは、家を造るための職人の技術であり、家での住まい方であり、家並みや自然から形成される景観や風景であり、そこに暮らす人々が享受し、その人の根っこの部分となる風土とのつながりでもある。 家

    • 坂本善三美術館と風土について

      私は5年ほど前から気候風土適応住宅の基準づくりに関わっているが、風土ということの意味の本質がよく分かっていなかったように思う。 そのことに気付かされ、教えられるきっかけとなったのが坂本善三美術館だった。 私が坂本善三美術館を訪れたのは今年の9月の初めの頃で、阿蘇への旅行で鍋ヶ滝を訪れた際、偶然に見つけて立ち寄った。 その美術館は、鉾納社という神社の隣にあり、茅葺屋根の古い日本家屋のような外観の本館が印象的で、棟続きの展示棟と収蔵棟が「コ」の字型に配置されており、周囲の森と調

    時間について