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水曜日のダウンタウンでのゲーム設計について①

毎週欠かさず見ている番組がありまして、水曜日のダウンタウンという番組なんですが、こちらでゲーム設計として面白いと思った部分があったので、少し解説させていただきます

水曜日のダウンタウンは、世の中の説を芸人さんが体を張って検証する(という体のドッキリ?)番組で、今週は「街中あるある探し」というものでした

この番組の検証(ドッキリ)は色々なパターンが有るのですが、今週は、最初何も知らされていない芸人さんたちが普通に偽番組のロケに参加し、途中で種明かしされて本番が始まる、というパターンで、芸人さんたちが偽番組で「あるある」ネタを言ったあとに、その「あるある」ネタを探して最終的にポイントが高い人が優勝、というものでした。

普通に考えると、「あるある」を見つけた個数で勝敗が決まるのかな?と思いますが、ここで面白いゲーム設計をしていました。

実は、「あるある」ネタを披露するタイミングで、一般の人に「あるある」度合いを評価してもらうタイミングがあるのですが、

全員で20人、各人が0-5の点数をつけれる精度で、「あるある」ネタを0から100点の間で点数をつけれる(「あるある得点」)システムでした

つまり、みんなが「あるある!」と思うネタほど、100点に近づくというシステムなのですが、この「あるある」得点を上手く利用していました

少し話を戻しまして、先程の、「あるある」ネタを見つけた個数で勝負が決まるとすると、どういう不公平が起こるかと言うと、どうしても「あるある」ネタによっては、遭遇しにくいものやしやすいものがあるので、遭遇しやすいものを上げた人が有利になってしまいます

もちろん、事前にそういうルール込みで周知していたら、より見つけやすい「あるある」ネタを出すのを含めて、ゲームの攻略になるのですが、今回はいつもの通り、本当の企画を知らせずに行うという形式だったので、スタート時点で、有利不利が決まりきらないようにする必要がありました

スタート時点で、もしあまりあるあるとは言えないネタしか出せていなかったら、その時点でもう負け確定になってしまいますが、それを避けた形になります

では、その仕組はどういうものかご説明します

先程の、一般の方が「あるある」と感じた得点を100点満点で「あるある得点」としましたが、ズバリ、【100-「あるある得点」】が、街中で「あるある」を1個見つけたときの得点、「発見ポイント」としたのです

「あるある得点」は、前述の通り、一般の方の「あるある」度合いを0から100で表したもので、例えばこれが90点のときには、みんなが「あるある!」と思っているネタといえますし、その場合は、逆を言うと見つけれる可能性も高いと言えます。

なので、この90点を100から引いて、100-90=10点が、この「あるある」を街中で見かけたときの「発見ポイント」としています

逆に、あるある度合いが20の場合は、100-20=80点が、「あるある」を「発見ポイント」としています

これをすることで、自動的に難易度補正が自動的に効くようになり、ゲームとして公平かつ丁度いいバランスになるという仕組みでした

何故ちょうどいいバランスになるのか、簡単な例で解説します

例えば、参加者のAさんが「あるある得点」80のものを2つ、Bさんが「あるある得点」30のものを1つ見つけたとします

見つけた個数で勝者が決まるとするならば、Aさんが2個見つけているのでAさんの勝ちになりますが、一方で、「あるある得点」が高い=見つかる可能性が高くて簡単、と言えるので、Aさんは2つ見つけたけど、簡単なものだった、Bさんは難しいものを見つけたけど1つだけでした

これでは、なんか不公平感ありますし、どっちが難しいことをしたか中々決めれないですよね

Aさん「自分のほうが多く見つけた!」

Bさん「いや、自分のほうが難しいの見つけた!」

という形で、決着がつかないかもしれません…

そこで、「難しいのを見つけたら得点を上乗せする」というルールを簡単な仕組みで実現したのが、先程の100から「あるある得点」を引いた「発見ポイント」となります

Aさんは、この場合「あるある得点」80のものを2つ見つけたので、

(100-80)✕2 = 20✕2 = 40ポイント

となります

一方で、Bさんは「あるある得点」30のものを1つ見つけたので、

(100-30)✕1 = 70ポイント 

となります

なので、この場合は、Bさんが勝ちとなります

簡単に見つかるものは当然たくさん見つかりますが、その分1個あたりの点数が低くなり、見つけるものが難しいものは中々見つからないので、点数が高くても個数が少なくなるので、合計点としてはどちらも同じくらいになるように収束します

このように、かなりシンプルかつ単純なものではあるのですが、非常に良いバランス設計の例であると言えます

結果についてはネタバレになるので書きませんが、それもあり、非常に接戦の結果になったようです

気になる方はTVerだとまだ見れるようなので見てみてくださいね(期間過ぎたらparavi(見逃し配信)の方で見てください(※宣伝ではありません))

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