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コンビニのネットサービスが良すぎた話

官公庁や企業の消費者向けサービスは不評の声が大きい。その要因として、複雑なシステムや鈍足な応答、サービス内のページ遷移が無駄に多いことが
ユーザのストレスに繋がっていることが考えられる。

コンビニのネットプリントを利用した折、この問題の簡単な解決のアイデアを得たので共有したいと思う。

ネットプリントというのは、ファイルをクラウドに上げて、ネットワークに繋がっている全てのプリンターで印刷できる、というサービスだ。利用者はウェブサイトからファイルを選択して登録を行い、サイト側からは英数字のコードが発行される。コードをコンビニ店内のプリンターに打ち込み、印刷するという流れだ。

ネットプリントサービスの素晴らしい点をまとめておく。

  • ウェブサイトという媒体

  • クラウドの利用

  • コードを介した認証

  • 余計な機能の排除

ざっくり説明すると、ユーザの必要認識量や行動回数を下げることによって負荷を軽減する設計になっている。ユーザが払うコストを極力減らす設計、と言える。

シンプルな機能と画面


ウェブサイトは、アプリ特有なインストールの手間や、応答速度の遅さを解決する。クラウドの利用とコードを介した認証は、アカウントが不要なことによるプロセスの簡易化によって、ユーザの認識コストや時間を節約する。
余計な機能の排除は、ユーザの判断回数を減らしたことで分かりやすい画面を実現した。

個人的に、コードによる認証は銀行や郵便局や病院で体験したような整理券に近い感覚で利用できて気に入っている。これは、オールドなやり方の実装なので、ユーザにとって既知の方法のサービスへの適用ということで、範囲と速度を拡張することで効率化をすることが本義のIT化においては、模範的な事例なのではないかと思う。

私が得たアイデアは

  • 画面の情報量を減らす

  • 機能を減らす、優先順位をつけて重要な機能のアクセス性を高める

  • オールドな方法の再現を追求する、新しいやり方を頼まないといけない場合は補助やガイドをモリモリにする

だ。これを押さえれば、消費者向けサービスとしては上出来だろう。元々、それ自体が利益を生むことはないサービスだ。満足させるより、不快にさせないことの方が遥かに重要になる。だからシンプルイズベスト。

AdobeやAWSなど、企業向けの、勉強して使うようなソフトウェアとは思想から異なるのだ。


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