こうりん (降臨) 19

アマテラスと大家さんの家に行ってから、二週間が過ぎた。
取り立てて、問題や事件もなく、平穏な二週間だった。
僕は午前中コンビニでバイト、午後は受験勉強、夜はアマテラスと交わる、のルーチンを続けた。
アマテラスは家事をして、テレビを見て、夜は僕と交わるルーチンを続けた。
新しい大家さんによって、女人禁制は解かれたので、買い物に行く時はもう、僕になる必要はなく、大家さんが作ってくれた服を交互に着て出かけた。

そんな時、大家さんからラインが来た。
先日、大家さんの家に行った時に、ドレメ教室のグループラインに入った、と言うか入れられた。
大家さんから、
「皆さんの作品が出来ましたので、明日の土曜日、お迎えに上がります。」
と来た
「アマテラスの服が出来たから、明日大家さんが迎えに来てくれるよ。」
「そうか、大家殿には迷惑をかけるのう。」
僕は
「分かりました、お待ちしてます。何時頃になりそうですか?」
と返信した。
既読にはなったけど、時間についての返信は来なかった。
また、朝から来ると思っておいた方が良さそうだ。
と思いつつ、何時ものように朝方までアマテラスと交わっていて、大家さんのピンポン、で起こされた。
アマテラスは、服が出来たのがよほど嬉しかったのか、昨夜の乱れ方は凄かった。
なので、今日もアマテラスの乳房が破裂しそうなほどパンパンに張り詰めた状態で伺う事になった。
コンディション的には、前回と変わってなくて良かったのかも知れない。

大家さんの家に着くと、皆さんはすでに集まっていた。
駐車場にはボルボの他にコペンが停まっていた。
コペンの後ろにはヤマハの白いVOXとロードバイクが停めてあった。
アマテラスは、何時ものワンピースで、僕はTシャツにジーンズを着て行った。
アマテラスがリビングに入ると、
「あら、まぁ!」
と声を上げたのは佐藤さんだった。
先日とは違う白っぽい着物を着ていた。
「アマちゃんがいらっしゃいましてよ。」
アマテラスのニックネームにはまだ慣れない。
一通り皆さんからの歓迎を受けると、コンペの発表会が開かれた。
まず、先陣を切ったのは樋口さんだった。
アマテラスがリビングの一角に置かれた衝立の向こうに、樋口さんと一緒に消えた。
数分後、衝立の向こうから樋口さんとアマテラスが現れた。
ソファに座って出て来るのを待ち望んでいた皆さんから、一斉に歓声とともに拍手が起こった。
僕は出てきたアマテラスを見て、腰が抜けるほど驚いた。
なぜなら、アマテラスはビキニの水着だったから。
アマテラスの乳房では、絶対に不可能だと思っていた。
「水着ってそろそろ夏も終わるじゃない。」
と篠原さん。
「水着ではなくて、フィットネス用のウェアですよ。どんな動きでもバランスボール大のおっぱいを確実に保持出来るブラトップには苦労しました。ボトムは一分丈のスパッツにするのか、ショーツタイプにするのか、悩みに悩んで、アマちゃんの長くてキレイな脚には、やっぱりショーツタイプだよね、って事でショーツタイプにしました。」
「アマちゃん、ちょっと動いてみて。」
と言ったのは小芝さん。
アマテラスは軽くターンしてみたり、ジャンプしてみたり。
重さはそれほどでもないけど、大きさはバランスボールと同じくらいだから、ジャンプするとめっちゃ揺れる、と言うか弾む。
「アマちゃん、ちょっと続けるです。」
と王さんがアイフォンを構える。
「Oh、ちょっとおかしいですね。」
「どうかなさったの?」
と佐藤さん。
「アマちゃんが映らないです。」
「そんなばかな。」
「うそ、違います。本当に映ってませんです。」
みんなが王さんのアイフォンの画面を覗きに行く。
「うそ!」
「マジか。」
「王さんのアイフォンの調子が悪いのではなくって?」
「あ、皆さん、アマちゃんはスマホには映りません。神様ですから。」
と大家さんが言った。
「私が撮ろうとして、何度やっても映りませんでしたのよ。」
「じゃぁ、アマちゃんに着てもらったのは写真に残せないの?」
「ここは私の出番ではなくって?」
そう言ったのは佐藤さん。
その手にはポラロイドカメラが握られていた。
「デジタルが駄目ならアナログですわ。」
そう言ってカメラをフィットネスウェアを着たアマテラスに向けてシャッターを押した。
パシャッ、ジー
と撮影されたフィルムが排出される音がする。
「さ、樋口さんもほら、アマちゃんの隣に並んで。」
もう一度シャッターを押す。
シャッター音に続いてフィルムが排出される音がする。
「現像が終わるまで少々お待ち下さいな。」
佐藤さんが手首の内側に向けた腕時計を見る。
「さぁ、もういい頃ですわ。」
佐藤さんがカメラの排出口に付いた黒いシートからフィルムを取り出す。
フィルムと言うより印画紙と表現した方が正解かも知れない四角い紙を、みんな固唾を飲んで見守る。
「ほら、映ってましてよ。」
佐藤さんが差し出した印画紙には、アマテラスだけとアマテラスと樋口さんが並んで映っていた。
「おお、これはどゆこと?」
王さんが言った。
「多分ですけど、」
と僕は口を開いた。
「アマテラスは映像を電気信号に変換する時に変換出来ないんじゃないかと思います。でも、光学的に被写体を映すプロセスでは、変換する作業が無いので映るんだと思います。」
「ふーん、そうなんだ。神さまって案外面倒なものなのね。」
「でもこれではっきりしましたわ。私のカメラでは映せるんですのよ。さぁ、撮りまくりましょう。」

