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豆屋はどの位売れるの。


新秋津<燕珈琲>。今年2回目のお正月。良く売れている様です。

日本はどうなるのか、なかなか読めない年になってきました。何しろ元旦の大地震に始まり羽田の飛行機事故、北九州の商店街の大火災等、次々といろいろな災害や災難が続きます。暫くは、落ち着いて行動しないといろいろなミスが連続するかも知れません。

店は今日から開店しました。3日間お休みしましたが、今日から平常営業です。デパートや駅前の大型ショッピングセンターは基本的に2日から営業しているようで、大変でしょうが、仕事ですから、売れる時に売っておかないと、そういつでも売れるものではありません。

前回、売り上げに対する生豆の占める割合についてお話しましたが、ではどの位売れるのかをお話しないと片手落ちになりそうですので、今日は、豆屋はどの位売れるのかについてお話していきたいと思います。

豆屋というのはなかなか売れない仕事です。豆屋は基本的に常連さん相手の仕事です。最初から常連さんを持っている店というのはなかなかありませんので、皆、ゼロから始めると思った方が良い仕事です。

『私は友達や知り合いが多いから。』というのは、何の助けにもなりません。その位の客数でやって行ける仕事等何処にも無いからです。逆に言えば知り合いに買ってもらっているうちはいつまでたっても素人です。仕事というのは、知らない人が美味しいと思い買ってくれた時初めて仕事と呼べるものになるのです。

そういう意味では豆屋の初期はなかなか大変です。金額といっても、皆、定価も違いすぎるので、当店の開店指導店の平均値である、200g1,200円から1,800円位で販売している店で、初年度の毎日の平均売利上げは、10,000円から15,000円位だと思います。25日営業して250,000円から375,000円位だと思います。

これを少しずつ伸ばして行き、3年目に20,000円から30,000円になると、月500,000円から750,000円位だと思います。そして3年目から5年目は一番大きく売り上げが伸びる時なので、(順調に行けばですが)5年目には700,000円から1,000,000円位にはなると思います。

当店の開店指導ではこの位の数字になる方が多いです。そこから先は、もう1K釜では無理なので、3Kから5Kにお釜を買い替え無ければなりませんし、ハンドピックの問題等もあり一人ではなかなか営業が困難になってきます。

そこから先の売り上げは、自分の得意な分野で売り上げを伸ばして行くのが一番ですから、もう人の意見は余りあてにはなりません。ただ伸びる店はここから毎月200万・300万の売り上げになる事もありますし、上限は無いと考えた方が良いと思います。

この辺りがカフェと全く違うのです。カフェの場合、最初は豆屋より少し楽かも知れませんが、店が一杯になってしまえば、新しい店を作るしか方法はありません。

ただ。豆屋は家賃10万円、坪数5坪の店でも200万でも300万でも、それ以上でも幾らでも売れるのです。坪数の商売では無いからです。私はもっと売っていた店を知っているので豆屋というのは、味と接客で幾らでも売り上げを伸ばせるのだと確信しています。

ただ、全部の店がそうなれる訳では勿論ありません。どれだけ味を良くして行けるか、どれだけ自分なりの素敵な接客が出来るかで売り上げも大きく変わってきます。

ただ豆屋は、この時代に小資本で始められ、一人で営業しながら、本当に売れてくれば、それなりの良い収入の仕事を作れる可能性がある仕事だと思っています。幾ら豆屋が増えても美味しい豆を売っている店はまだまだ少ないというのが私の豆屋に対する見解です。


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