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ども!!
Bamboo社長です。

先日、御年80になられる取引先の会長さんとお寿司を食べに行ってきました。
美味しかったです。

皆さんには親友と呼べる人は何人ぐらいいますか?
例えば、亡くなってしまったら号泣してしまう友達って、
自分の周りに何人ぐらいいますか?

嘘を付かずに言うと、
僕は10人いるかいないかです。
多いか少ないかは、よく分かりません。

でも、その人達が居なくなってしまったら、僕は確実に号泣するでしょう。
理由は悲しいから。

少し前に、腐れ縁の幼馴染で親友のTが亡くなりました。
親友Tが亡くなる前に、僕はTと大喧嘩していて、SNSなどの通信手段は一切遮断した状態でした。

ある日、ひょんなことから、親友Tが亡くなったと連絡が入り、最初は信じられなくて、地元の知り合い数名に連絡して聞いたのですが、どの人も亡くなった事すら知らなくて、僕は居てもたってもいられず、親友Tの実家に電話してみました。

電話には親友Tの母親が出て、「そうなのよぉ。亡くなったの~」とライトな返事が返ってきました。
あまりにもライトな感じで一瞬拍子抜けしましたが、電話で色々話すよりも、「たまには地元に戻って来い」と言われ、僕はそそくさと親友Tの実家に向かいました。

親友Tの実家に着くと、Tの両親とTの娘、初めて会ったTの娘の旦那さんとその子供、Tと共通の幼馴染U、そんな顔ぶれが揃っていました。

僕は幼馴染Uと会うのも数年ぶりで、ひじょうにお互いぎこちない中、田舎の親戚連中が集まる正月のような状況にドキドキしてました。

ですが、
これまた何故か居酒屋で飲み会が始まり。
これまた何故か、乾杯なんかしちゃったりして。
これまた何故か、お互いの近況報告をし始めたりして。
あれれ?
あれれれ?
やっぱり今日は正月の集まりだっけぇ~?
と、何度も心の中で自問自答してました。

乾杯した時、Tの父親のグラスを持つ手を見ると、小刻みに震えていて、ふと冷静に考えてみて、「あ~僕に気を遣って、明るくしてくれてんのか。。。」と思い、隣りにいた幼馴染Uを見ると、Uのグラスを持つ手も震えているではないかっ‼︎
2人は口を揃えて「1、2杯飲めば震えが止まるから☆」と、何も聞いていない僕に言いました。
ア、、、アル中なのね。。。

そんなTの父親は、2杯目のお酒を飲み干すと、手の震えも治まり、目も急にシャキッとなって話しを始めました。
「俺はあいつに親らしいことをしてやれなかった」
「あいつは何を恨んで亡くなっちまったんだ」
「親より先に逝っちまいやがった」
僕はそれを「うんうん」と聞いていた。

続けて、幼馴染Uも言った。
「先に逝きやがって、、、羨ましい!」
何を言っているのか、よく分からなかったが、僕は「うんうん」って聞いた。
そのままUは言った。
「周りの奴らに喧嘩売りまくって、最後は1人で逝きやがった」
Uもここ数年、Tとは疎遠だったようで、僕と同じくTと喧嘩し、絶縁状態だったそうだ。

Uは、Tの娘から連絡が来て、「パパが死んじゃった」と聞いた。慌ててUは、Tの入院していた病院に向かった。
Uが到着した時、病室のベッドにTが横たわり、顔には白い布が掛けられていた。
そんなTの姿を見て、「嘘だろぉ。。。」と呟いた。
娘から、「パパの顔を見てあげて」と言われ、Uは顔に掛けられた白い布を恐る恐るめくりあげると、「嘘だろぉ??」と声をあげた。

目の前に穏やかな顔で目をつぶるT。
しかし、その髪型はまさかの「モヒカン」だった。

後ろでシクシクと泣いている娘は言った。
「ね?パパばかでしょ」
その話を聞いて、僕には分かった。
「あぁ、約束守ったんだ。」

Tと仲が良かったころ。
僕とTは酒を飲んでいて、Tは言った。
「俺が死ぬときはトラビスのようにモヒカンで死ぬ」
Tは当時、映画タクシードライバーの主人公トラビスに心酔していた。
「死んだら、お前の枕元にモヒカンで登場してやる!!」
そんな話を思い出した。

救急車で搬送される前、フラフラだったTは、娘にお願いをした。
「パパをモヒカンにしろ‼︎」
娘は言われるがまま、Tの頭をバリカンで刈った。
Tはその姿を満足そうに、ずっと鏡で見ていた。
そして、その後すぐ様態が悪くなった。

「あぁ、約束守ったんだ。」
僕は号泣した。
居酒屋で悲しくて涙が止まらなかった。

僕は言った。
「あいつは、僕と仲直りすること無く居なくなった」
「もう仲直り出来ないじゃないか。。。」
「僕は仲直りしたかったんだ。。。」
僕は泣きながらTへの想いが込み上げた。
みんな泣いていた。
手の震えは止まってた。

親友Tへ
物心ついた時から一緒だったね。
何するにも一緒、悪いことも、バカなことするのも、ずっと一緒だった。
腐れ縁って思っていたから、あっけない最後に僕はいまだに信じられない。
「仲直りなんかするか。バーカ‼︎」って思っていたけど、本当はずっと気にしてた。
元気でやってんのかなぁ?
無茶してないかなぁ?
飲みすぎてないかなぁ?
ずっと気にしていた。

なぁ、寂しいよ。
バカ野郎。。。

親友Tは結核で亡くなりました。
享年44歳でした。
産まれてくる孫の顔を見ることなく、天国へと逝ってしまいました。
そんな親友Tにこのブログを捧げます。

そして、怖いから、モヒカンの頭で枕元には立たないでください。
あの世で会おう。

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