天使


地上にいる天使を探し歩いている。天使は人と同じ姿形をしているから見つけるのは大変だけれど、必ず存在している。

私は今まで何人の天使に出会ってきたかしら。ひとり、ふたり、さんにん、よにん、ごにん、ろくにん…意外とあちらこちらにいたりする。思えばあの人もこの人も、天使だったのかもしれない、そう思うとキリがない。天使は私を幸せにしてくれる。私は天使といる時が1番幸せ。気持ちを救ってくれる。悲しいこと忘れさせてくれる。天使は否定したりしない、だからといって全てに肯定するわけじゃない。ちゃんと考えて、いい言葉をくれる。その言葉は暗号か何かで、閉じ込められてた小さな部屋の扉を開けてくれる。気持ちを明るくしてくれる。

天使は太陽と月が好き。太陽と月を愛する生き物らしい。私ももちろん好き。だから誰かにとって私も天使だったりするのかな。そうだったらいいなって思っちゃう。

天使が現れると空が晴れる。不思議なくらい、青い空の下で天使は笑ってる。

天使はいつも明るいことを言う。グッドなジョークも持ってる。時々皮肉を行ったりするけど、基本的には誰かを悪く言わない。誰かを褒めたり、幸せそうな顔で太陽に目を細めている。天使は優しくて、そして頭もいい。いろんな知識があって、いろんなことを教えてくれる。私が分からない言葉をひとつひとつ丁寧に説明してくれるし、私が分かるようにゆっくり話してくれる。詩を読んでくれたり、歌を歌ってくれたり。天使はお花みたいな言葉をいつもプレゼントしてくれる。

それにそれに、天使は私を愛してくれる。他の人を愛すように私を愛してくれる。まるで兄弟みたいに愛してくれる。欲などはなく、ただ愛してくれる。まるで私がここにいることを喜んでくれているみたいに、ただ愛してくれる。私の存在を祝福してくれているかのように、純粋無垢な愛をくれるから、私は私を許してあげられる。天使はいつも、私が私でいることを認めて、優しい目で見つめてくれる。そしてそんな天使を私は心から愛している。なんの駆け引きもなく、欲もなく、眠る飼い猫を撫でるように愛している。ただそこにいてくれたら幸せだから、天使と猫は同じかもしれない。でも天使はやっぱり猫よりももっと心を救ってくれる。天使と恋に落ちたりはしない。だって天使との間には恋愛みたいに終わりや悲しいことが存在しないから。天使はただ幸せをくれる。幸せだけしかない。天使がいる空間は楽園になるから、恋愛なんていう欲の存在するものは、天使との間にあってはいけない。天使は幸せのためだけに。

悲しいことも嫌いじゃないけど、天使といる時は楽しいことだけ話したい。この愛は壊れたり傷ついたりしないもの。

いろんな国でいろんな天使に会いたいな。今私の住む町にいる天使は太陽みたい。でもその天使といる時の私も太陽みたい。太陽がふたつあるみたい。ああ、だから青が好きなんだ。私たち、空の中にいるんだ

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