コロコロと変わる心
ばんえい競馬をみなさんは、ご存知ですか?
北海道帯広市で土日月で開催されている地方競馬である。
だが、普通の競馬とは違う。
普通の競馬とは、スピード勝負である。
ばんえい競馬は、スタートからゴールまで共に歩いて頑張れと馬たちに声援を送ることができる。
なぜなら、馬が人を乗せた重いソリを引っ張ってゆっくり力一杯走るのだ。
距離はたったの200メートル。
その間には、障害といわれる二つの坂。
これが、ドラマチックな展開を生む。
はじめて、このばんえい競馬のレースを見た時のことである。
一斉にスタートし、坂の前まで素早く馬達はついた。
そこでいきなりストップした。
のちに坂を登る前に重要なことだと気づいた。
だが、わたしが見る、はじめてのレースでは、それぞれの馬達を大丈夫かな?と心配に思った。
そして、自然と頑張れと応援していた。
馬が坂を登り降る。
その瞬間に感動が起こった。
その感動は、最後にゴールした馬まで続いた。
次のレースでは、
せっかく来たんだから、賭けてみようと思った。
予算は500円くらい、狙いは単勝。
レースは、スタートした。
結果としては、外れた。
お金を賭ける。それだけで馬の見方が変わってしまう。
賭けていないから順位を気にしない。
どんな馬でも素直に応援できる。
そして、馬の頑張りから感動をいただいた。
だが、
ただ賭けただけで、
順位を気にしてしまう。
そしたら、狙いの馬が一位になってほしいがために、ほかの馬に対して止まれや遅れろという、蔑む気持ちが起こってしまった。
こんなにも人は見方が変わってしまうものなのか…
人間のこころは縁があればコロコロと変わってしまう。
そこに、人間の持つ自己中心的なものの見方をする、このわたしの本性の怖さを実感したのだった。