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成瀬は天下を取りにいく
自分を生きる成瀬は周囲からは変わった人間と思われている。彼女には、何か惹きつけるものがある。
物語は、西武大津店閉店から始まる成瀬の行動、生き様である。そんな彼女の生き方を読み進めていくうちにドンドン惹かれていった。
成瀬あかりとはどんな人なのか、話を読み進めていくうちにわかってくる。
走るのが速く、絵を描くのも上手い。マイペース。そんな成瀬は一人でなんでもできてしまうため周囲からどんどん孤立していった。
成瀬の言うことはいつもスケールが大きいことばかりで、例えば「夢は二百歳まで生きる。等」、大きなことを100個言って1つでも叶えば「あの人すごい」になる。だから日頃から口に出してばら撒いておいた方がいいと考えている。
成瀬の中学2年〜高校3年までのことがこの本の内容になる。
西武大津店の閉店前一ヶ月夏の思い出で、西武ユニフォームを着て毎日地方番組にちょこっと映ること。
同じマンションの友達、島崎とお笑いM-1にでること。
高校では、髪の毛が1ヶ月で1センチずつ伸びるのか調べること。
かるた班(部活)に入り、全国大会にでるまでなる。
そこで出会った広島の代表校の西浦と会い、恋愛を感じたり。
地元の祭りで、ゼゼカラ(M-1出場の成瀬と島崎コンビの芸名)をきっかけに司会を務めたり。
島崎との、関わりの中で成瀬の心になかったものを手に入れていく。
彼女に出会うことで変わった人間は多数いる。彼女もまた出会った人によって変わってきている。人は出会い、その繋がりによって自分というものがありながらも、少しずつ変化していくものだと改めて感じた。大きな役割を果たす人は近くにいるのかもしれないし、まだ出会ってもないかもしれない。自分にとっての成瀬に出会ってみたいと感じた。
続き、「成瀬は信じた道をいく」が発売されたようだ。ぜひ続きが読んでみたいと思う一冊となった。
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