こうりん (降臨) 20

アマテラスの服のコンペがあってから、2週間ほどしてから、樋口さんからラインが来た。

アマテラスのウェアが出来たので試着しに来て。

との事。
いつもいつも大家さんに迎えに来てもらうのは気が引けるので、今回はダックスで行く事にした。
と言っても、ぐずぐずしてると大家さんが来るかも知れないので、交わりは夜だけにして、朝はいつもより早く起きた。
おかげさまで、大家さんが来る前に部屋を出る事が出来た。
大家さんの家に着くと、駐車場には既に樋口さんのロードバイクは停めてあったけど、他のメンバーのものはまだだった。
「おはようございます。」
と声をかけて教室と兼用のリビングに入ると、樋口さんと大家さんがソファに座ってくつろいでいた。
「あら、いらっしゃい、早かったんですのね。そろそろお迎えに行こうと思っていましたのに。」
「いえ、いつも迎えに来て頂くのもどうかと思いましたので。」
「あら、嫌ですわ。私、好きでお迎えに伺ってますのよ。だって、早くアマちゃんにお会いしたいんですもの。」
「そうだったんですか。ありがとうございます。」
「すまぬのう、大家殿。」
今日もアマテラスは試着があるというので、ワンピースを帯で腰を結えずにざっくりと着ている。
「いつ見ても破壊的だわ。そのおっぱい。」
同性が好きな樋口さんの目が、アマテラスの乳房に釘付けになってる。
「そろそろみなさんがいらっしゃると思いますから、ゆっくりしていてくださいね。」
大家さんに勧められて、僕とアマテラスは並んでソファに座った。
アマテラスはほぼ3人分の幅をとってる。
正面に座ってる樋口さんから見ると、直径60センチのバランスボールを2つ持ってるように見えるんだろうなぁ。
樋口さんはテーブルに置いていたIパッドを持つと、画面にペンを走らせた。
「何をしてるんですか?」
「ちょっとね。アマちゃんのデッサンを描いてるの。デザイン画用にね。」
「だったら立った方がいいんじゃないですか?」
「そうね、これを描き終わったらお願いするわ。」
樋口さんは、ものの数分で座ったアマテラスを描き終えた。
今度はアマテラスを立たせて、ああでもない、こうでもない、と紆余曲折の末、決まったポーズでデッサンを描いてるうちに、みんなが集まってきた

「今日、集まってもらったのは、皆さんがデザインしたものを参考にしたウェアが出来上がったので、そのお披露目と写真撮影をしようと思ったからです。」
「ふーん、いよいよ始まるんだ。」
と小芝さん。
「確認させて頂きますけれど、店舗での販売は無くて、ネットでの販売だけですのよね?」
と佐藤さん。
「もちろんそうです。なので、今日撮影する写真もネット上のカタログに載るだけですから。雑誌とかには掲載しません。それだけの知名度も無いですからね。」
「本国にも知られないのは良かたです。」
と王さん。
「アマちゃんには私がデザインしたウェアを着てもらいます。」
「ところで、肝心の写真はどうするの?アマちゃん、スマホやデジカメは駄目なんでしょ?」
「カメラは兄のフィルムカメラを借りてきたから大丈夫だと思います。」
とテーブルに置いた一眼レフのカメラを指さした。
「フィルムだと現像とか焼き付けがいると思うんですけど・・・。」
と僕。
「あ、それも大丈夫です。兄は一応、プロのカメラマンなので、自分でやっちゃいますから。」
「そうなんですか、すごいな。」
「では、早速始めましょう。もう、皆さんいに着てもらいたくて、うずうずしてるんです。」

みんなが着替えて並ぶと壮観だった。
それぞれ個性が生かされてるみたいで素敵だった。
とてもゴルフウェアとは思えないものもあるけど。

佐藤さんのウェアは、やっぱり着物のイメージがある。
襟から胸元にかけては、着物のような合わせがあって、スカート部は巻スカートになったワンピースだった。
腰には着物の帯に当たる布が巻かれていて、後ろでリボンのように結ばれていた。
ぽっちゃりしたお腹を目立たなくするアクセントになっている。
袖はさすがにつけられないので、フレンチ袖って言うのかな、肩口にひらひらと大きめのフリルがデザインされていた。
丈は短くて、スカート部だけでいえば、超ミニになっていた。
普段は着物何で見れないんだけど、太ももがむっちりとしていて、めちゃくちゃエロい。

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