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おでかけ徒然なるままに~ADI2024@Krakow

2024年4月、Alzheimer's Disease International 2024@Krakow, Polandに行ってきました!念願の国際アルツハイマー病協会の会議に参加でき、たくさんの出逢いと経験に充実の数日間でした。
至るところで、あのドーン・ブルッカー!?アメリカのジョアンナ!ドイツのアン!と、知っている名前が。推し活状態。
オンデマンドコンテンツを聞き流しながら、振り返ります。

ポスター会場での交流

Dimentia Fliendlinessのグループで、自分のポスターを掲示。博士論文の一部を発表してきました。お隣はギリシャのシャイガール。そのまた隣は建築学の女史。
建築学の方は、ちょうど博士号を取得したばかりと。このときの発表では、ヨーロッパにある「認知症のある人々のための村」3つをとりあげ、建築的な特徴をまとめ報告したものでした。認知症のある人々のための村もオランダにある有名なホグウェイは初期のころのもので、その後につくられているところは特徴も少しずつ変わっているそう。とくに、地域への開かれ方(それと同時に安全を守るための仕掛け)に違いがあるようで、ケア領域だけの研究ではなかなかお目にかかれない内容で興味深いものでした。居住者が自分で選んで座ったり、思うように過ごせる場所があることは大事だよね!と共感。
ギリシャの方は、これから博士で、博士号の道のりは長いわと。この感覚は世界共通なんですね。ギリシャには高齢者ケア施設の環境デザインに関するガイドラインがないようで、現行の緩和ケア病棟や高齢者ケア施設の基準と環境デザインの原則(R. Flemingらのもの)と照らし合わせて、今後の方向性について論じていました。R. Flemingらの環境デザインの原則については私もいろいろと検討してきた経緯があり、文化的に適合しにくいところもあるのでは?など、話題にしてきました。彼女は、Dementia Awarenessのシンポジウムの一つで話題提供もしていて、そちらはすごくユニークなギリシャの取り組みを紹介していました。そちらも興味深かったです。

アルツハイマー病協会日本チームとの交流

ADIは、学術的な国際会議というより、認知症にかかわる広い人々をつなぐイベント的要素が強いです。会議の報告によれば、ADI2024には100か国以上から参加していたそう。イベントブースは、企業よりも各国のアルツハイマー病協会のコーナーが多い印象でした。それぞれの国で研究者や医療専門家だけでなくいろいろな人が認知症に関する啓発や活動にかかわっているんだなと思いました。
日本はオレンジの風船でとっても目立つコーナーを設置していて、これは!と早速ご挨拶に。そこには、サポート役ですという医師だけでなく、丹野さんやしのぶさんも。聞けば、丹野さんは自分で旅行会社を使って飛行機や宿をとって、一人で行き来しているとのこと。「スマホがあれば、たいていのことはできるからね」と事も無げに話す姿にとっても感銘を受けました。かくいう私は、初ヨーロッパで自信ゼロだったのでパッケージ旅行で団体で来ていたのですから。人間、やる気と術があればなんでもできるんだな。「英語は全然わかんないのよ」と言いながら、コーナーにやってくる海外の参加者に笑顔で応じる丹野さん、しのぶさんの人間力に圧倒されたのでした。
思わず、自分の研究についても相談。施設など自宅ではない住まいに移る過程に認知症のあるご本人に参画してもらいたいということ、でも研究をしていると「理想論で終わってしまうのではないか」と自信がなくなることもあること、などなどをお話しすると、「絶対それは大事なことで、本人が決めなきゃいけないのよ。本人が決められるのよ」と背中を押してもらいました。本当に勇気づけられました。

旅のこぼれ話

ポーランドへは羽田ーヘルシンキークラコウで渡航。実は行のトランジットで12時間も待たされるという試練が。ヘルシンキは吹雪の悪天候。ひとまずクラコウ行の飛行機に乗ったものの、待てど暮らせど飛行機は動かず、CAさんが飲み物やらクッキーやらを3回ほど配りにまわってくる始末。6時間機内で待った末、とうとうこの便は飛ばないから空港へお戻りくださいと、、どうせ待つならもう少し早く空港に戻らせてくれ~という。出鼻をくじかれたポーランド行でした。
医療視察込みの団体ツアーで、他7名の日本の看護学の先生方と乗り合わせ。ホテルももちろん皆さん一緒で、通訳などのアテンドもついていたので、すっかり先生方と打ち解けて、先生方ともたくさんの旅の思い出ができました。長い飛行機の待ち時間も、そんな先生方とゆっくりおしゃべりできる時間になったと思うと悪いことばかりではなかったなと思うのでした。

認知症専門デイケアセンターへの視察についてはまた別の記事で。

2024年6月8日

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