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外食産業におけるゼンショーHDの規模感パネェw【連結子会社が与える決算書のインパクト】
「うわー、これは個人的にナシかなー」
ある日、旦那さんがテレビCMを見て呟きました。一体何がナシかって、これです。
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吉野家の決算書を見たらやはり気になるのは競合店。今回はすき家について調べてみました。(ちなみに私はお好み牛玉丼アリです)
すき家について
すき家は、ゼンショーホールディングス傘下の株式会社すき家が運営する牛丼チェーン店。47都道府県・日本国内店舗数最多の合計1,941店舗(2023年7月現在)を展開している。
駅前や繁華街の省スペースに店を構える従来の牛丼店に比べると、自動車での利用客を想定した、郊外の幹線道路沿いなどに立地する「郊外型店舗」を展開の主軸としている。
またカウンター席だけでなくテーブル席を設けるなど、従来の個人客を中心にしたスタンダードな牛丼店のスタイルに比べ、ファミリーレストランのような家族連れの客を想定した形態になっている。
すき家は「チーズ牛丼」など、牛丼にトッピングを施したアレンジ牛丼を最初に打ち出した牛丼チェーンです。
カレーライスや各種丼もの、デザートなど、多くのメニューを取り揃えている印象が強いですが、現在は他の競合店も幅広くメニュー展開をしているため、そこまでの差は見られなくなってきました。
むしろ丼・カレーに絞れば吉野家のほうが種類が多い・・・!(今回のカウントでは定食やサイドメニューを省きました)
すき家メニュー数 : 牛丼13種類 カレー11種類 その他丼4種類
吉野家メニュー数 : 牛丼7種類 カレー9種類 その他丼15種類
松屋メニュー数 : 牛めし7種類 カレー5種類 その他丼7種類
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いつかバレンタインの季節に「チョコレート牛丼」なるものが登場したらどうしようかとソワソワしています。(余計なお世話)
ゼンショーホールディングス(HD)とは
・・・で、ここで気になる点がひとつ。
すき家が所属する「ゼンショーホールディングス(HD)」って何?!
「ホールディングス」という言葉は、みなさんもメディアで1度は見聞きしたことがあると思います。ホールディングスは、他の株式会社を支配する目的で、その会社の株式を保有する会社(=持株会社)のことを指します。
持株会社のメリット
◾️ある特定の部門の利益にとらわれない、戦略的なビジネスが構築できる。
◾️新規事業の立ち上げがしやすい。
◾️経営統合で合意済みの他企業に対する買収、グループ化 (M&A)がしやすい。
◾️傘下の各社への権限の委譲がしやすい。
◾️柔軟な人事制度の導入がしやすい。
持株会社のデメリット
◾️子会社から見た場合、親会社(持株会社)への「お伺い」が増えてしまう。
◾️各子会社(事業会社)間の横の連携がしにくい。
◾️労働条件の交渉について、使用者側の窓口が不明となる。
◾️持株会社およびその子会社に赤字企業がある場合、グループ全体に信用不安が連鎖し、個別企業と見た実力よりも資本市場において株価を通じて過小評価されることがある。
ゼンショーHD 主な連結子会社
株式会社 すき家
株式会社 なか卯
株式会社 ココスジャパン
株式会社 ビッグボーイジャパン
株式会社 華屋与兵衛
株式会社 ジョリーパスタ
株式会社 はま寿司
株式会社 ロッテリア 等
ゼンショーHDは、他にもたくさんの事業展開をしています。保育園や介護事業もしているんだね…!
ゼンショーHDの決算書
では、決算書を見ていきましょう。
企業分析初心者なので、今回も売上高と営業利益率に注目してみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1707633171245-GvZygIeWKH.png?width=1200)
そして、10年間分の売上高と営業利益率を抽出・グラフ化し、吉野家HDのPLと並べて比較してみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1707633321751-aYBtO2T4Ox.png?width=1200)
ゼンショーHDと吉野家HDでは、売上高の金額に大きな差がありますね。
また、以下の類似企業比較一覧を見ると、ゼンショーHDは日本マクドナルドHDさえも抜いてダントツ一位となっていることがわかります。
ゼンショーHD、規模感パネェ・・・!
![](https://assets.st-note.com/img/1707633445078-9oCFHdrkMv.png?width=1200)
補足:類似企業比較に掲載されている「企業価値」について
企業価値とは、会社全体の価値を示す指標の1つで、会社全体の経済的価値のことです。将来的に生み出す収益を現時点の価値に換算し、会社としての価値を金額として表します。
企業価値は、会社経営を行うときにさまざまな場面で必要です。例えば、M&Aや投資など会社にとって大きな選択をするときは、正しい企業価値を把握しなければ適切な判断がくだせません。
しかし、企業価値の算出には複数の計算方法があるので、どの方法を用いるかによって計算結果は大きく変わります。
連結子会社による影響
売上高の差には様々な要因が絡んでいますが、その中の一つに連結子会社数も含まれています。
というわけで、連結子会社について今回もAIさんに説明してもらいました。
連結子会社とは、企業の所有関係にある会社のうち、親会社が株式の50%以上を保有している会社のことを指します。親会社は連結財務諸表を作成する際に、子会社の財務情報を統合し、グループ全体の財務状況を把握する必要があります。
連結子会社の存在は、企業の経営と財務に重要な影響を与えます。連結財務諸表を作成することにより、親会社は子会社の財務状況や業績を把握し、グループ全体の健全性を確保することができます。また、連結財務諸表は、投資家や金融機関など外部の利害関係者に対して、グループ全体の財務情報を提供する重要なツールとなります。
以上の内容を踏まえて、改めてゼンショーHDと吉野家HDの連結子会社数を比較してみました。
ゼンショーHD:121社
吉野家HD:36社
連結子会社数が多いほど、決算書にインパクトを与えることがわかります。
連結決算をする際にグループ会社間での売上高は相殺されますが、それでもやはりゼンショーHDが外食事業の中で群を抜いて企業価値が高いのは、M&Aを重ねて売上高を伸ばしている事実があるからだと考えます。
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M&Aについて更に深掘りして学びたい方、こちらの記事でP&Gの事例をもとにわかりやすく説明してありますのでぜひー!
まとめ
普段何気なく生活をしていると、「ゼンショーHD」という企業名に対してあまり馴染みがありませんが、有名な外食チェーンのあんなお店やこんなお店も、実は同じグループ企業だったことがわかりました。
ゼンショーHDをファミレスやファーストフードの視点で見るのも楽しいかもしれませんね。
そして、ゼンショーHDは持ち前の資金力で、国内に留まらず海外へのM&Aも積極的に行い、今後は更に事業を拡大していく未来を想像しました。
最後にこんな記事を見つけたので共有します。
私の中では、昔から「牛丼=吉野家」のイメージが強かったのですが、牛丼セグメントのみに焦点を絞って比較しても、すき家は圧倒的な店舗数と売上高を持っていたのですね…!
ゼンショーHDの企業分析を通じて、イメージ先行で物事を捉えていることで生じるギャップの大きさを痛感しました。
ちゃんと一次情報(決算書)を見て判断することって大事だね。
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