見出し画像

忘れられないお弁当の味と思い出

なにを食べるか?
わたしは、旅行や仕事で全国各地色々な場所に行く時に、大事にしているモットーである。

わたしは、特にうなぎが大好きだ。
浜松、名古屋、鹿児島…と名産地に行ったならば必ず食べるくらいだ。

それほど、なにを食べるかを大事にしている。

でも…

だれもがどこかで一度は聞いたことあるがあるかもしれない言葉。

「なにを食べるかよりも、だれと食べるか」

この言葉、たしかにそうかもしれない。

そう思わせてくれた先生がいた。

 私のその先生に対するイメージは、まさに鋭いナイフのようなキレのある人。
 専門知識はもちろん、幅広い分野のことから身近なネタまでもパッと取り出して発言する。
 その姿、かっこよくみえた。
 尊敬するからこそ、完全無欠な先生だと勝手に思った。まるで憧れの存在であり、畏れ多くなった。
だから、話しかけづらかった。

ある日、そんな先生のもとでお手伝いをする機会をいただけた。

月に一度のお手伝い。
それを2年間させてもらった。

お手伝いの中で、一番楽しみにしてた時間がある。

それは、お昼ご飯の時だった。

コロナが流行っていた時期で、先生と一緒にご飯を食べることはできなかった。
 だけども、私が食べている所で、先生の方からいつも話しかけてくださっていた。

この先生とのおしゃべりの時間が
本当に楽しかった。

研究や論文のことよりも、雑談みたいなお話ができて楽しかった。

雑談がきっかけで、鉄道好きな私に鉄道オタクには有名な場所に連れて行ってもらったりもした。

そんな先生とのおしゃべりのときに、よくいただいたお昼ご飯は、

『うなぎのお弁当』

であった。

さすがに、名産地のうなぎと比べたら味に差は出るかもしれない。

だけども、不思議なことがある。

鹿児島や浜名湖のうなぎ、名古屋のひつまぶし…

いろんなところのうなぎを食べたのに、あまり記憶にのこっていない。

だけども
先生とおしゃべりしながら食べたうなぎ弁当は、いまも心の中で消えないままのこっている。

その先生が亡くなったと
昨日、報せを聞いた。

おしゃべりが楽しかった。
そのなかでもいっぱい勉強させてもらった。
上手くいかなくて悩んでいた、自分のことを気にかけてくださっており、その気づかいにたすけられました。

そして、先生の手作りカレーは忘れられないほど美味しかった。

思い出せば出すほど寂しくなります。

でも、いろいろとわたしに与えてもらっていたんだなと寂しさや悲しみの大きさから気づかせていただきました。

「だれと食べるか」

これから、うなぎを食べる際、
先生とおしゃべりしながら、食べたうなぎ弁当を思い出すであろう。

そして再びまた出遇いたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?