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【書きコロ反省会②】婚活魔王(コブつき)を、幼女が勝手にプロデュース ~不幸を望まれた人質王女が、魔王国で溺愛されるまで~

 皆さん、こんにちは。
 10月に発売した自身二作目の商業小説『祝・聖女になれませんでした。』が、つい先日……㊗続刊決定㊗となりました! 野菜ばたけです。

 さて今回は、前回した『書き出しコロシアムに出した自作の反省会』の続きをしようと思います。
 これを書いているのは、FinalSetの結果も出て、書きコロが閉会した後です。よって、

・順位の話
・自分で取らせていただいた自作アンケートの結果
・頂いた講評の三つ。

 の三つについて、主に書いていこうと思います。

 ちなみに前回の反省会は、こちら。

 前回は、順位発表前に書いた自作の制作意図・反省を書いています。

 ということで、さっそく勝手に反省会を始めます!笑


1.順位について

1-1.そもそもの順位に対する考え(前置き)

 まず、順位も票数も相対評価です。その上私は今回異世界ファンタジー・異世界恋愛という、読者が多いジャンルの作品を出しました。
 そもそも書き出し祭りには、色々なジャンルの作品・読み手が投票します。その系譜を継いでいるコロシアムも比較的どんなジャンルでも面白ければ受け入れてくれる土台ができているとは思いますが、それはあくまでも作品について発言している投票者たちに限った話です。

 私の中では、半分以上はサイレント票だという認識です。そしてそういう方々の中にはメジャージャンルの読み手が比較的多いという印象でもあります。

 そもそも本作は企画で落ちた作品の中から「それでも書きたかったもの」を書いてアドバイスをもらおう、という主旨から出したものです。
 コロシアムで勝つためにメジャージャンルを選んだわけではないですが、結果的に勝ち抜きやすいジャンル選択をしていた自覚は終始ありました。

 それは、同じくメジャージャンルを選んでいる方=競争相手が多いかもしれないという事であり、マイナージャンルの作品と目に見える票数で競った時に、もしかしたらサイレント票のお陰で命拾いするかもしれないという事でもあったと思います。

 私は今回、どう考えてもラッキーに拾われました。
 という話を、順位発表と共にしていこうと思います。

1-2.First Setの結果

結果:自作は4位(29票)
得票率:30%(23作品の中から5作品選ぶ)

 まず注目すべきは、間違いなく5位との票数差でしょう。
 2表差。これを見て、私は誤差の範囲内だと思いました。

 5位の作品『あざと可愛い』~は、本作と似たあざと可愛いヒロインと、ゲームの世界に転生?したヒロインがゲームシステムを使ってうまくやる……というのを、ヒーロー側からの視点で書き出されていました。
 異世界ファンタジーというジャンルは、二位である異世界転移デザイナー~と私の作品と同じ。ヒロインの『可愛い』で押すという私の作品と似たようなコンセプトでありながら、異世界転移デザイナー~と同じ男性視点始まり(二話で印象がちょっと変わりますが、一話時点では男性読者をターゲットにした作品のように見えて、そこも同じ)です。

 これを見て、私は「もしかしたら票を食い合ったのかもしれないな」と思いました。その上で、4位というギリギリに引っかかれた事は、とてもラッキーだったなと。

 実際に、最初に4位以内に入った作品は、その後の掲載順でも得票倍率でも他より優遇されます。
 三話通しての勝ち抜き戦だと考えれば、最初で上位の作品が優遇されるのは、当たり前と言えばその通りですが、このFirst Setの結果がコロシアムでの自作のターニングポイントだったのは間違いありません。

1-3.Second Setの結果

https://x.com/Genbu_Soichiro/status/1730904647911813431?s=20

結果:自作は1位(81票)
得票率:77%(上位4作品の中から3作品を選ぶ)

 結果は1位でした。が、上位4作品の得票数にほぼ差がありませんでした。
 4分の3が選べる(裏を返せば、4分の3を選ばなければ投票できない)ので、おそらく消去法で選んだ読者の方も多かったでしょう。

 それで言うと、他の作品は苦手・嫌いなジャンルでも一応読もうと思えば読めるけど、4位になったさざなみ~に関しては、ホラー・サスペンスジャンルであり、1話の描写も生々しく、非常にいい雰囲気を醸し出していました。
 ただそれが、その手の作品が苦手な方にとっては「そもそも読めない作品」に分類されてしまった可能性があります。
 少なくとも私はこの票数を見て、そういうふうに感じました。

 消去法で消されなかった作品、というのもある意味では強みです。
 しかし頭一つ抜けた票数を獲得する事はできなかったというのは、他の作品がめっちゃよくて、私の作品がそれらを押しのける程の力はなかったという事でもあります。
 しかも、これはSecond Setです。まだ投票が続くと思えば、決してホッとできるような結果ではありませんでした。

