【感想】生きるのは最高か?【 #bethere仙台 】
こんばんは。
好きな曲なんて膨大すぎて聞かれるたびに変わるんですけど、今日現在は『イノセント』です。
去る4月9日(日)、be there @ セキスイハイムスーパーアリーナに母と二人で行ってきました。
うちの母、今や僕よりも全然熱心なBUMPファンでして、前日4月8日にもリセールチケットで急遽飛んでっていたり、以前には相当な倍率であるはずの仙台GIGSに参戦したこともあるなどの猛者(?)。僕自身のこれまでの参戦(2016:BFLY@日産、2019:aurora ark@東京ドーム)もそんな母と共に、というかおかげでの参戦でした。
なおかつ、今回のツアーは僕自身全くのノーマークだったのですが「あ、チケット取れたから」「!?」という感じでうっかり貰えた機会だったので、能動的な参戦ではなく(なんならここ数年はK-POP等々にうつつを抜かしていたので)、正直言っちゃうと「わ〜ラッキ〜」くらいのかなりフラットな心持ちでした。
が、結論から言っちまいますと、なんやかんやで今回もまた結構深めに救われちゃいました。
さすが「ライブは1対たくさんではなく1対1×たくさんなのだ」と掲げ続ける男・藤原基央。無事こんな僕でも置いていかれることなく一日を楽しめました。
以下、セトリ+感想です。
アカシア
行きしな母から『アカシア』と『ダンデライオン』だけセトリバレを食らっちまったのですが、久々に行く身としてはむしろ幸いし、「アカシアなんですよね〜」と心の呼吸を整えて臨むことができました。
最後に行ったaurora arkがもう3年前。今のライブはもう一曲目から島に来てくれてしまうんですね〜。母の猛者っぷり炸裂のおかげで今回の席が島のほんと波打ち際ぐらい、上手の角っこだったのでだいぶ強刺激でした。ダンデライオン
そのまま3曲目までは島でした。近くで見るとほんと藤くんほっそ。あとヒロは永遠に中学生みたいだな。
9日のセトリを探す過程で必然的に8日のセトリも見たんですけど、8日のこの枠『グングニル』だったんだってな…??他にも『66号線』やら『サザンクロス』やら『ファイター』やら好みの歌がたくさんあって、片方しか観れないのはちょっと辛すぎるセトリでした(両方観れた母……)。天体観測
かつてはオーラスを飾るアンセムだったのが、今や序盤をしっかり固める定番曲としての役割も担っていて心強い。
島、その近さゆえ、特に竿ものが静かな時のクローズハットだったりは音響とのズレが聞こえやすく、ちょっとだけ違和感ありました(贅沢な文句ですね)。なないろ
K-POPにうつつを抜かしてたと言いましたが、不義理なもので『aurora arc』以降の曲はほぼほぼ馴染みが薄いまま来てしまい、「ああ〜これ多分聴いたことある!いい歌だよね!でタイトル何だっけ」みたいなのがほとんどでした。ここ数年の曲たちでハマりだして今回チケット取れなかったとかって人からしたら僕みたいなのは非常に迷惑な古参客でしょうな……ごめん。ただ、そんな身でも聴いてちゃんと心震えるのが間違いなくBUMPのすごいところ。この曲はそんな中でも特に印象的で記憶ありめの曲でした。透明飛行船
迷惑な古参客的に今回一番嬉しかった選曲かも。後述しますが全体的に過去曲は『COSMONAUT』曲が多くて、世代としてはとっても嬉しかった。高校2年生のとある夜の冬道を思い出して、リアルタイムであの頃の曲たちに助けてもらっていた当時の自分と少しの間再会できました。
サウンドの多様化を遂げた今のBUMPがこのバンドサウンドバッチバチの演奏をフルパワーでやってくれるのが本当にエキサイティングでした。クロノスタシス
新しめの曲、馴染みがないとはいえリリースされれば必ず一度は配信で聴いてるはずなんですよね。だからほんのり耳に覚えがあって、それを頼りに聞いていた感じでした。新鮮に聞けるのはそれはそれで良さかも。
あと照明がめちゃくちゃ綺麗でした。Small world
こちらも新曲の中ではとりわけ印象的で好きな方の曲です。BUMPって自分たちでも認めちゃってるほど歌詞の内容がみんな同じなのに、一曲一曲全く異なる響きや匂いでもって心に入ってくるのがすごいよなとここにきて改めて。魔法の料理〜君から君へ〜
大人の自分と子供の自分が邂逅する歌じゃないですか。僕自身これ初めて聞いた時からざっくり10年くらい経ってるはずで、リアルにそういうタイミングにいつの間にかなってて、「ああ、"大人になった君"ってのはもしかしたらすでに今の自分のことでもあるのかも」とか思ってしまったり。プレゼント
「あ!それやるの!!ほんと???ありがとね???」って感じでした(雑)。個人的感覚では結構まさかの曲だったしめちゃくちゃ聴いた歌だったので、島に再来したことも相まってとても嬉しかったです。新世界
始まった瞬間、待ち侘びたようなお客さんたちのクラップ。本当に近年の曲たちの中でもとりわけキャッチーでアイコニックな歌だなと再度実感しました。藤くんそんな平泉成とか秋川雅史みたいな声出んのね。SOUVENIR
ハイウェイの映像ほんと似合うよね〜。