「次はどなたが?」
「私、行きますね。」
「王さんですね。お願いします。」
「アマちゃん、こっち来てください。」
アマテラスは王さんと一緒に衝立の向こうに消えた。
さっきよりも少し時間がかかって、アマテラスと王さんが衝立の向こうから姿を現した。
まず王さんが頭を抱えて現れ、続いてアマテラスが現れた。
現れたアマテラスは王さんと同じデザインの真紅のチャイナ服を着ていた。
丈の短さを除いては。
「おお、失敗してしまた。おぱいの大きさばかりに気をとられて、こなに短くなてしまた。」
確かに、立ってるだけで純白のショーツがちらちら見えている。
「これはこれでいいんじゃない?」
「アマちゃんはどうなの?」
「我か?汝れはどうじゃ?」
アマテラスが僕に聞いた。
「汝れは我のこの姿、どう思うておる?」
「どうって、似合ってるよ。」
「そうか、そう言うてくれるか。」
「はーい、これで、き・ま・り。王さん、結果オーライと言うことで。」
「さ、王さん、アマちゃん、写真を撮りましょうね。」
そう言うと佐藤さんはポラロイドカメラで写真を撮った。

「次はどなたの番ですか?」
「私です。」
「篠原さん、お願いします。」
今日もドレス姿の篠原さんとアマテラスが衝立の向こうに消えた。
しばらくして
「おお~っ」
とアマテラスの声がした。
「行きますよ、アマちゃん。」
篠原さんが衝立の向こうから出てくる。
続いて出てきたアマテラスを見て、衝立の向こうでのアマテラスの反応に合点がいった。
なぜなら、それは、テレビを見て目を輝かせていた、アイドルが着るようなドレス姿だったから。
アマテラスの表情も、さっきの大人びた表情とはまるで違っていて、少女のようなあどけない表情だった。
フリルがいっぱいついた生地に包まれたバランスボール大の乳房もさることながら、布を幾重にも重ねてふわりと膨らんだ超ミニスカートから伸びる脚が綺麗だった。
「いかにも篠原さんらしいデザインですわね。」
「気合い入れて作ったもんね。」
佐藤さんがポラロイドで写真を撮る。

「次は私の番よ。」
と言ったのは小芝さんだった。
「アマちゃん、行きましょう。」
アマテラスは小芝さんに連れられて、衝立の向こうに消えた。
しばらくして
「わぁ!」
とまたアマテラスの声がした。
「みなさま、お待たせしました。アマちゃんの登場です。」
小芝さんの声がした後、衝立の向こうからアマテラスが現れた。
続いて小芝さんが出てくる。
このアマテラスを見て、なぜまたアマテラスが声を上げたのか分かった。
それは、篠原さんのものとは違うけど、ドレス姿だったから。
篠原さんの華やかなアイドルドレスとは違って、落ち着いた大人の女性のドレスだった。
そう、どちらかと言えば、ウェディングドレスに近い。
両肩を出した大胆なデザイン、基本はミニ丈のキャミソールワンピースで、ボトムは透ける生地のスカートを合わせてる。
特徴的なのはそのスカートで、巻きスカートと言うのか、布を後ろから巻いて前で合わせてる。
丈は後ろに向かうにしたがって長くなっていき、真後ろでは膝丈になってる。
これもアマテラスの長く綺麗な脚を強調するデザインだった。
「さぁ、写しますわよ。」
佐藤さんによる撮影が終わるといよいよ最後になった。