1-4.Final Setの結果

結果:自作は1位(32票)
得票率:25%(上位4作品の中から1作品を選ぶ)

 結果は見事に優勝!
 ですが、やっぱりギリギリの戦いだった……。
 全体的に本当に運に恵まれました。そもそも公募だって運要素があるんだからそれと同じだと思えば普通に手放しで喜んでいい結果でもありますが、良くも悪くも、この結果は何かに影響がある訳ではありません。

 いい事と言えば、講評を頂ける機会を手に入れたという事でしょうか。
 それは嬉しい。しかし、すべてはこれからというのも事実。手放しで喜んで天狗になっている暇は、私にはありません……。

 勉強しなければ。精進しなければ。改稿は必須だし、他の箇所に関しても、どうしようかなと思っている箇所があったので。

2.自作アンケートの結果

 今回アンケートを実施し、10人の方から回答が得られました!
 参考指標として多いかどうかはさておいて、頂いた内容が偏っていれば、きっとその意見は信じていい筈! そしてもしかしたら、私が知らない作品の魅力・欠点もあるかもしれない!!
 という事で、見ていきましょう。

 まずは『どこまで読んだか』関係の結果について。

 みんな、全部読んでくれたなんて、なんて優しい……。
 ちなみに今回、個別の結果を見てみると、やはり「コロシアムの作品は全部読んでいる」だけに得票してくれていた正直者もいました!
 猛者ですね。お疲れ様でした&読んでくださりありがとうございます。

 また、票数的には『ストレスなく読めた』という方も比較的多めでした。
 ただしそれでも、まだ半分。なるほど、まだまだ伸びる余地がありますね!(がんばろう!)


 次は『キャラクター』関係について。

 どうやらリコリスと魔王さまはみんなに覚えてもらえたようです。主役級の二人ですからね、ちょっと安心。
 次点が宰相さまですが、まぁこの辺からはもうちょっと頑張れって感じですね。

 好みの問題もあると思います。
 それを踏まえて考えれば、まぁまぁ気に入ってもらえている方ではないでしょうか。

 一人、応援を渋っている方がいますね。笑
 やっぱりあのなよっちい王さまじゃあ全員の応援はもらえないか。仕方がない、そういうキャラだもの。割り切ろう。

 これについては、地味に心配しているところでした。一話で4人(お母さまを含めて)、二話で+2人、そして三話+1人と、短いスパンでキャラクターを出しましたからね。
 比較的受け入れられていて、ちょっとホッとしました。

 見てください、この結果を。
 ほれ見ろやっぱり。笑
 6割が7歳の方がいいって言ってるんだから、もうそうなんだよ! 7歳ね、決定!!


 次は『ストーリー』関係について。

 これについては、個人的には「幼女が三つ指ついておませな事を言っている図、ちょっと奇抜で面白くない?」とか思っていました。
 特に気にしていなかった勢が多かったので、スムーズに受け入れられた反面、インパクトというほどではなかったのかも……と、分析します。
 よくある始まりに入れている方もいますし、やっぱり『魔王のところに人質に連れていかれる』というシーンコンセプト自体がテンプレなので、そっちの方が強く作用したのかもしれませんね。

 冒頭、普通……。(ちーん
 いや、分かってる。私、冒頭苦手なのよね。First Setの結果もギリギリだし。
 やっぱり冒頭は永遠に私の課題だなぁ……。がんばろ。

 ちょっと面白い結果が出たなと思ったんですよね、これを見て。
 印象では高いモフモフが、特に期待はされていないという。笑
 対してシリアスや政治的な展開を求めている人が多かった。逆にザマァはそれ程求められていない。
 ザマァについては、王妃さまを出してちょっと匂わせたのですが、これはもしかしたら政治との抱き合わせでいった方がいいかもしれませんね。


 じゃあ、最後に『作品全体』関係について。

 正直に答えていただき、助かります!
 いやぁ、これで過度な期待はせずに済む。(ちょっと、ホッ。
 でも、半分くらいは一応足は運んでくれるらしいというのは、そもそも多いのでは? まぁ一応なので、続きの四話目にあたる部分をチョロッと見に来て「なるほど、こういう展開ね」っていう感じかなとは思いますが(それでも十分ありがたい)。

 キャラクター小説の意味は少なからず発揮できているでしょうかね。他の選択肢にも入れていただいていて、なにより。
 個人的にちょっと意外だったのは、下から二番目の『王道感』に少なからず票が入っている事ですかね。やっぱ強いんだなぁ、王道って。

 これね、ずっと悩んでるんですよ。何か足りないんですけどね、何なんだろうって。(迷子)
 展開のインパクトかぁ。ここまでテンプレの域を出ないもんなぁ。アイデア的にもなぁ、やっぱ一ひねり足りないよなぁ。
 うーん……。

 

 という事で、アンケート結果でした!
 ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました!!

