《詩-26》残滓

大切な記憶はいつも私の中にあるものだと思っている。だが知らぬ間に私は軽薄になり、残酷になり、

少し振り返って漸くそのことに気付き、

かつての自分の残滓を儚く色褪せた風の彼方に見送る。

あの人の詩が若い私を蘇らせたとき、

心に光の点が灯って膨らんだ。


光は去り私は青春を偲ぶ者となった。

よみがえることのない星々の欠片の中で

いつか私達は触れ合うだろう

全てを忘却した砂粒として

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