「オーラスは私ですわ。さ、アマちゃん参りましょう。」
アマテラスは佐藤さんに手を引かれて衝立の向こうに消えた
5人の中で一番時間がかかったかな。
ようやく佐藤さんに手を引かれてアマテラスが衝立の向こうから出てきた。
す、凄い!
と内心僕は思った。
凄すぎてどう説明すればいいのか悩む。
一言で言えば、十二単のような煌びやかさがある。
でも何枚も着物を重ねて着てはいない。
着物の襟は大きく開いて両肩が顕になってる。
前の合わせは重ねてなくて、寄せたようになっていて、胸元がVの字に大きく開いており乳房の谷間が顕になってる。
腰には着物のものほど、幅は広くない帯が巻かれている。
その帯の下は着物の下側がスカートのようになっている。
どこかで見覚えがあるけど・・・。
そうだ、高松塚古墳の壁画の女官だ。
スカートの前からは足袋を履いたつま先が見えていて、後ろは長くて引き摺っている。
頭には金の冠のような髪飾りをつけている。
歩くたびに、冠の両側に下がった飾りが揺れてきらきらと光を反射する。
そう、僕の女神のイメージ、正しく天照大御神だ。
「佐藤さん、素晴らしいですわ。」
と大家さん。
他の教室のメンバーも賛美の言葉を発した。
「やはり、女神と言えばこれですわ。壁画の女官を参考にしましたのよ。胸元はオリジナルで、アマちゃんのおっぱいの魅力を前面に押し出しましたの。さ、私のカメラで撮ってくださいな。」