 文章回答に関しては、長いものもありますので敢えてここには載せません! が、全部読ませていただいて「なるほどなぁ」と思いました。
 匿名なのに、皆さん優しくて、涙出た。

3.講評をもらったので、掘り下げ反省

 コロシアムの1~3位作品には、今回講評を頂けるという特典がありました。
 ラッキーにもその恩恵にあずかれるという事なので、頂いた講評をありがたく頂戴して、反省していこうと思います。

 頂いた講評の全文はこちら⤵

 https://ncode.syosetu.com/n7482in/30/

※以降は講評を一部抜粋し、要点だけを掴んで話していこうと思います。
 ただ、講評はもちろん全文読みました! 私の作品のところだけではなく、他の作品の講評も、もう、舐めるように!!
 講評いただき、ありがとうございます!!!

3-1.いいところとして挙げてもらっている箇所

 総じてキャラクターの目的や立ち位置(コンセプト)がきちんと見せられている事と、物語展開が明確でスムーズな点を褒めていただいています。

 本作は、タイトルで基本的にネタバレしていてその過程を楽しむ作品なのですが、それがこの作品の楽しみ方(キャラクター同士の苦境の中でもどこかほのぼのとしたコミカルなやり取りを楽しんでください、という提示)を示す事に繋がっている一方で、「結末が分かり過ぎるのも、読者としては退屈しないかな……」という悩みというか、葛藤を抱えている作品でもありました。
 それをある意味「その方向性であってるよー」と言ってもらえたような気がして、とても嬉しかった。
 もちろんその中でも退屈に思わせない工夫が必要だというのはもちろんですが、これでこのままこの作品の面白さを貫く勇気をもらったというか、開き直りなどではなく、自信をもって書き進められそうです。

3-2.指摘として上げてもらっている箇所

 大事なので、ここからはしっかり見ていきましょうね。

【peco先生】

 短所はありません、と書いてくださっています。
 ……いっぱい書いてよ、短所!!(大絶叫)

 いやまぁでも、つまりですよ?
 『今あるいいところを損なわないように最後まで走っていく事』が、課題としてあるのかもしれません。
 結構難しいんですよね、どうしても展開が進んでいくと、読者の心を揺さぶる展開を作らなければなりません。そうなった時、今ある作品の長所を潰さずにそういう展開を作るためには、物語メイクのバランス感覚が必要になってくるでしょう。

 先生も、後に書いてくださっています。「これから先に谷を作るとしても、重くしないことが重要」と。
 読者のニーズを裏切らず、きちんと最後まで完遂してこそ一つの作品として成り立つというもの。
 1~3話の課題ではなく今後抱えていく課題として、肝に銘じようと思います!!

【井戸正善先生】

①キャラクターについて

 『主人公・リコリスから、操り人形のような自我の乏しさを感じる』というご指摘を頂いています。
 ・序盤で母親の陰が強すぎる。
 ・その原因や思考の方向性が、環境によるものばかりになっている。
 というお話です。

 実際にその通りなんですよね、むしろそういうふうに違和感を持ってもらえるように書いている節さえある。
 この作品は、リコリスが魔王さまをプロデュースする事で周りをかき回し段々王城になくてはならない存在になっていくという、リコリスに対する周りの変化を描く者であると同時に、リコリス自身の成長も狙っていたりします。
 その成長が、自我を得ていく事。お母さまの事を尊敬はし続けながらも、お母さまの側しか知らなかった幼女が、新しい世界を知って自分の道を決めていく物語になればいいなと思って書き始めました。
 そういう意味では、この違和感を持ってもらえたというのは、伏線としては成功しているとも言えるし、やり過ぎはリコリスの魅力を損なう結果にもなるといういい指標ですよね。
 この「やり過ぎはよくない」というのは、意識していないと本当にやり過ぎて読者離れを引き起こす事になりそうなので、肝に銘じます。刻み込もう、うん。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 また、『彼女の能力に対する評価が周囲のキャラクターからなされることがない』というのも、一つポイントとして挙げていただいています。
 そうなんですよねぇ。悩んだんですよ、この部分。でもその上で一冊で見た時に最初は「ただの幼女」と侮られていた方が、後で物語を階段式に上げやすい(認められていく過程を描く方がよさそう)と思ったんですよねぇ。
 この辺、一応第一話で宰相・ルガルゼに「いい度胸ではありますね」的な事を言わせているけど、実際にはただの勘違い(ビックリして固まっただけ)だったことが、リコリスの心の声で語られてしまっているので、ちょっと『評価された』という意味での印象には残りにくいのかもしれません。
 難しいなぁ。ちょっといい塩梅を探さねばならない箇所ですね。( ..)φメモメモ

