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通信制高校合同相談会に行ってきました

長男が中3で、次の春には中学を卒業します。
中学卒業後、私の子ども時代は迷うことなく高校受験して高校入学していましたが、現在不登校という選択をした長男にとっては「一般的にこうする」という概念がもうないので、進路をどうしていいのか0から考えることになっています。

長男と少し話したところ、高校から週5で登校するのは難しそうだという事で、単位制の通信制高校を選択肢にいれるべく、その情報収集のため町田市で開催されていた通信制高校合同相談会に行ってきました。
行ってみたらとても収穫の多い会でしたので、興味のある方に少しでも中の様子がお伝えできればと思い、記録を書きたいと思います。

通信制高校合同相談会

「学びリンク」という「一人ひとりに合った学びの場を提案する出版社」が主催。
出版社主催なので、受付の横にその出版社が出している本の販売もありました。
興味深いタイトルの本がたくさん並んでいましたが、全ては買えないので、私は気になった2冊だけ購入しました。

これは不登校の親子や支援をしている人たちが知りたい内容がたくさん載っていたので、
これからゆっくり読んでみようと思います。

来場特典

事前に予約していくと、「中学から通信制高校への進学」「進路相談室2023」が特典としてもらえます。
「中学から通信制高校への進学」は保護者向け、「進路相談2023」は子供向けの内容になっています。
この2冊の冊子を読むだけで通信制高校についての基本知識や色々な選択肢が分かるので、これをもらうだけでもう行った甲斐があります。

これが受付でもらえました
この中には通信制高校の仕組みやお金のことなど、
通信制に進学する人に役立つ内容がたくさん載っています
これはAmazonで1700円(定価)で売っている雑誌です。来場特典で今回は無料?!
内容は子供向けで漫画や写真が多用されていて読みやすいです。

講演

会場は2つのフロアを利用していて、広いホールでは個別相談、階下のフロアでは大きい部屋で「通信制高校のしくみ講演」、小さい部屋で「留学」「起立性調節障害」などテーマ別の講演をしていました。
10時から15時まで何かしらの講演が各部屋で行われており、事前に整理券を配布していました。

「通信制高校のしくみ」講演では、
1 通信制高校はどうやったら高校卒業になるのか
2 単位の取り方
3 通学スタイルについて
4 サポート校の仕組み
5 学費について
と、通信制高校についての概要が分かりました。

そして、その後引き続き通信制高校卒業生の体験談を聴くことが出来ました。
私が聴いた回は、全日制高校に入学したけれど学校が合わず退学して通信制高校に入り直し、現在は有名大学薬学部1年生という女性でした。
不登校になってしまったというダメージは無く、合わないので自分に合う学び方に変えた、と終始とても前向きなお話でした。
彼女は大学に入りたい!という夢があり、通信制高校を選ぶときには入りたい大学に入れる実績のある学校を探したのだそうです。
通信制高校に行く人は色々な理由があって、目的をもって選択すれば、とても有意義な学生生活が送れるんだなあ、と分かりました。

中高生の本音掲示板

講演会場を出たところに「中高生の本音聞いてみました。」という掲示板を発見。
・自分自身の悩み
・げーむのおかげ☆
・家族にされて嫌だったこと
などを#を付けて手書きで書いてありました。
そこには長男やこれまでフリースクールで関わってきた不登校の子どもたちからよく聴いていた内容が書いてありました。

すべて手書き。読むと色々考えさせられます。

・義務教育は廃止にすべき
・焦りで余計に動けなくなる
・親のいう事が分かっているから自分がいやになる
・昼夜逆転
・「学校休もっか」と言われた時すくわれました
・学校に行くことが最優先ですか?
・なぜ不登校なのか考えて
・ゲームをしているときは嫌なことを忘れられる
・まわりのふつうは自分のふつうじゃない
※写真より一部抜粋

読んでいると、中高生たちは自分自身の状況をよく考えて言葉にしているなあと思いました。
これは子どもの気持ちを知りたいと思っている人だけでなく、すべての子どもに関わる人に読んでもらいたいです。
特に学校の先生。
学校に戻すだけが正解ではない時代になってきています。

学校パンフレット

通路の両脇に長机が置かれ、その上にぎっしり通信制高校のパンフレットが置かれていました。
ほとんどが各学校1種類でしたが、中には「中学生用」「高校生用」と新入学と編入学とを分けて資料を置いてある学校もありました。
その中から気になる学校の物だけとって帰ればよいのですが、うちは長男を連れていけなかったので、本人にもいろいろあることを見せたくて全種類持って帰ってきました。
それがこの量・・・資料が重すぎて肩がもげるかと思いました・・・

持ち帰ったパンフレットたち。軽く10㎝は超える厚みです・・・

各種相談コーナー

パンフレット置き場の奥に各種相談コーナーがありました。
気になることを直接専門家に聞くことができます。

・通信制コンシェルジュ

その日会場に来ている通信制高校の中で自分の希望に合うところをコンシェルジュさんに教えてもらえます。
並んでいるときに必要事項を書いて待ち、順番になった時に希望条件を話します。
そうするとコンシェルジュさんが用紙に書き込みを始め、この学校はどうでしょう?といくつかに絞ってもらえました。

我が家の場合は、長男が①週2,3日登校②体を動かすのが好き③少人数
この3つの希望条件をだしたら、3つの学校を教えてもらいました。
会場全てのブースを回るのは無理なので、こうやっていくつかに絞る相談ができるのはとてもありがたいです。