昔ながらの気持ち良いJロックってやっぱりサビでハット開いてとかバッキングもジャカジャカみたいな開放感のある展開がミソだったと思うんですけど、「そっか、ロックバンドでもこういうボルテージの持っていき方って出来るんだな」って最初聞いた時かなり驚かされたし、BUMP的にも新しいアプローチだったんじゃないかなと。Gravity
新しめの曲たちの中でも個人的に一番聴き馴染んでなかったやつ。でも逆にこんなに馴染んでないってことは多分この曲が『Gravity』だろうな、と思って聴いていました。当たり前すぎて頭叩かれそうだけどいい歌でした。あとでゆっくり聴こう。窓の中から
『Gravity』ですらそんな体たらくなんで、この曲なんか全くの予備知識ゼロ状態でしたが、シンガロングとか全体的な雰囲気も含めてBUMPらしさフル動員な曲だなと思いました。これも照明が印象的でした。月虹
暖かみとか多幸感の続いた後にこのクールな選球が刺さる〜。緊迫感のあるアンサンブルと、メロディがメジャー・マイナーを行ったり来たりする感じが好きです。HAPPY
「自分のバースデーの前にハッピーをつけられるか?」って話を今回藤くんはしきりにしていました。僕はどっちかというとあんまりつけられないというか積極的につけようとはしない方だったんですが、つけることが周りにいる自分を好いてくれている人への敬意にもつながるんだと最近思えたばかりだったので、余計に沁みました。
あと僕が高3の時、生まれて初めてライブハウスの舞台上に立って、生まれて初めて演奏したいくつかの曲のうちのひとつがこれで(その一個後のライブかも。あやしい)、これも生で聞けて嬉しかった歌でした。頭の中で歌っていたのはベースラインでした。ray
もうひとつ藤くんがしていたのが「『生きるのは最高だ』って四六時中言えるわけじゃないと思う」という話でした。「そんなんばっかならどんなにいいだろうか、でも俺もあなたもそうじゃないよね、ただ今日くらい胸張ってそう言えてもいいんじゃないか、そしてその今日の思い出や歌が明日からパートナーになってくれるからね」という話。
基礎値として「生きるのは最高」なはずではあるんですけど、日常生活には阻むものや淀むものが多すぎてそのことを忘れてしまったり、または本当に最高からは程遠いものになってしまったりするんですよね。だからそんな「最高」を思い出すために、または取り戻す勇気をもらうために、「あっぶね!そういえばそうじゃん、生きるのって最高だったじゃん」と思い直すために僕たちはライブに行くのかもしれないし、少なくとも僕の中のいくつかの淀みが今日、再び流れ始めた実感がありました。
チャマ、元気そうでよかった。表舞台に戻ってきたばっかの頃はかなり老け込んだ印象だったけど今日は血色も良かったし髪も染めてたし、この歌ではちゃんとキックもしてた。supernova
「まあそうくるよね」とは思いました。思いましたけどそれでもやっぱりじーんと来るんですよね。この曲に関しては世代とかそういうのだけじゃなく、もっと根っこの部分でそう思っています。embrace
「藤くん的優しさ」が一番高濃度で摂取できる曲だなと思っています(すいませんいっぱしのオタクみたいな言葉遣いして)。こういういにしえの曲でもここぞとばかりに演ってくれる嬉しさはもちろんですが、どれだけ時間の開きがあってもこうやって違和感なくというか、うまく言えないですが「今の歌」として聴けるというのはどのアーティストにもできることではないと思います。ガラスのブルース
もう何も言い残すことはない。この曲を最後の最後に聴いて帰れる贅沢さは筆舌に尽くしがたいものがあります。
【その他雑感】
・ヒロいっぱい間違えてた(ニッコリ)
・秀ちゃんぼちぼちオンマイクでもええんやで
・藤くん43歳ラストライブ……43歳!?その肌艶で??
・そのキャリアでもまだ「次いつ仙台来れるかわかんねえ」って言っちゃう聖人ぷり
・ステージを駆け回る秀ちゃんはもう本当にただの無邪気 ただのかけっこ
・声出さない勢や腕あげない勢など多様性へのホスピタリティが完全無欠すぎる男・藤原基央
・ヒロ「宮城はまだ桜が満開でよかった、そして今日ここにもみんなの笑顔の花が咲いた」クッソやかましい(ありがとう)
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もっと濃密な感想やレポがSNSやブログでたくさん流れていると思うのですが、そんな中こんな軽薄な記事にお付き合いくださってありがとうございました。
今改めて考え直してみた時に、なぜ僕が昨日の参戦にものすごくフラットな気持ちだったかというと、それはもうそのくらい僕の全身にBUMPが染み渡り切っている(新曲全然聞いてないくせにですが)ということなのかなと。
結果として自分の血中BUMP濃度を再確認できた日となり、なおかつここからの暮らしの中にも、それこそまさに『イノセント』で歌われているように「気付かれなくとも/万全を期して/唄は側に」あるのだなと胸を撫でた日となりました。
図らずも3年スパンでライブ観に行ってるので、次はまた3年後とかになるのかな……3年後、ちょうど30周年ですな!
これからもどうか無理せず、息長くお願いします。また会いに行きます。
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