②キャラクターについて

 ルガルゼが説明役・評価役としてうまく機能しそうという評価がある上で(ここでも上記の『能力に対する評価の描写がないこと』を指摘されていますが、上で反省したので許してください)、『リコリスが「魔王のプロデュースをする」という目的を達成する糸口にはつながっていないように見える』ところが気になると教えてくださいました。

 たしかに!!
 その後の『物語の問題が明確になった時点で、ある程度の「解決への道筋」が見えていると、読者の期待感と物語全体を読み進める後押しになると考えます』という指摘には、ごもっとも!!! と思いました。

 たしかにこれがあれば各エピソードが短編連作ではなく、きちんと数珠つなぎの一つの物語として成立するし、読者の期待値を操るという意味でとても「なるほど!」な指摘でした。
 上記の『能力に対する評価の描写がないこと』を指摘と組み合わせて、この辺の『評価の使い方』をちょっと見直した方がよさそう
 この件は、ルガルゼに評価させる事の他に、ネズミメイドが仲間に増える事で『魔王さまをプロデュースする事』にプラスになる内容を提示するのもいいっぽい。
 そう思うと、一話のルガルゼのリコリスへの初期評価をもうちょっと強調しておいた上で、まずネズミメイドが仲間になった事で彼女の特技を使いつつ一つ王さまをプロデュースして、その結果ルガルゼのリコリスに対する評価が上がる……という展開が一番綺麗そうに思えてきました。
 うん、いいかもしれない。( ..)φメモメモ( ..)φメモメモ

 最後に、こんな言葉も頂いています。
『世界の見せ方はかなり良い感じでスムーズだったと思うので、あとはリコリスの魅力ががっつり描き出せれば、彼女のファンが増えて、魅力が増すと思います。』
 よかった! 世界観説明苦手なので、頑張った甲斐がありました!!
 あとはリコリスの魅力……冒頭は大切な小説の顔、改稿でもっと魅力を出せるように、試行錯誤していきます!!

【玄武聡一郎先生】

 まず、『想定読者外であろう玄武が(普段この系統の作品は読まないので)サラッと読んだだけで続きがとても気になった』という評価をいただきました! う、うれしい……(じーん

 その上で、『3話まで通してみて、主人公の活躍がほぼ見られない点は少々気になりました』という意見を頂いています。

 たしかになぁ……。冒頭3話を通して成り行き上で対症療法をしているような感じなのが、やっぱり響いているのかもしれない。
 思えばこれは井戸先生の『リコリスに自我の乏しさを感じる』や『能力に対する評価の描写がない』という指摘も、この意見に直結している気がします。
 どうしよう、同じ事言ってらぁ。笑

 しかし玄武先生は、こうも書いてくださっています。

 ただ、これは物語のセットアップをかなり早めるかなとは思います。上記のような流れはもう少し後で(おそらく愛され十ヶ条と併せて)やる予定だったと思いますし、ゆったりとしたストレスフリーな展開が読者に好まれているのは結果が示しています。物語全体のバランスが見えてるのは作者様だけですので、あくまでワンアイディアとして留めていただければと思います。

 そ、そんな、更に悩ませないでよぉ……。と思いつつ、作家が自分の作品に責任を持つのは当たり前の話でもある。難しい悩みですが、まったくもってその通りです。

 今回お三方から指摘を頂いた事で、新しく気付いた課題もありましたが、結局それをどう物語に落とし込むかは作者の腕次第。
 課題の正体を知った上でどうするか、ちょっと頭の中をこねくり回して自分なりの答えを出せるように考えてみようと思います。

4.さいごに

 という事で、反省をしていきました。
 実は現在本作は、カクヨムにて連載を始めています。

 ただ冒頭3話を直したのは、この講評を頂く前。「とりあえずカクヨムコンに参加しとくか」と思っていたので、あまり公開を待てなかった……というのが主な理由です。

 カクヨムコンの期間が終わるまでに、公開部分はもう一度ブラッシュアップをかける予定でいますので、その時には反映しようと思います。これで締め切りまでには、より完成度の高い状態の作品で応募できる筈……!
 頑張れ私!!

 という事で、最後に本作の連載版へのリンクを張っておきましょう。

 コロシアムに出した三話の続きは、『11話』からとなっています! 続きから読みたい方は、是非そこからお読みください✨


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