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雨の日の思い出

小学生のころ

小学校一年生の時だった
給食も終わり 下校時間が近い頃に
かなり激しい雨が降り出し
連絡網で 親御さんに迎えに来てもらうことにしました
おうちの方が迎えに来たら おうちに帰りましょう


と担任の先生

しばらくすると
友達の親御さんが迎えに来て
教室には ひとりひとり
待っている人が少なくなってくる

私の家は 学校の中でも遠いところにある
そのうえ 連絡網の順番も
一番後ろだった

なんでだろうまだ迎えが来ない
雷もなって怖い

私の近所の 隣の教室の のりちゃんの お母さんの姿が窓越しに見えた

 私のお母さん迎えに来ないのかなぁ
だんだん心細くなって
先生
うちの近所の のりちゃんのお母さんは来たけど
うちのお母さんが来ない

と伝えに行ったが

担任の先生は むかえにこられたほかのお母さんと
友達のやり取りで
私には気が付かない

心細さもマックスで
とうとう涙が流れて
鳴き出してしまった


そして先生は気が付いた
大丈夫よ きっとお母さん今一生懸命に
迎えに出ているよ


そうこうしていたら
母が迎えに来た


そのあと
連絡網は 出席番号順ではなく
家が遠い人が先に回るような 配慮がされた

あの雨は 不安でいっぱいだった
だから雨が大嫌いになった

雨降りに歩く

そんな 雨が嫌いだった子ども時代もあったが
雨の日に 部屋から窓越しに雨の降る様子を見るのが好きになった
道路が 雨によって 色が変わっていくさまや
花壇の花が 喜んでいるように見えるから
梅雨時には. カタツムリが歩くし

お気に入りの傘をさして
歩くことも
楽しいから

雨が好きに なった

そして今は

大事なところに出かけるとき
雨で大好きな服が ぬれたり冷たくなって風邪をひいたりするのは
嫌だなぁ

レインコ-トをきたら サウナス-ツのように
なってしまうのも嫌だなぁ

おもうこともある


雨が降ると
あの小学生のころ
母が迎えに来るまでの 不安な気持ちを
思い出す

あのとき
どうして 母が迎えに来ることを信じられなかったのか
絶対に迎えに来ると思えなかったのはなぜなんだろう

私には二つ下の弟がいる

いつも弟と母との3人で過ごしていたのに
私が小学校に通うようになったら
私一人になった気がしたのと
母を取られたような気がしていたからだと思う

あの雨の中
弟を連れてくるのは大変だったはず
そう思えば
心配せずにじっと待っていられたのに

などと
雨が降るとおもいだす
あの心細かった
ことを