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セキセイインコのピコちゃんは、コーンスープの匂いがした。
撫でるだけでは飽き足らなくて、よく口の中に入れた。
食べちゃいたいほど可愛いってこういうことね!

東京の祖母は、明治生まれで、厳しくていつも漢方の匂いがした。
祖母のお気に入りは近所にあった、とげぬき地蔵。おばあちゃんの原宿。
4のつく日は縁日。

ピコと一緒にミコちゃんも付き合う。
祖母はいつも着物だったから、襟元にピコを入れて欲しいとお願いしてみても聞いてくれなかった。意地悪。

「倫子」という名前は祖母が付けたので、よく書かされた。
「誰に書いてもらった?」上手に書くと信じてもらえない。意地悪。

そんな意地悪な祖母も
滝廉太郎の「花」を歌ってあげると喜んだ。

ある日ピコの体を石鹸で洗ってあげたら、翌日死んだ。
悲しくて悲しくて、会いたくて、埋めた亡骸を掘り起こしてみたりしたけど、段々崩れていく衝撃。諦めた。

祖母も何年かして亡くなった。
身近な人間が亡くなるのって初めて。
鼻にガーゼが入っていた。理由が知りたかったけど聞いたら怒られる雰囲気。

最後は病院のエレベーターだったかな。
優しい笑顔で見送ってくれた。

いつも目がショボショボして涙が出ると怒ってた。
ミコちゃんもよく出る。

春の柔らかい光と隅田川



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