おと酔いウォーク2024へ行ってきました
こんにちは。
去る4月13日(土)、飯坂町で毎年開催されている音楽イベント『おと酔いウォーク』に行ってきました。
実は、個人的にまだ演者・観客どちら側での参加経験もなくて、ちゃんとコミットするのはイベント10年目となる今回が初めてでした。
春というより初夏に近いほどの快晴と、充実度の高いラインナップのおかげで、最後までとっても楽しかったです。
つきましては、ちょっと感想を書いてみようかなと思いました。
完全にお客さん目線で書いていくのでその点ご承知おきいただきたいのと、
「えーあのアーティスト観に行ってないのー? もったいなーい!」みたいなのもきっと多数あるかと思うのですが、これでも僕にしては頑張って回ったほうなのでどうかご容赦ください。
(以下、見出しは敬称略)
アキレスと亀
押さえていた駐車場へのアクセスがけっこう難しくて、最後の曲『signal』をやっていたところにギリギリ飛び込みました。
ギターボーカルのユウスケさんとキーボードのともきさんの二人体制でしたが、さすが普段から打ち込みを駆使しているだけあってまったくサウンド的な物足りなさを感じない(もちろんフルメンバーで見たい寂しさはありましたが)パワフルなライブでした。
観に来ていた人たちも一緒に手を振って、一体感のあるステージだったようでした。
アキ亀はずーっと新境地への挑戦を続けているバンドだなという印象があって、これは成功、これは失敗、というのはバンド内でいろいろあるでしょうが、それらをすべて次のアクションへ昇華させているところが素敵だなと思っています。マンスリーワンマンもがんばれ~!
hpn
サブキャラ大集合でご一緒して以来、その耳心地のいいメロディラインとマットな歌声が大好きだなと思っているhpnさん。バンドサポートとして弊バンドzanpanのドラムふっしーと、OUT OF FASHIONの木島兄がベース。いいな~うらやましい~!
たぶんバンドセットをちゃんと観れたのは今回が初めて……? だったと記憶しているんですが、hpnさんの曲の風味や薫りをとてもよく引き出していて、聴きごたえ抜群でした。
いつも同じバンドで肩を並べているメンバーを、別のバンドで客席側から見るのはとっても新鮮ですし、木島兄のベースも随所にこだわりが感じられて味わい深かったです(ふっしーは「ベースの系統はながいせんせに似ているのでは?」と言ってましたが、ちょっと恐れ多かったです)。
ひとりぼっち秀吉BAND
最後の飯坂。僕自身、解散が発表されてから秀吉BANDを見るのはこれが最初でした。
今回は初期サポートメンバーのサスケさんを迎えた4人。ゆるりと楽しそうなMCには安心感を覚えます。
可能な限りラストライブも観に行くつもりではいるんですが、そうは言ってもこれはこれ。「解散まであと○回」というカウントが目の前でまさに1減るところを目の当たりにするのは、えもいわれぬ切なさがあります。
でもやっぱりそういう切なさよりも「だからこそ思い切りやろう!」が似合う、これぞ秀吉BANDだなあと、そのパワフルかつ多幸感あふれるステージを観て再認識しました。自分のバンドキャリアの中でも「直属の先輩」と表現できた数少ない兄さんバンド。変わらないおっきな背中を見せてもらいました。
桂笹丸/狐火
喜怒哀楽の「喜・楽」担当の笹丸さんと、「怒・哀」担当の狐火さんのコラボ。
