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人間はこんなスピードで変化していけるのかと驚かされ続けている

4月から子どもを育てている。もうすぐ産まれて3ヶ月になる。

毎日同じ人間を見ているわけだが、飽きない。自分でも驚くほど飽きない。

たとえばある日「あれ、今あやしたら笑ってくれたような……偶然かしら?」と思ったとする。次の日同じようにしてみると、やっぱり笑う。「偶然じゃない!笑ってくれた!すごいすごい!」と前日の半信半疑が確信に変わって嬉しくなる。

そのような変化が、短いスパンでどんどん起こっていく。見ていて楽しくないわけがない。アイドルのオタクを長年やっているので、対象をじっと観察して細かい仕草に反応する能力が今存分に発揮されているのかもしれない。

実際に子どもを育てるまでは、子どもの成長するイメージは「0から1」だった。首がすわった。寝返りした。言葉を発した。そのような成長が、階段を一段一段上るように訪れると思っていた。

しかし実際は、日々少しずつ変化している。階段ではなく、なだらかな坂道をゆっくり移動しているイメージ。上るだけでなく、下ったり立ち止まったりもしている。考えてみると至極当たり前なのだが(突然言葉を話せるようになったら驚きである)、いざ目の前でそれが起こるまではどうにもイメージが湧いていなかった。

子どもはまだ首がすわっていない。でも、いつも首がぐわんぐわんして危なっかしいわけではなくて、むずかしい表情をしながら一生懸命自分の頭を支えていることもある。「きっともうすぐできる、がんばれがんばれ」と心の中で応援しながら、「首がすわっていない」と「首がすわった」の中間地点をうろうろしている子どもをそばで見守っている。

子どもは、そのような中間点がなだらかにつながっていくうちに、いつの間にか親も存ぜぬような遠くに行ってしまっているのかもしれない、と既に考えてしまうことがある。そんな時、好きなだけそばにいて見ていることのできる今の時間がのちのち尊く感じられるのだろうな、と思う。

ありがとうございます。