#58「ふれあい」
他人と触れあう、ということがいまだに得意でない。
難しいところなのだが、かといってこれが嫌いというわけではない。もちろん見ず知らずの他人にいきなりベタベタと絡まれるのが不快極まりないのは当然だけど、気心の知れた間柄であれば多少しつこくされてもまあまあまあ、とは思う。
とりわけ今はこういうご時世なので、余計に不必要な物理的接触を廃されている。
そもそも他人と(物理・精神ともに)距離を縮めるペースはそれほど速くない方なので、自分個人としてはやりやすい世の中になってきていると思う一方、妙な寂しさを感じることも、ごくまれにだがある。
それがなんとも不思議に感じる。
***
中学生の時、とある塾に通っていたのだが、いつも校舎にいる熱血漢だらけの正規講師陣に加えて、イレギュラー的に(おそらく大学生であろう)若い先生が教鞭をとることがあった。
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特に有益な情報はありませんが、読んだ方にとって普段目も向けないような他愛のないもの・ことに改めて触れるきっかけ、あるいは暇潰しになったら幸いだなと思っています。
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