狐火さんとはPEAK ACTIONの周年企画で1度だけご一緒させていただいたことがありますが、しっかりとご挨拶もできておらず、完全にお客として観に行きました。
桂笹丸さんは完全に初見……どころか噺家の方をちゃんと見るのも初めてで。月並みな感想になっちゃいますがやっぱり表現力がすごいですね……! 生で見るとより一層、登場人物たちの姿がありありと視える気がしました。
笹丸さんが狐火さんのファンだった、という馴れ初めだそうで、笹丸さん自身も最後に落語をラップにアレンジしたものを披露。話の脈絡を維持したままライミングも抜かりなく、しかもよーく聞くとトラックにちゃんとユニゾンが入ってたりして「本仕込みじゃん……!」と興奮をおぼえました。
狐火さんは、地団駄の癖が響いて両足を疲労骨折された状態。歌いながらちょくちょくサポーターのズレを直す姿が、でも不思議と歌の中の不屈さや執念とリンクするような感じがしたのと、あとそもそも疲労骨折の痛々しさみたいなものを全くほど感じさせない気迫のライブでした。
つじむらゆみこ with いりたにまゆこ
前の週にPEAK ACTIONで開催された「FROM “MUSICIANS”@Fukushima」のチャリティーキャラバンでも拝見していたのですが……その日が、おそらく8~10年前にThe Camelsでベースをやられていたとき以来の、いりたにさんとの超久しぶりの再会でした。
その流れで今回も観に行ったというのはもちろんあるんですがそれだけではなく、つじむらさんが僕の大好きなふくしまFMさんで番組テーマソングを歌われており、その生歌唱が聞けたらいいなあ……の望みも込めてのことでした。
ちょっと早めに着いちゃったのですが、始まる頃には会場は超満員で、窓の外にも立ち見勢があふれていました。老若男女を問わないつじむらさんの歌と、同じベーシストとして尊敬しきりのいりたにさんのベース&コーラスで大満足でした。
お得意の人見知りが発動してつじむらさんにはご挨拶できずじまいだったのですが、次にまた何かでお会いできた暁には、このおと酔いのステージの感想もお伝えできたらな、と思っています。
DEFROCK
もはや言うまでもないという感じだとは思うのですが、さすがのターキンさん、いつもと変わらぬ……というかいつにも増したハイパワーで、会場狭しと大盛況でした。みんなで虎の投げ合いをしていました(文字通りです)。
個人的にはしっかりバンド編成で拝見した回数ってあまり多くないんですが、お三方とも息ぴったりでさすがだなと思いました。特に酒井さんのドラムがすごく軽やかで心地よかった……!
実行委員長ということで、当日に限らずかねてからいろいろと大変だったかと思いますが、そんな中でも疲れを一切見せない(疲れているのかどうかもわからない)キレキレのステージで、いったいどこにそんな元気が……と思いながら見てました。ゆっくり休んでいただきたい……!
SCOOBIE DO
このへんのスケジュールが結構タイトだったもんで、1~2曲だけ聞かせていただき退散しました。
以前フィロソフィーのダンスというアイドルグループを強めに推していたんですが、SCOOBIE DOとコラボ曲を出したことがあって(『ラブ・バリエーション with SCOOBIE DO』/2018年)。個人的にはそれ以来(だし、不躾ながらそれ以外は知らない)という状態でした。
が、登場から演奏開始に至るまではもちろん、煽りやシャウトなど、どれをとっても見どころに事欠かないパフォーマンス……ファンキーで格好良かったなあ……!
