人間について考える私

暑い。
正直今の気持ちにぴったりが言葉がこれ以外あるだろうか。いや、無いだろう。
私は、いつからここに居るのだろうか。
それは、覚えてない。
歳をとるにつれ、記憶は無くなっていく。
人は、私をみて可愛いーとか奇声をあげるか、いきなり頭を撫でてくるのが大半だ。
最初の頃は鬱陶しかったりもしたが、いつしかそれにも慣れた。
あー今日も今日とて、特に変わらないこの日常だ。
暇をもてあまりただ惰眠を貪る。
これほど幸せな生活はあるだろうか。
いや、ないのだと私は思う。
でも、最近は人の生活もいいのかもしれないと思ったりもした。
慌ただしい生活を送りつつも、笑顔や誇らしげな顔をする彼ら。最初は理解できなかったが、今では、なんとなくだが理解出来る。
それぞれにそれぞれの幸せな日常がこのまま続くといいのだが人間は時に、愚かにも、自らの欲で自らを破滅においやったり、他人を陥れたりする、そんな人間の醜さは嫌いだが、人間の他人と喜びを分かちあったり、誰かのために役に立とうとしたり、辛いことにも必死で足掻いて、乗り越えようとする姿は嫌いではない。
そんなことを思えるようになったのは彼女のお陰だが。
はぁ、彼女は早く来ないだろうか。
欠伸を噛み殺しながらも、瞼が落ちる。
体がポカポカと光にあたり、風がそよそよと吹く。
やはり、私には、人間は理解はできない。人間について考えるのも面倒にほかならないが、こんな日も悪くない。
そう思いながら、私は彼女に会う前に、静かに寝息を立てた。

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