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おかん

梅雨が明けて、空もサッパリ、わたしもサッパリしに外に出掛けて行きたかったのに不本意なことで家に居なくちゃいけなくなった。なのでプンスカしながら先日貸してもらった本を読んだ。
リリーフランキーの「東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン〜」
何故か自分の中でお笑いタレントの又吉の本と変換されていて、出だしの文章から引き込まれながら「又吉、お笑い芸人なのに凄いな〜」って。
途中で、ようやくリリーフランキーだったと気づいたのだけど、子供の気持ちが良く分かる人だなって。辛い時に流す子供の涙って必ずしも悲しいとか寂しいとかではなくて、悔しくて泣くこともあるなって共感。

先日「リリーさんのおかんの箸の持ち方についての考え方が、みちこさんと全くもって同じ」と友達に言われて、読みたくなって貸してもらったのだけど、本当におかんの子育てがザックリしていて自分と似通っている部分が多くて面白かった。自分が恥をかくのはいいけれど、他人に恥をかかせたらいけない、結局自分のための世間体は要らないってことなのかな。

「オトンの人生は大きく見えるけれど、オカンの人生は小さく見えてしまう。それは、ボクに自分の人生を切り分けてくれたから」ってリリーさんは書いている。口やお金では伝わらないこと、時間と手足でしか伝えられない大切なことをオカンは教えてくれたって。オカンは息子のために自分の生涯を捧げた人生で、それはそれで幸せだったなって思う。母親って、ただただ子供が元気に生きていってくれたらいいのも同じ。立派にならなくたっていいんだよね。

数年前、大病をして手術室に運ばれるわたしを見送りながら息子が泣いた。「あー、泣かしちゃった」って思った。ただ病気になったこともちゃんと意味があった。
今「お母さんの好きなように生きたらいいよ」って言ってくれる。息子が中学生の時に「いつも笑わせてくれてありがとう」と書いた手紙をもらったのだけど、これからも笑わせていきたいなって。

しかし、いい本だったな、泣いたけど。

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