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豆はどの位もつの。


豆が膨らまなくなったら駄目です。

開店指導をしているとこの質問は非常に多いです。魚や肉等と違って腐ってしまう訳では無いので、初めてお店をやる方は殆どの方がこの質問をしてきます。

豆屋は、最初はなかなか売れないので、1K釜のお店でも豆は余る事があります。1k釜に800g入れて650gになって出て来るのですから、200gの袋3つは作れます。200gきっちりは入れられないので、袋に少し多めに入れる分を観ても、試飲する分とで
丁度無くなる計算ですが、たまたま、売れないで瓶に残ってしまう事があります。

いや残ってしまう物の方が多いかも知れません。皆さんの心配は、売れなかった豆をいつ捨てるかという疑問なので、これは一口で言うと、とても難しいのです。

豆は新鮮でなければ美味しく無いですが、新鮮なら美味しい訳では無く、その前に、良い生豆の選定、適切な焙煎という二つの重大事項がまっています。これをクリアして初めて新鮮が意味を持つのですが、そのあたりも新鮮だけを過大に宣伝する店が増えています。でも、それは又の機会に回すとして、今回は何処まで販売出来るのか、していいのかをお答えしておきます。

私としては、『焙煎後、10日で捨てなさい。』といっています。自家焙煎店は新鮮さが売りと言われていますが、新鮮なだけで美味しい訳は無く、それで美味しいなら電気のオンデマンドの店は皆美味しくなってしまいます。そんな事はありません。

ただ、お湯を掛けて膨らまなくなった豆を販売している自家焙煎店は、お客は減って行きます。だからお客が少ない初期の豆屋は経営がとても難しいのです。現在は当店の開店指導は1K釜を使う人が90%以上ですが、5年ぐらい前までは、3K、5Kが殆どでした。3K、5Kの時はこの問題はもっと大きかったと思います。

だから現在はうちの開店指導店は殆どが1K釜なのです。これは開店時の開店資金が200万円前後は違ってきてしまうという理由だけでは無く、開店初期に古い豆を売らなくて済むという事が一番大きな理由なのです。

ただ、私は自宅では冷蔵や冷凍をしないままの豆を、1か月、2か月経った物でも平気で飲んでいます。美味しかったりもしますが、流石に膨らみはわるくなります。ただ何か月か店をやっているうちに、自分の豆の取捨については自然に分かって来るものです。最初から全てを売ってしまう自家焙煎店は、とても危ないお店です。

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