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ヒグマと中学生と北大と・・・

昨年のサイエンスフェスタ後、1通のメールが届きました・・・。差出人は札幌市立手稲西中学校の先生。どうやら中学1年生の「総合的な学習の時間」のサポート依頼のよう・・・。
「自然との共存」をテーマに「総合的な学習の時間」を進める手稲西中。
校舎のすぐ裏手に手稲山が広がる手稲西中は、クマの目撃情報による授業の中断や一斉下校などが頻発している背景があるようで、ヒグマに詳しい先生や、SDGsの取組がさかんな北大に協力を!ということで、今回の手稲西中1年生の北大訪問が実現しました!


手稲西中の皆さんとご対面

11月22日水曜日。元気な中学1年生43名が北大へ到着です!
まずはヒグマをよく知ってもらうため、講義を受けるべく文系棟講義室へ移動!講義をしてくださるのは勿論この方、獣医学研究院の坪田 敏男(つぼた としお)教授です。OSO18のテレビ放映などで先生のお話を聴いたことがある方もいらっしゃるのでは・・・。

中学生からの「はじめの挨拶」で授業開始です。「初めの挨拶」が中学生らしく微笑ましい・・・

坪田先生からは先生がヒグマの研究をされるようになった経緯や、ヒグマの生態、近年のヒグマを取り巻く環境の変化や自然界におけるヒグマの役割など、色々なお話が聞けました。

クマを”非常に美しい動物”と感じ、魅了された、と研究を始めた経緯なども教えてくれた坪田教授。研究は掘り下げても掘り下げても分からないことがあるから楽しいし、続けられる・・・。
と研究の面白さについても、語ってくださいました。
真剣に講義に参加する中学生のみなさん。この後、沢山の質問が坪田教授に寄せられました。

ヒグマの目撃情報が多発する地域に住むためか、中学生からはこんな素朴な質問も・・・。
ヒグマに「勝つ」にはどうしたら良いですか?
(誰もが一度は考えたことがある質問!!)先生の回答は・・・。
~とにかく出会わない!!出会わないようにすることが1番大事!!~
山に入る時には、「クマはどこにでもいる」と認識することが大切で、鈴を鳴らしたり、声を出しながら、クマに「出会わない」ことを心掛けることが、最も大切なことだと教えてくださいました。どうしても出会ってしまった場合はクマスプレーの噴霧もありますが、絶対に助かる保証はないので、「出会ってしまったら」を考えるより、「出会わないためにどうするか」を考えることが、とても大切なことだと教えて頂きました。

最後に、坪田先生からは、「大学は、自ら求めればいくらでも勉強できる!勉強がどんどん面白くなる場所。それを目指して今の勉強を頑張って!」とエールをもらい、次なる会場へ!

勿論、終わりの挨拶もありました。そして一同は楽しみにしていた「学食」へ!!
事前にメニューのチェックもしていた皆さん。何を食べたのかな~。

クマ研ってなんだろう・・・。

学食で、大学生気分を満喫した後は、「総合博物館」と「ヒグマのとなり展」の見学です。とその前に・・・。クマ研の三枝さん登場!!

クマ研御用達グッズ持参で、駆け付けてくれた三枝さん。クマとのニアミス経験もあるそうです!
手に持つものはクマの●●●。食べたものによって違いがでます(実際に調査で採取したものです)

坪田教授も学生時代に所属した「クマ研」こと「北大ヒグマ研究グループ」。文系や理系、クマの研究をしているしていないなど関係なく、ヒグマについて研究をしているグループです。三枝さんは調査の様子やクマの魅力などをお話してくれました。

ヒグマのとなり展 for 手稲西中

まさに総合学習のテーマ「地域の自然環境とどう関わっていくべきか」を題材にしている同展で、ヒグマに対する新たな一面を発見した中学生たち。参加メンバーの大学生たちとも交流を深め、笑顔が絶えない展示となりました。

この日のために特別に用意されたヒグマのとなり展へ・・・。
ジオラマを見たり・・・
クマも色々な性格のクマがいるんだよ~などと、解説を聞いたり・・・
喧嘩っ早いクマもいるのだとか・・・
資料を用いて学んだり・・・
最後はどうして今の研究を選んだのか?など、大学生との交流を楽しみました。

ヒグマを中心に、北大での学びを体験した中学生のみなさん。これから本日のまなびを活かして、研究発表会が実施されるとのことで、とても楽しみです!大学って楽しそうなところだな!と少しでも思っていただければ・・・。総合博物館は時間が足りなかったようなので、個人的なご来館も、お待ちしております!


ヒグマのとなり展は12月16日(土)17日(日)開催の、「サイエンスフェスタ2023」での再展示が決定しています。実際の展示を御覧頂けますので、是非足を運んでみられてはいかがでしょうか・・。


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