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独眼猫ポコ丸黒継のこと(飼い猫紹介・その2)

家には、猫が3匹いる。
多頭飼いとしては、少ない方だと思う。
ベートーヴェンの弟子にして、ピアノ練習曲集で名高い ツェルニーは、猫を多頭飼いしていた音楽家としても知られているが、その数は「だいたい七匹から九匹の間」だったという。生涯独り身だったツェルニーが晩年の頃の話だそうだ。
彼に師事していたテオドール・レシェティツキという人が書いている。

この人が伝える猫好きツェルニーの話も、けっこう面白い話題なのだが、子供時代の私が大嫌いだったピアノ練習曲を、思いきり多作して下さった方の話なので、もうやめておく。

さて本題。
以前一度、飼い猫の3匹を紹介している。

この中で、クロちゃんこと、黒継の名前の由来について、いずれ書きたいと言いながら忘れてしまっていた。
先日、コメントでそのご指摘を頂いて、

単なるダジャレでしたので・・・^^;

とお答えしたのだが、ここではそのダジャレも含めて、あらためて黒継の紹介をさせて頂きたい。

ダジャレと聞いただけで、お分かりの方もいらっしゃるかと思う。
名前の由来は、夏鳥として日本へ渡ってくる、野鳥のクロツグミである。

クロツグミの名前は、マザーグースの6ペンスの唄の中にも出てくる。
「二十四羽のクロツグミ」という訳詞で歌われる。
英語の歌詞ではBlackbirdなので、厳密にはクロウタドリという別種の野鳥である。
「二十四羽のクロウタドリ」と訳さなかった理由は、思うに、まず七五のリズムが狂うことが挙げられる。もう一つはクロウタドリ自体、日本では稀な渡り鳥ということもあって、クロツグミと訳した方が、日本人には親しみやすいからだろう。

野鳥のクロツグミと黒継の共通点は、配色だ。
体の黒と、瞳の回りの黄色というカラーリング。

それだけの理由で、家内が命名した。

画像1

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/thumb/e/e7/Wiki-kurotsugumi-1.jpg/250px-Wiki-kurotsugumi-1.jpg

あれ?

と思われた方もいるだろう。
見出し写真の黒継の眼は、クロツグミのアイリングのような、鮮やかな黄色ではない。
その理由は、一つには私の撮影技術の問題もあるのだが、猫は子猫のときの眼の色が成長と共に変化することもある。
この見出し写真は、黒継が2歳のときのもの。
2歳といえば、もう立派な成猫である。
下手な写真ではわかりにくいのだが、今でも若干の黄色味は残っている。

さて、タイトルに挙げたのは黒継のフルネームである。
(というより名乗りかな? やあやあ我こそは! ってやつ)

独眼猫ポコ丸黒継

戦国武将のようだが、さすがに、戦国武将にポコ丸はないと思う。
ポコ丸は、黒継が急に丸々とした体つきになった時に付けた愛称。

生後6か月頃だったか、体調チェックのために、動物病院へ連れて行った時のこと。
診察台の上に乗せられたクロちゃんを、しげしげと見ていた先生がつぶやいた。

 「あら? この子なにかちょっと、変・・・」

 「あっ、先生。最近三角フラスコみたいというか、そんな感じなんです」

そう答えたが、要するに下半身デブになっていたのだ。

 この子、けっこう食いしん坊なんですよ。
 こちらで貰い受けたとき、食が細いと聞いたんですけど・・・。
 他の子の残した物もきれいに食べてくれるので、助かってるんですよ。

たぶん、動物病院の食事より、うちのごはんの方がクロちゃんの好みに合っていたのだろう。
ということで、食事の与え方の指導を頂いた。

体の一部だけ大きくなってから全体に行き渡るというのは、人間にもある。
家内の甥は、ある時期までぷっくり太っていたのだが、気が付くと急に背が伸び始めた。
高校生の頃には細身になって、2メートル近くまで成長していた。
クロちゃんも、その例に漏れず、三角フラスコ体形は解消して、全体にぷっくりした今の姿に落ち着いている。

クロちゃんとクロネコヤマト2

写真:ぷっくりクロちゃんとクロネコヤマト

さてもう一つ、クロちゃんの名前のトップを飾る独眼猫であるが、これはもちろん、独眼竜政宗のもじりだ。
でも、このもじりでは、クロちゃんは完全に名前負けしている。
彼の性格は、おとなしくて控えめ。
うちの3匹の中では、一番気が小さい猫だから。

それから、彼には特技がある。(らしい)
それは、オオコウモリの物真似。(らしい)
というか、黒くて手足が長いので、手足を伸ばして寝ていると、オオコウモリにしか見えない。(らしい)

オオコウモリ2

写真:オオコウモリのポーズ(らしい)

この写真は、手足を伸ばしているので、ぷっくり体形には見えない。
だが、オオコウモリの物真似とまで言えるだろうか?
 
 あっ、今日のクロちゃんは、八重山オオコウモリのまねして寝てる!

家内は一人で悦に入っているが、どこがどう八重山なのか。
それも、私には全くわからない。

付記:
家内が言うには、上の写真は左のポーが体の下にあるので、らしく見えないそうだ。
反対側に出ていて、ぶらっと下がっていたら、完璧なオオコウモリの物真似になると聞いたが、ここは、さて・・・というべきか、なるほど・・・というべきか。^^

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