手放す (3)
下着や部屋着などを除いた服が20着を切った。
トップスとボトムス2着ずつ×冬・春秋・夏、プラス羽織物とアウター数着。どれを組んでもおかしくはないので、何を着て出るかほぼ考えないで済む。殆どのアイテムが大体活用できているので、タンスの肥やしを活かすための買い物も必要ない。
10代のときに洋服ダンスを開けてふと思った。着る体はひとつなのにガワがこんなにあるなんて私には不自然すぎる。モノについての責任が重すぎる。と。ただそんなふうに片鱗は現れていたものの、頑張ればちゃんと着てあげられるからきっと責任を果たしていける、大丈夫だと、その後数十年をやや多めの服を死蔵させながら過ごしてきた。
10年くらい前にコンマリ流で片付けたときに服は6割位になり、それでも幅1mほどのクローゼットから少しあふれ、それから少しずつ減らしていって余裕で収まる量になった。
季節感が欲しくて月毎に一つずつ持ち替えていたバッグも、売ったり使い古したりして3つまで減らし、クローゼットに難なく収まるようになった。今は傘も収めている。
着る服をあれこれ考えるのは楽しげだけど、私のセンスで買った服を私のセンスでコーデしたとて野暮ったくしかならない無力感、出掛ける間際になかなか決まらない焦燥感、そして当然いつも決まって遅刻…。それらを考えると楽しさよりただただ面倒。出不精の一つの要因だった。
全体が少なくなってモノにモノが隠れることもないので「コレに合わせるつもりだったアレがない、ナイナイナイナイナイナイっ!」という現象もなくなって身支度が爆速になった。(だからといって出不精は治らないが)
服の悩みがかなり減り、お出かけもスムーズ。とりあえず今の衣生活に感謝している。
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