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子鹿とツバメとカメと

「どうして、かのこって名前にしたの?」
「かのこという名前がいい、って言われたからだよ」
「誰に?」
「鹿に」

万城目学 「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」より


「かのこ」は、鹿の子どもの意で、夏の季語。


この時期に奈良へ行くと、鹿の赤ちゃんに会える。奈良公園にある鹿苑では毎年お腹に赤ちゃんのいる鹿を保護して、そこで安心して出産・子育てできるようにしていて、6月になると、春に生まれて赤ちゃんたちが特別公開(有料)されている。ディズニーランドぐらい行列ができるけれど…行列に並んでいる余裕がなくても、運がいいと保護されなくて、公園内で出産・子育て中のお母さんと赤ちゃんに会えることもある。

公園内で出会った親子の鹿


赤ちゃん鹿は、いつもお母さんに見守られて親子はあまり人には近づいてこない。
(お母さん鹿は、鹿せんべいに寄ってくる時もあるけれど)
久しぶりに奈良へ行こうかな、と思ったのはこのポスターを駅で目にしたから。
ポスターに写っているところで写真を撮ったり、白鹿みくじも買ってみた。


白鹿のおみくじと、鹿


春日大社


それにしたって奈良は、不思議な街だ。
お店や駅、住宅地、道は狭くてわりと混みいっている印象を受けるのに、奈良公園周辺に行くと緑が豊かで、何もかもが雄大で、空さえも広く感じられる。空気が変わる。そこだけ大きくて、ゆったりとした何かに包まれているみたい。
鹿が至るところで、悠然とすごしている様も不思議な光景。人と鹿が共存している。
お土産屋さんにも鹿がいたり、軒先にねそべっていたり。


夫も子どもたちも、動物が好きなのだ。動物たちと触れ合うのは至福のひと時。
(長女のバイト先も、動物園。)


ところで、家の玄関先のツバメは、もしかしたらもう卵が孵っているのかも!

今朝のツバメ


もう、巣に入って温め続けているだけでなく、巣の縁にとまって、時々頭を巣に突っ込むような動きをしている。巣から離れていることも。
ツバメの卵は、アーモンド大。赤ちゃんもそれぐらいで、しばらくは目も見えず、鳴きもしない。
少し大きくなるまで、卵なのか卵から孵ったのか、わからない。


人も鹿もツバメも、みんながんばって子育てしている。


ところで、私と夫はよく(ほかの人たちがどのくらい遭遇しているのかは、知らないけれど)、堤防や川沿いの道で亀に会う。交通量は、決して少なくない。
亀が道路を渡ろうとしているのだけど、次から次へと車がやってくる場合、あなたならどうしますか?
私たちは、見逃すことができなくて車を停める。後続車もとめる。夫は亀をむんずっと掴んで、川へ投げ込む、ということが2回あった。
亀はよく道路を横切るものなんだろうか?
車に轢かれずに、結構動き回っているものなのか?


もう一つ、冒頭に戻るけど、かのこちゃんのお父さんは、鹿と話せる。
もしかして、「鹿男あをによし」に出てくる俺と同一人物なのでは?
奈良へ行き、鹿や鹿の赤ちゃんを見ていると
またふたたびこの疑問が浮かんでくる。
万城目学さんに会えたら聞いてみたい。


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