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魔女のほうき

魔女はほうきに乗って空を飛ぶ。
この時期、日常的に見る光景ですね。^^

見出し画像は、なにぬ猫さんの描かれた黒猫魔女さん。
詳細はこちら。

黒猫大好きな私は、この可愛い魔力に逆らえず。^^
こちらで購入しました。


さて、魔女が空を飛び始めたのがいつ頃のことなのか、ちょっと好奇心に駆られて調べてみました。

こちらは、私の音楽作品「ヴァルプルギス幻想」のYouTubeの背景に使ったものですが、これが空飛ぶ魔女の絵では一番古いもののようです。1451年の写本だそうです。

中世期の彩色写本に描かれた二人の魔女
マルタン・ル・フラン『女性の擁護者』の写本(1451年頃)より
曲タイトル:ヴァルプルギス幻想
曲・DTM:古い音楽帳(音楽帳工房)

頭に手ぬぐいをのせて、楽しそうに掃除しているようにも見えますね。^^

この動画、最初は不気味な絵を背景にする予定でしたが、投稿直前にこちらの絵に差し替えました。音楽は「ヴァルプルギスの夜」という魔女の集会を題材にして作ったもので、魔女が飛んでいるような浮遊感があるものですから、こちらの方が合うと思いました。
以下の文章はこれを聴きながら読んで頂ければと思いますが、映像がワープしますので、ご覧になりながら聴いて頂いても楽しめるかもしれません。


こちらは、もう少し新しいもので、魔女伝説をもとに描かれた絵です。

トマス・エラストゥス著 魔女の力についての対話(1579年)より

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その伝説は、「魔女の薬草箱」(西村佑子著、山と渓谷社)にありましたものを一部引用させて頂きます。

女主人が引き出しから軟膏を取り出して身体に塗っているのを下男が覗いていた。女主人はそのあとホウキにまたがり、呪文を唱え、煙突から外へ飛んでいった。


その後、下男が女主人のまねをして軟膏を塗り、ホウキにまたがって呪文を唱えるのですが、呪文を間違えて壁にぶち当たって、こぶだらけになったということです。
どうやら空を飛ぶためには、ホウキと呪文のほかに、軟膏を身体に塗る必要があることがわかりました。


こちらは空を飛んでいませんが、軟膏を塗る若い魔女の絵です。
これも16世紀、つまり1500年代の絵です。

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空を飛ぶためには、全身に軟膏を塗る必要があったのかもしれません。
と申しますのは、魔女の裸体画は他にもいくつか見つかりましたので。

こちらは、その一つ。
ダフィット・テニールスというフランドル派の画家が描いた魔女の絵画です。裸の魔女がホウキに跨っています。

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これは1760年頃の作品で、「On the Way to Walpurgis Night」というタイトルが付けられています。
訳すなら「ヴァルプルギスの夜近し」といったところでしょうか。


魔女を題材に多くの作品を残した画家といいますと、ゴヤが挙げられます。
ゴヤは1800年を挟んだ時代に活躍した画家ですので比較的新しいのですが、空を飛ぶ魔女も描いています。これは絵画ではなくエッチングです。

「夜行する女」1799年

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ゴヤ、カプリチョス60番 修行 1799

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この絵には「一歩、一歩、彼は前進する。もう今ではちょっと飛べるようになれる。」というキャプションがあります。
魔女の飛行術を指導されている男性を、描いているようです。



それにしても、空を飛ぶのに軟膏が必要とは意外でした。
先ほど挙げた「魔女の薬草箱」には、軟膏の処方が載っていました。
細かい数字は省きますが、必要なものはまず次の薬草です。

ドクムギ・ヒヨス・ドクニンジン・ケシ・レタス・スベリヒユ

それに、もう一つ、アヘンも必要。

アヘンは麻薬です。幻覚作用があります。

とすると、幻覚作用で空を飛んでいた(つもりになっていた)だけ?

というのが、空飛ぶ魔女の真実かもしれません。



実は、先ほど紹介した拙作「ヴァルプルギス幻想」は、麻薬の作用で生み出した作品なんです。
あっ、いや、誤解しないでください。
麻薬と言っても、脳内麻薬、つまり私が脳内で自家合成したエンドルフィンですから。^^

お後がよろしいようで・・・


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