すべての生徒が満足する授業をするのは無理だと教員11年目にして気づいちゃった話
こんにちは、ライスです。
高校教員でありながらブログ運営をしています。それに関連して、最近ではWebマーケティングを勉強しています。
先日以下のツイートをしました。
「教師なんだから全生徒が満足するような授業やれよ!プロだろ!?」と思っている方。
それ、医者に「全ての病気を治せ!」とか料理人に「全ての人のほっぺたが落ちる料理作れ!」と言ってること同じやで。
全員が満足するってのは結構大変だよ?一生懸命頑張るけどさ。
反響が大きかったので、マーケティングの考え方を交えながら深掘りしたいと思います。
1. すべての生徒が満足するような授業をするのは無理だと思った
教室にいる全員が満足するような授業はできない。僕はそう思っています。
なぜなら、育ってきた環境も性格も異なる人たちがごちゃ混ぜになっていて、その人たちが授業に求める価値はそれぞれ違うから。
具体的に言うと、
・学力
・勉強に向かう姿勢
この辺が一人一人異なるんですよね。まぁ当たり前なんですが。
みんな欲しいものが違うのに、同じものを提供して全員を満足させることはできない。というのが私の意見です。
2. 生徒一人一人に学力差があり、授業に求めているものがそれぞれ異なる
授業をやっていて思うのは、これです。
同じクラスの中で、「学力差と勉強に対する姿勢が異なる」って、ごく当たり前ですよね。
一つの教室にいる生徒を次のようにグループ分けをしてみます。
Aグループ:勉強に前向きかつ勉強が得意
Bグループ:勉強に前向きだけど勉強は苦手
Cグループ:勉強に後ろ向きだけど勉強は得意
Dグループ:勉強に後ろ向きで勉強は苦手
仮にAグループとBグループが同じ数学の授業を受けているとします。
Aグループは「大学進学したい!授業もしっかり聞いて、問題演習もバリバリ解きたい!」と言っています。
一方、Bグループは「勉強はした方がいいと思っているけど、数学はどうしても苦手で基礎も分からないな…」と言っている。
自分が担当するクラスの生徒を想像して考えてみるとイメージがしやすいと思います。
ここで質問。あなたは誰に向けて授業をします?
Aグループをしっかり伸ばそうとハイレベルな問題演習を中心に授業を展開するとBグループはついていけない。
Bグループ向けに基礎から丁寧に教えていく授業を展開するとAグループは退屈。
どうですか?
片方のグループを満足させようとすると、もう片方には不満が溜まる。中間を取ると、誰も満足しない授業になってしまうかもしれません。
3. マーケティング視点から考える【絞らなければ誰にも売れない】
最近「ドリルを売るには穴を売れ」というマーケティングの入門書を読みました。
この本ではマーケティングの基礎として、こんなことが書かれていました。
求めるベネフィットや価値は顧客によって異なるので、「セグメンテーション」で顧客を分けてそれぞれの価値を実現する。
3-1. ベネフィット=顧客にとっての価値
「ベネフィット=顧客にとっての価値」です。
あなたは今、腕時計をしていますか?
しているとしたら、なぜ他の時計ではなくその時計を買ったのか、理由を考えてみてください。
さて、どんな答えを考えましたか?
・安かったから
・文字盤が大きく見やすいから
・あこがれのブランドを身につけたかったから
いかがでしょう?「人によって求めるベネフィットは異なる」ということが分かったと思います。
3-2. セグメンテーションとターゲット
次に「セグメンテーション」と「ターゲット」の話。
マーケティングでは、顧客を分けることを「セグメンテーション」、分けられた顧客グループ「セグメント」と呼びます。
そして商品をどのセグメントを狙って売るか決め、この人たちに売ろうという狙いをつけた顧客を「ターゲット」と呼びます。
顧客によって求める価値は違うため、セグメントに分けること、そしてどのセグメントをターゲットに絞ると最大限の価値を提供できるのかを考えることが大事とされています。
3-3. 授業ではターゲットを絞ることは「誰かを置き去りにすること」
それでは、授業という場面で考えてみましょう。
生徒が授業に求めるものによってセグメントに分けたとして、ターゲットを絞って授業を行うことができるでしょうか。
「ターゲットを絞る=誰かを置き去りにする」になってしまうのではないでしょうか。
つまり、「生徒一人一人が授業に求めている価値が異なる場合、全員を満足させる授業を行うことは極めて難しいのではないか」と思うんですね。
誰も置き去りにならないように万人受けするような授業を行ったところで、誰に対しても中途半端な価値しか提供することができずに、結局のところ、「いい授業」とは言えないのではないかと。
4. まとめ
「すべての生徒が満足するような授業をするのは無理」というお話でした。
あくまでも個人の意見です。
無理だとは思うけど、全員に等しく与えられた「50分」という時間。全員が納得する「いい授業」「有意義な時間」にしたい。
未来ある若者の時間をムダしてはいけない。なんとかしたい。そう強く思っています。
考えたのち、僕は一つの考えに至り、生徒にこう言い放ちました。
「内職してOK。」
「うわ、コイツ急にぶっ飛んだこと言い始めた」と思った方、すみません。
教師であれば授業中に生徒が関係ないこと(内職)をしてるのは厳しく指導するところ。過去の僕もしっかり指導していました。
しかし、考え抜いた末、どうしても必要だと思っちゃったんですよね。内職。
理由は以下のツイートの通りです。(よかったらスレッド全部読んでください。)
うわべだけで「ライス先生は内職を認めてるらしい!」と、他の先生に誤解されてしまったら、管理職に呼ばれ、お叱りを受けるのも簡単に予想できました。
しかし僕は言い放ちました。「内職してOK。」と。
教師としてそれが正しかったかどうかはわかりませんが、強い信念のもと言ったので、後悔はしていません!
内職の話は長くなるので、次回のnoteでお話ししますね。
ということで、本日はここまで。ありがとうございました!ライスでした。
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