後継問題について考える
背景
お陰様で後継として家業に入社して4ヶ月が経過しました。
これまでの一社員から会社の将来を考える経営者見習いに片足を突っ込んだかなと思っております。
そこで、自分も30年後には必ず直面する製造業の後継問題について考えをアウトプットしてみます。
後継問題とは
今回、後継問題とは広義の意味で使用します。
『経営者の後継だけではなく、作業者を含めた後継が不足してしまい会社経営が困難になること』としてアウトプットを進めます。
(以下、敬語は省略します。)
後継問題による影響
顧客目線
発生事象
サプライヤーが後継者不足を理由に会社を畳む
代替サプライヤー探索工数の発生
従来のコストで対応してくれるサプライヤーが見つからないことが多々ある
サプライヤー決定後の製造の立上げ工数の発生
結果
上記がスムーズに行かない場合、納入先に対して遅延が発生
コストアップするケースもあり、利益率ダウンor納入先への交渉工数が発生
経営者目線
発生事象
高齢化により作業効率が低下
後継者の採用も進まず従業員数が減少
結果
作業効率低下による利益率ダウン
従業員不足による事業規模の縮小
顧客からの信用も低下し、仕事も減少
経営状況が悪化し、廃業へ
社員目線
発生事象
身体能力が低下する一方で業務負荷は変わらないため、心身ともに苦しくなってくる
会社の経営状況も悪化し、リストラも発生し得る
結果
会社が廃業を決定し、職を失う
課題
製品販売価格の妥当性の欠如
若い従業員が働きたいと思える仕組み作り
従業員が高齢化しても働ける仕組み作り
製品販売価格の妥当性の欠如
ここ数ヶ月事務所にいただけでも、しばしば、信じられない指値で新規の引合を頂くことがあった。
明確な指値もあることから、これらは代替サプライヤーの探索が発生しているケースであると想定される。
発生の流れはおそらく下記である。
利益率の低下
材料費や人件費等の原価高騰
販売価格の据置⭐︎
顧客側からのコストダウン要求
論理的な理由や戦略のない販売価格低減の実施⭐︎
会社が立ち行かなくなり廃業
価格が据え置かれていることがこの問題の要因であると考えられる。
戦略があっての価格据置や販売価格低減は良いが、経営観点での検討が不足している場合は、サプライヤー側に問題があると思われる。
こればかりは経営者が努力をしていくしかない。
一方で顧客側が値上げ交渉を断り続けたor論理性のない販売価格低減を推し進めた場合は、顧客側に問題があると思われる。
いずれにしても論理的な価格設定が鍵になる。
若い従業員が働きたいと思える仕組み作り
大手→ベンチャー→中小企業を経験してきた自分の観点から、以下が課題であると考える。
給与面
一定水準と比較した際に不当に低くないか
納得できる昇給機会があるか
経験面
従業員が個人の価値を高められる機会があるか
福利厚生面
時代に合わせた働き方が出来る体制が整っているか
給与面について、当然給与が低いと志望順位は落ちるとともに、検討候補にすら入らない場合もある。初期の給与が低くても評価制度があり、実力次第で昇給を掴める機会があれば志望順位が上がるケースは十分にある。実際に自分がベンチャーに就職した際は、給料が25%近く減少したが、入社後自分が頑張ればよいのだと納得して決断した。評価制度がない企業や評価を行うためのデータが取得出来ていない企業が多々あるのではないかと思うため、これは一つの課題と言える。
また給与面を大きく覆すことが出来るのが経験だ。経験→スキルアップ→個人価値向上→キャリアアップが見込めると思えれば、目先の給与は度外視されるケースも十分にある。自分の経験を振り返っても、個人価値向上を意図的に作り出す仕組みや運用は、大手を含め不足しているケースがあると思うため、これは一つ検討の余地がある要素だと言える。
最後に福利厚生面だ。育休や退職金の制度がまだまだ整備されていない企業は多いのではないだろうか。実際に自分も先日子供が生まれたが、家業は育休制度がまだないため、年明けまでは給与減額で一定働き方を自由にしてもらっている。現在の経営層世代と若者世代で育児への関わり方に大きな差があることは否めない。若者を採用したいのであれば、一定の考慮は必要だと言える。
従業員が高齢化しても働ける仕組み作り
「よいしょぉっ、、昔は何ともなかった作業がどんどんきつくなってきて参っちゃうね」
家業の製造リーダーからもそのような声が聞こえてくる。これは働き方改革の一環で解決すべき問題と言える。解決の方向性は以下であると考える。
作業負荷自体の軽減
高齢作業者からの高負荷作業の切り離し
よくある事象として、年を重ねるに連れて重い物が運べなくなることが挙げられる。これはレイアウト変更や専用台車の開発などで一定軽減されるのではないだろうか。そういった改善の文化を作ること自体が一つの鍵になるかもしれない。
改善にも限界はあるため、負荷の高い作業自体を高齢作業者から切り離すのも一つの手であると考える。そのためには、高齢の熟練作業者に属人化していた作業の見える化を行い、分業を可能にする必要がある。また一定の業務量を確保するため、経営者に属人化していた業務も見える化→分業の流れに載せる必要があるかもしれない。最終的には業務量/負荷の軽減に伴い給与を下げるという両者合意のルールを検討することも手だと思う。いずれにせよ鍵は見える化だ。
打ち手の検討
ここで一度挙げられた課題を整理する。
上記の課題の中でも優劣や順序関係があるように思える。自分は何よりも見える化が進むことで、解決に着手出来る課題が増えると思っている。
そのため、次回以降は見える化の進め方を実際のアクションを含めてアウトプットしていく。
最後に
長々と失礼致しました。
中小企業の後継として、一緒に頑張れる仲間を探しております!!
ぜひ情報交換や協業などお話しさせて下さい。
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