2027年のビーンズショップ <夢の途中>  あらすじ  第1話<世界は・・・・>


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あらすじ
 
2023年の夏のカフェ講座終了後、山下の元に1通のメールが届いた。谷川さんという方からのメールで、今回の夏のカフェ講座でお話した<ベッド&ブレックファースト>のミニホテルの話を聞きたいという内容だった。山下はカフェ講座では自家焙煎の豆屋だけでは無く、それに関して考えられるいろいろな業態についての話を時々していた。
 
都内のカフェで会ってお話を聞くと、自家焙煎のカフェを付けた<ベッド&ブレックファースト>のミニホテルを始めたいという希望だった。
 
そこから、70代の男と、30代の男の、タッグを組んだ迷走が始まる。開店開業を目指す全ての人々に贈るスモールビジネスの始めかた。


①   2024年  世界は・・・・
 
世界は激しく昏さを増してきていた。ウクライナの戦争はアメリカが手を抜いた辺りからロシアに有利に動き始め、それは現在も続いていた。
 
アメリカはイスラエルのガザ侵攻にもダブルスタンダードで、イスラエルに人道的な問題に配慮しろと表向きは言いながら、大量の武器、弾薬をイスラエルに送り続けていた。そんな馬鹿な話があるだろうかと誰もが思うが、それがバイデン政権の本質だった。
 
ロシア国内ではナワリヌイが殺されたが、人々のプーチンへの反対は強くはならなかった。だれも反対で出来ないシステムが強力に人々を押さえつけていたのだ。
 
中国では習近平の独裁が続いていて、ここでも反対勢力は全く育たなかった。
 
世界は大国の独裁と強権が幅を利かせ民主主義はすでに危機に瀕していた。
 
日本は少子化が叫ばれ若年労働者の不足が取りざたされていたが、基本的に島国の単一民族国家で長い事暮らしてきた為、外国労働者を増やそうという政策は始まったばかりだった。
 
経済はみるみる落ち込み、酷い円安が進んでいたが日銀は利上げをせず、円安はとどまる所を知らなかった。利上げをすれば、自分達が作ってしまった巨額の借入金の利払いが出来なくなってしまうのだと、まことしやかに言われていた。
 
若者の引きこもりは異常に増え、政府は本当の意味でその数すら把握しておらず、或いは把握したく無いのかも知れなかった。
 
そうした中で地球温暖化は進み、大雨、大きな台風、異常な暑さは進み続けていた。日本も全ての面で破綻に向かっていたのだ。
 
そうした中で私は10坪にも満たない小さな豆屋を35年も営業し、小さな豆屋の開店指導という仕事も続けていた。

<第一話 終了>
第二話に続く

 
 


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