蔵の中で揃いのスーツスタイル、というミスマッチ感もなんだかよかった。
フロアを巻き込むライブスタイルも相まって、走り出しから熱量の高い圧巻のライブでした。
huenica
実は2014年12月、東京でライブをご一緒するはずが大雪でお流れになったという(弊バンドメンバー含め)誰も覚えていないであろうご縁があるhuenicaさん。
ちゃんとライブを観る、曲を聴くというのが今回初めてで、予備知識ゼロ状態でしたが、「huenicaはいいぞ」というお声だけはかねがね各所で聴いていたので、シンプルに楽しみにしていました。
が……とんでもない……いいぞなんてもんじゃない。はちゃめちゃによかったです。大好きです。メロの耳ざわりの良さ、という表現においてはhpnさんと同義なんですが、huenicaさんの音楽はなんというか、すごく柔らかく横たえられている感じというか。刀のように研鑽するミュージシャンもいて、それはそれゆえの味がある一方で、huenicaさんはガーゼのような肌触りや匂いといえばいいんでしょうか……「ふわり」とも「ざらり」ともいえる質感と、でもその実織り目は綿密で。言い表せているのかどうか微妙ですが、またどこかでご一緒できる機会があったらうれしいなと強く思います。
Juni.&アベマンセイ
これまたフロミューキャラバンでお馴染みのおふたり。Juni.さんの歌声は普段の優しい話し口からはキリッと変わって、いつもそのギャップに驚きます。声も楽器だなんて言いますが、それを一番強く体感できるお声のようにここ最近は思います。楽屋のサイズ感もあいまって、オフマイクでも声の響きがしっかり耳に押し寄せてきました。
そこに寄り添うマンセイさん。『MAGIC NOISE』では歌唱も聞けましたが、ただでさえ超絶ギターなのにお歌やコーラスまでお上手ときたらもう平伏するしかありません。基本的に大勢で歌うこの曲、たったふたりでの歌唱はやっぱりレアだったんですかね……? いつもの大団円感も好きですが、これはこれならではのよさがありました。
秋野温 (鶴)
またまた昔話になりますが、2014年3月に福島OutLineでご一緒させていただいたことがあり、2022年3月にはホテル聚楽でのイベントで再度ご一緒させていただきました(うちはボーカル不在でしたが)。
新曲も聞けましたが、一貫して昔から独特の温かみのある歌声、本当に全然変わらなくてびっくりします。ユーモラスな入場・MCもステキ。
リハで、僕も大好きな『ソウルメイト今夜』を歌われてたんですが、本番でもやられたのかなあ。中抜けしたため最後までは聞けなかったのですが、また別の機会にも聞ける日を楽しみにしています。
sayuta
秋野さんを中抜けしての途中参加だったので駆け込み入場だったのですが、いざ入ってみるとピアノが壁に寄せられていて、おさゆさんはフロアと目が合わない構図。奥のほうまで駆け込んだものの、「ここじゃ俊悟さんしか見えねえ」となり中ほどまで戻ったのでした。
その俊悟さんのギターがこの日め~ちゃくちゃよかったんですよね~~。ご本人も「これをやりにきてる」とご満悦。
『リトルシアター』はシェイカーとアコギのボッサアレンジ。お見事!
こんな夜のためにあったような『こんな夜のためなら』、からのBAR楽屋になぞらえた『Sparkling』。リズミカルな畳みかけにワクワクが止まらないゴキゲンな締めくくりでした。
そのあとは一日の歩き疲れを足湯で癒し、一本締めを見守って帰路につきました。
ちょっとこっぱずかしいお話をひとつ。
「夢ってのは呪いと同じなんだ」とは『仮面ライダー555』の有名なセリフですが、ことほど左様に僕も昔は「音楽イベントをお客として観に行く」という行為に変な劣等感を覚えてしまって、素直に楽しめない時期が長くありました。
「俺は観にきたいんじゃなくて演りにきたいの!! ここに!!」と、子どものようにヤキモチを焼く感じ、駄々をこねる感じというか。
今でももちろん、出られるものには出られたらとっても嬉しいですが、ただ、そうでなくともこうして観に行くことを純粋に楽しめている自分が今はいます。
なんだか、そういう意味では自分も、ちょっとは大人になれたのかなあ……なんて、足湯に浸かりながらうっすら思ったりしました。
それだけ、この日はすごく楽しかったです。
歩いていればあちこちにお友達やら先輩後輩やらどなたかしらがいて。僕はこういうとき一人でふらふらしているのが好きなのであまり誰かとちゃんと行動を共にするってこともないのですが、それでも会場にいれば誰かしらと目が合って、手を振ったりして、それがすごく心地よかったです。お天気も良かったし、ご飯もおいしかったですしね。
なんやかんやと書きましたが、やっぱりこれだけのイベントを実施されるのは大変な労力が伴うかと思いますし、出演者や実行委員の方々だけではなく、町内外のたくさんの方々の協力があってこそ実現されているものだと思います。
いろいろな方面に感謝の念を送りつつ、また来年も楽しく開催されることを願っています。
(ゆげおと写真撮ればよかったなー!)
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