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ワッハッハ・カノン(古い音楽帳のメモから その一)

私は中学生のころに作曲を独学で勉強しまして、それ以来作曲は全て自己流です。その当時の音楽ノートには、教科書の課題演習の他に、思いついた曲の断片のようなメモ書きを鉛筆で書いていました。当時はまだ、曲をまとめ上げる構成力がなかったんですね。ちゃんとした作品に仕上がっているのは、数えるほどしかありません。しかもそのほとんどは、詞の構成に頼ればある程度形ができるような歌の曲です。

ノートは10冊ほどありまして、ほとんどの断片はつまらない落書きレベルなのですが、中には使えそうなものもありまして、10年ほど前から、それらを拾い集めてクラシカルな曲に仕立てることをやっています。私のもう一つのハンネ「古い音楽帳」は、当時の古い音楽ノートから作品のネタを拾っているという意味合いを込めて付けたものです。

どんな曲に仕立てているかと申しますと、当時ベートーヴェンにかなり入れ込んでいましたので、ずばりベートーヴェン風(ちょっと違うのもありますが)の古典的な器楽曲です。

現在、ヴァイオリンソナタ(全3楽章)、シンフォニー(全4楽章)、ピアノ協奏曲(全3楽章)が完成しています。全てDTMなのですが、DTM音源がどんどん進歩していまして、古いものはリアリティの不足感が否めません。昨年あたりから、少しずつ最新のDTM音源に移植することを始めていまして、ようやくそれなりの音質の作品が出来つつあります。

それらは、順次こちらで紹介したいと思いますが、今回はその第一回目として、中2の時に「詞のようなもの」に付けた曲を元に作った四重唱「ワッハッハ・カノン」です。

その「詞のようなもの」と曲のスケッチは、先の記事で紹介しています。

メモ書きにはこうありました。

いいたいことをいったあとは とにかく気分がいいものだ 1971年9月10日

日付を見ますと、中学校二年生の9月に書いたと思われます。
何か言いたいことがあったのでしょうが、全く覚えていません。
その下に3パートの楽譜が書いてありまして、詞のようなものが付けられています。

わたしはおもう
ぞんぶんいった
とにかくきもちは
いいものだ


メモは、対位法の実習用に使っていたノートの余白を使って書き込まれています。左上にあるのがそれです。実習の方はひっくり返しになっていますが、基本的な一対一の対位法の実習です。

いいたいこと全ページ


上の「大昔のメモ書き」の記事は、ワッハッハと笑って頂くネタと思ってアップしたのですが、ありがたいことに曲を聴きたいというリクエストを頂きました。

そこで、急遽DTMに仕立てることにしたのですが、曲としてあまりにも短いうえ、詞のリズムが音楽に合ってないので、そのままでは出すのもどうかと思いまして、譜割を修正すると同時に、テノールのパートを追加しまして、また曲の長さも延長することにしました。

歌は合成音声(ボカロ)です。ただ、バスの声域のパートが歌えるボカロが手持ちにありませんので、ワッハッハのパートだけ、60年ほど使っている自前の音源です。マイク(デジカメの録音機能)に向かってワッハッハと歌う様子は誰にも見せられませんね。うちの猫はあきれ顔で見ていましたが。^^
録音したトラックはノイズが多かったので、Audacityというツールで思い切りノイズリダクションしましたら、音がスカスカになりました。
まるで幽霊が「ワッハッハ」と笑っているような感じ。^^
気持ちが悪いので、一オクターブ上に三波春夫風のボカロを被せました。それで何とか隠せましたので、他のボカロとミックスして動画に仕立てました。

動画の背景に使った絵は、家内が描いた私の姿を円形に4つ並べて作りました。この姿は、道行く人たちをだますために蓑虫に変身したところだそうです。家内が描いた元絵は紙に色鉛筆で描かれていましたが、それをワコムのペンタブレットに挟み込んで、上からペンでなぞってデジタルデータ化して、それをかこう絵という古いお絵描きソフトで加工しました。
できそこないのクリスマスの電飾みたいになりましたが、私に絵心がないせいですね。^^;

まあ季節感があるような、ないような絵ではあります。^^

ワッハッハ・カノンというタイトルは、昨日思い付いたものでして、私が師と仰ぐベートーヴェンの作品からヒントを得たものです。それは、メトロノームを発明したメルツェルのためにベートーヴェンが作曲したとされている「タッタッタ・カノン」(カノン『親愛なるメルツェル』)のもじりなんです。実は、タッタッタ・カノンは、弟子のシントラ―が作った偽作説が有力です。偽作と言えば、私のワッハッハ・カノンの場合も、ある意味偽作と言えるかもしれません。というのは、今回かなり手を加えていますから、14歳を偽装した私による偽作と言えなくもない?^^

ワッハッハ・カノン
原作:中学生時代の音楽帳工房
編曲:還暦を過ぎた音楽帳工房
歌:AIきりたん・緑咲香澄(CeVIO)・AI謡子・ハルオロイドミナミ(CeVIO)& 還暦を過ぎた音楽帳工房(地声)





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