撮影が終わるのを待って大家さんが言った。
「どれも甲乙つけ難い素晴らしい作品でしたわ。皆さんが制作に夢中になっていらっしゃる姿を見ていて、私も作ってみましたの。でもこれはコンペとは関係なく、あくまでも参考出品ですわ。」
そこまで言うと大家さんはアマテラスに言った。
「アマちゃん、こっちに来てくださいな。着替えましょう。」
アマテラスは大家さんに手を引かれて、静々と衝立の向こうに消えた。
佐藤さんの時と同じくらいの時間を要して、大家さんが衝立の向こうから出てきた。
大家さんに続いてアマテラスも出てきた。
この時の衝撃をどう言えばいいんだろう。
出てきたアマテラスは、確かに服を着ている。
でもどう見てもショーツを穿いてる筈なのに半裸に見える。
そのショーツも、陰部だけを覆う小さな布だけで、アマテラスの恥丘が顕になってる。
アマテラスにアンダーヘアが無いから出来る事だ。
しかも服と同じ生地で出来ていて、よーく見ると陰部の割れ目を覆うように垂れた陰核が透けて見えている。
服はガウンのようなデザインで、めちゃくちゃ透ける生地で作られていた。
アマテラスの乳房の大きさも、親指大の乳首も、握り拳大の乳輪も手に取るように分かる。
ガウンの丈はくるぶしまであるけど、ほぼ完全に透けているので、アマテラスの長くて綺麗な脚も手に取るように分かる。
「先生、凄いですわ。」
と佐藤さん。
「でも、こんなに透けてたら・・・。」
「あら、小芝さん。オートクチュールのショーではよくある事ですわ。透明なビニール素材で作った服を着て、颯爽とランナウェイを歩くんですのよ。大勢の観客の目の前で。」
「でも・・・。」
と二人のやり取りを聞いているアマテラスは、満更ではないようだ。
アマテラスを見ていると、樋口さんが声をかけてきた。
「ねぇ、あんな子どこで見つけてきたの?」
「どこでって、山の中ですけど。」
「ふーん、山の中ねぇ。」
どうも信じて無いようだったけど、樋口さんがプロゴルファーだという事を思い出したので聞いてみた。
「樋口さんってプロゴルファーなんですよね?」
「そうよ、昔は海外のトーナメントにも招待されたんだから。」
「ちょっと、これを見て欲しいんですけど。」
と僕はスマホで、アマテラスが見ていたスイングの動画を樋口さんに見せた。
「あら、KLPGAの選手ね。彼女がどうかしたの?それともゴルフを始めたいの?だったら格安でコーチして上げるわ。」
「いえ、違うんです。」
「なぁんだ、違うんだ。」
「アマテラスがこのウェアが可愛いって言ってて。」
「確かに韓国の女子プロゴルファー達のスカートは短いからね。」
「アマテラスが穿きたいって言ってるんですけど、ネットで探してもこんなに短いのが見つからなくて、樋口さんなら何か分かるかなって。」
僕の話を聞いて樋口さんは、チラとアマテラスを見て
「ちょっと待ってて。」
そう言うと樋口さんはリビングの隅に置いてあった大きいザックを持ってきた。
「確か入れたままだと思うんだけど。」
とザックの中を探して
「あ、あったあった。」
そう言ってザックから布を取り出して広げる。
「ほら、これでしょ?」
樋口さんが僕の目の前で広げたのは、めちゃくちゃ丈の短いスカートだった。
「アマちゃん、ウェスト59センチでしょ?ちょっと大きいけど穿けないことはないと思う。」
そう言うと樋口さんはアマテラスに向かって言った。
「アマちゃん、ちょっとこっちに来て。」
アマテラスは怪訝な表情で来た。
「これ、ちょっと穿いてみて。」
と差し出されたスカートを見て、アマテラスの顔が輝いた。
大家さんが作ったほとんど透明なガウンを脱ぎ、めちゃくちゃきわどいショーツだけになると、樋口さんからスカートを受け取り脚を通した。
腰まで引き上げてウェストのホックを留める。
「やっぱりちょっと大きかったか。でもヒップはキツめよね。」
「まぁ、お似合いですこと。」
と大家さん。
樋口さんは、アマテラスの後ろで膝立ちになると、スカートのウェストを手で詰めていた手を止めて言った。
「それにしても、めっちゃエロいよね。」
確かに、アマテラスのお尻の丸さが際立ってる。
スカートの裾からはきわどいショーツの股間が丸見えになっている。
「彼氏さん、ちょっと相談だけど」
樋口さんが立ち上がって僕に言った。
「アマちゃんにモデルになってもらえないかなぁ。」
「モデル、何のモデルですか?」
「私、今度、ゴルフウェアで自分のブランドを立ち上げようと思ってるの。」
「ゴルフウェアですか?」
「そうなの。もう、教室のみんなと大家さんには承諾してもらってるの。ほら、ここの人達ってほぼ体型を網羅してるでしょ?でもね、やっぱりインパクトが欲しいでしょ?」
確かに体型を網羅してると言えばしてるのかな。
大家さんは小柄出し、佐藤さんはぽっちゃり系、王さんは背は高くないけど普通体型、篠原さんは巨乳系、小芝さんはスレンダー系。
ここに背が高くて、脚が長くて、乳房が巨大なアマテラスが入ると相当なインパクトになる。
と考えてるうちに、樋口さんはまた、アマテラスの前に膝立ちになって、アマテラスの腰に抱きついた。
そして、両手でアマテラスのお尻を揉みながら顔をアマテラスの股間に押し付け、大きく何度も深呼吸して言った。
「あぁ、いい匂い。」
突然の出来事で驚く僕の隣で王さんが言った。
「あ、またやってる。ここのメンバ、みんな一度はやられてるね、あれ。樋口、女好きね。」
「そうねぇ、あれが原因だもん、トーナメントに出なくなったの。」
「対戦相手を好きになったら試合なんて出来ませんわね。」

アマテラスはスカートを樋口さんに返した。
「さぁ、みなさん、見てくださいな。」
そう言うと大家さんが、衝立を移動させた。
衝立の向こうから現れたのは、今日、アマテラスが試着した服だった。
アマテラスの体型を忠実に模したトルソーに着せてある。
5着の服が所狭しと並んでる。
大家さんが作ってくれた服は、まだアマテラスが着たままだ。
「さすがに狭苦しいですわね。専用にもう一部屋作ろうかな。」
と大家さん。

大家さんに車で送ってもらって、部屋に戻ってきた。
アマテラスは大家さんの服が気に入ったのか、結局着て帰ってきた。
さすがに、ほとんど全裸に近い格好では、人前には出られなかった。
アマテラスは全く気にならないようだけど。
夜は、二人ともめちゃくちゃ燃えた。
翌日の日曜日も、ずっと交わり続けた。

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