こんな感じで条件に合うところをメモして渡してくれます。

・お金に関する相談

これは不登校になってからずっと私が言い続けている問題だったので、一番にこの相談に行きました。
高校に行くときにどのくらいの公的な補助があるのか知りたかったのです。
受付でもらった「中学から通信制高校への進学」の中にお金のページがあり、そこにも詳しく載っていました。
それをより分かりやすく、今の現状を踏まえて教えていただけました。

・高校の補助金は世帯の収入に応じて決まること。
・自治体によってはさらに上乗せの助成が出る場合もある。
 ※これは各自治体が認めた学校にしか出ないため、全ての学校が対象に
  なるわけではない(HPで要確認)
・基本の授業料の補助しか出ないので、それ以外にいくら別途料金がかかるのか確認しておいた方が良い
 ※スクーリングに行く場所が遠いとその分の負担が大きい
・都立に行っても塾代がかかる場合が多いので、通信制で学習に手厚い学校の方が全部合わせた時に安くつくこともある

大まかにいうと、私はこのような内容のこと話になりました。
対応してくださったFF(ファイナンシャルプランナー)さんはお金のこともそうですが、不登校ならではの収入と支出の悩みまで丁寧に聴いてアドバイスしてくださいました。
自分の悩んでいたお金のことを聞いてもらえて、そこに具体的な方法を教えてもらえ、実際の体験談までお話してもらえ、もうこれだけで不安がほとんど取り除かれました。

・大学進学相談

大学進学を目標にしている人向けのそうだんもありました。
うちはここは今のところ目指していないので行っていません。
なので、どういう内容の話ができるのかがお伝え出来ませんが、もし大学進学が目標で通信制高校をを考えていらっしゃるご家庭にとっては必要な場なのだと思います。

個別相談会

広いホールに各学校のブースがあり、その前に椅子が6脚ずつ並んでいました。
まるで昔体験した就職合同説明会の用でした。
人気のある学校は会場の外まで順番待ちの行列ができていました。

会場図。
右に来場している学校の一覧が載っていて、詳しく話を聞きたい学校を探して行きます。

私はコンシェルジュさんに教えていただいた3つの学校を回りましたが、どこも丁寧に対応してくださるので、一人当たりの時間が長く、順番が回ってくるまで30分くらい待ちました。
でも順番になると学校のことを詳しく説明してくれ、息子の様子を話したり、どうしてこの学校を選んだのか希望条件の話をしてそこをさらに詳しく教えていただけました。

私の回った学校(3校)での具体的な相談内容は・・・
①「週2、3日登校」について
 回った学校全てにそのコースがありました。
通信制は単位制の学校なので、まず週5日学校に行く必要なく、ちゃんと授業を受けてレポートを提出すれば週2,3日3年間で卒業できるのだそう。
レポートも分からなければ担任の先生が相談に乗ってくれるし、単位のための学習以外の時間で小学校からの学び直しができるカリキュラムの学校もありました。
②「体を動かせる場」について
 近くに広い場所がある学校、グランドを持っている学校などもあり、体を動かしたい子は動かせる環境を整えている学校もありました。
 どの学校も体育の実地授業があり、思春期の身体に必要な運動を取り入れているようでした。
 通信制で部活がある学校を回りましたが、週5日コースだけ普通科(全日制高校)と同じ部活に入る学校や週何日でも来られる日に参加するのんびりした部活だけれど全国大会に出場できるくらいの実力がある学校など、その学校によって部活の取り組みも違っていました。
③「少人数指導」について
 基本的に通信制のクラスは少人数でしたが、クラスの人数が25人以下とはっきりきまっている学校もありました

個別相談で概要は分かります。でも、どこの先生方も「一度見に来てください」と見学会の日程を教えてくださいました。
長男も雰囲気で入れる場と入れない場があるので、それを確かめるためにも、また一度見学に行きたいと思います。

感想

「不登校でも今は通信制高校とかあって、色々な進路があるよ」
不登校の進路を考えた時にいつも言われてきた言葉です。
言う方は簡単だと思いますが、まず自分の行ったことが無い通信制高校についての知識がなく、不安な上、年々新しい学校が増えていて選ぶのに一苦労。
そしてかかる金額は学校によってピンキリ。
必要な情報を集めるのは体力も気力もだいぶかかります。
それを1日で全て終わらせることのできる「通信制高校合同相談会」はとてもありがたい場でした。
通信制高校を選択肢に入れる場合は是非行かれることをお勧めします。

そして、通信制高校は不登校の子どもの進路として扱われることが多いですが、働きながら高校の学びをしたい子、既存の学校の学びとは違うやり方で学びたい子など、不登校を経験せず通信制を選ぶ子どももいるという事を知りました。
確かに週3程度の授業で残りの2日は好きなことに使え、高校卒業資格が取れるのは、やりたいことがある子にとってみれば願ってもない学び方です。
学校での交友関係が全てではなく、もっと先をみて自分のやりたいことをやるには通信制高校はいいのかもしれません。

よく見る高校生活を体験したい子や大学や就職で週5通う事を練習しておきたい子は週5コースを選んで通っているのだそうです。
なので、通信制だけど週5コースを用意していると通信制高校の先生が話されていました。

週5登校・週1~3登校・オンライン(+スクーリング数日)・留学・全寮制・働きながら夜学習など自分の学習スタイルを選択できるのが通信制高校の大きなメリットだと思います。
学びのスタイルがどんどん変わってきている事、子どもたちが学校に求めているものが多種多様なこと、どうして通信制を選ぶ家庭が増えているのかということが分かった1日でした。

私が今回行った「学びリンク」の合同相談会は全国で随時開催されています。

町田で次回行われるのは10月21日ですが、毎月どこかの自治体で開催されているので、ご興味ある方はお近くで開催されるときに行って見られると良いと思います。



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